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リンパ管静脈吻合手術(LVA)を受けてみた 後編
前編はこちら↓
いざ手術
定刻にクリニックに到着して間もなく手術室へ案内され、紙ショーツと巻きタオルを身につけ、血圧計とパルスオキシメーターを着けるくらいで気楽に手術台に寝転がる。
いよいよ痛い痛いと聞かされていたICGを注射!
…おや?
痛いけど、身構えていたからか予想していたよりは痛くなかった…敢えて言うなら指側よりもくるぶし側の方が痛みの程度が強かった。
ともあれもう痛いのは乗り越えた!大丈夫!
赤外線ライトで照らすと、「右は正常ですねー」と医師がおっしゃるように右脚はキラキラスルスルとICGが流れていく様が見て取れた。
一方左脚は…甲で脛で太腿で、随所で光がぼんやりと弱まり消えてしまっている。
何箇所も漏出していそうだったけど、今回は甲と脛、膝上の3箇所を切ることになった。
切る場所に印を付け、麻酔を数箇所入れてもらう…
が!これが!痛い!!
ICGなんて比較にならないくらい痛かった。
思わぬ伏兵に悶絶しながら、それもやがて麻酔のおかげで何も感じなくなり...ついに皮膚にメスが入る。
手術の様子は希望すれば確認できるようになっていた。
「イヤだったらモニター背けますけどどうします?」とのお伺いに、自分の体の中を見る機会もそう無いので迷うことなく見ます!と答えた。
切られる自分の足を見て、見るからに痛そうなのに痛くないという不思議な感覚に不意に笑い出してしまった。手術の始終はかいつまんで下図の通り。
![](https://assets.st-note.com/img/1668857424506-IQcq2qQu8K.png?width=1200)
赤が静脈、黄がリンパ管を表してます
切った血管のうち繋がない方はレーザー処理(たぶん)
切開部分は私から見た図なので、天地が逆
手術中はパルスオキシメーターが装着されている左手の指先がキンキンに冷えたけど、腕や顔は比較的自由に動かすことができるので割とリラックスできると思う。
(書いてて気づいたけど、腕の浮腫がある人はここに制限がかかるってことか…)
私が受診しているクリニックでは希望すれば好きなBGMを流してくれたようだけど、元々流れていたFM放送のまま手術に臨んだ。好きな揚げ物ランキング、とかちょうどいいどうでもいい話をしていたのが適度に緊張を緩和してくれて良かった。
14時過ぎにICGの注射を始めて、足先から手術を開始し、最後の膝上の縫合が終わったのが17時半頃。
膝上の脂肪がすっかり分厚くなっていて、繋ぐ管の選定に少し時間を要した印象だったけどまずまず予定通りに終了した。(場合によっては別途脂肪吸引をすることもあるのだそう)
それにしてもじっくり見られて満足感があった。
自分のリンパ管が皮膚からどの辺りの深さにあって、どの方向に流れているのかを実感できるので、セルフケアの参考にもなると思った。
余す事なく観察できて楽しかった。
手術を終えて
手術後の当日だけは弾性着衣ではなくバンデージ+普通のタイツで過ごすようにとの案内。
1週間後の抜糸まで入浴×シャワー〇、特に痛くはならない筈とのことで、絆創膏貼り替えの時用のゲンタマイシン硫酸塩軟膏だけで痛み止めの処方なし。
多少違和感はあるけど麻酔が効き続けていて痛みは皆無なので、休憩も特にせずに歩いて帰宅することに。
さて気になる費用は…私の場合は限度額適用認定証を提出した上で8万円代のお支払い。
なるほど。
自分へのご褒美にシュークリームを買い、帰宅後、バンデージを外して現状確認。
![](https://assets.st-note.com/img/1668775756299-OSjwrztxT6.jpg?width=1200)
緑の線は造影剤が光った所を油性ペンでなぞったもの
この通り、左脚は光る箇所が少なかった
膝上はこの時点でガーゼ部分が真っ赤になる程度に出血があったものの、麻酔が効いたままなので痛くはなかったし、翌朝には出血は止まっていた。
お勧めされた通りしっかり休もうと、1週間の休暇を取った。動こうと思えばまあ動けるけど、動いて縫い目開いちゃったら跡が大きくなるし(過去の開腹手術の時にやらかした経験あり)極力家に篭ることにした。
我ながら英断で、案の定大して動いてないのに4日めくらいに膝上の結び目が片方解けてしまった。
浮腫の様子は…
ところで肝心の浮腫には効果があったのか?
これが嬉しいことに結構すぐに自分では分かる程度に変化があった。
2日目には埋もれていた膝の皿の気配が感じられるようになった。
3日目には靴の踵部分に余裕が出てきたことに気づいた。
他にも、脛の骨の存在を感じられたり、両手でなんとかふくらはぎ周りを掴めるようになったりして歓喜している。
![](https://assets.st-note.com/img/1668866866337-Q1xM7iuNgi.jpg?width=1200)
足首、膝周りをはじめ全体的に改善
前編にも書いた通り、リンパ浮腫は基本的に完治しないものだし、LVAを受けたところで効果は確実ではない。またこれからも浮腫の場所が増えるかもしれない。今後もドレナージや圧迫は一生続けなくちゃいけない。
抜糸も終えていない今の状態だけで判断できないかもしれないけど、それでも今のところは心底受けてよかった。気分が違う。
リンパ浮腫についてはたくさん困ってる人がいるだろうのに、当事者の話に触れる機会は少ない気がする。
治療法を選択するにあたって、体験談はきっと参考になるはず。私もこうやって書くことで、誰かの何かの一助になればいいなと思う。
今回は私の体験したLVA手術のあらましを駆け足で記しました。今後の経過や、今までリンパ浮腫がらみで感じたことなども改めて書いていきたいと思います。