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実家の片付けのお値段 #鍛治町家の復興
相続した実家の家財を整理しました。初めての経験で手探り状態でしたが、約4週間かけて進めました。うまくできたかは分かりませんが、これから順を追って報告します。
家財の相続評価額 5万円
相続の際、家財の評価額は5万円とされました。税理士がどのような基準で算出したのかは分かりませんが、その額をもとに相続手続きは問題なく進みました。ただ、実際に実家を片付けてみて、片付け後に現金が手元に残ることは現実的にはありえないと痛感しました。
自分で片付け2週間 3万円
まず、家内と私の2人で片付けを始めました。4年間放置されていた室内はネズミの痕跡があり、まずは足場を確保することからスタートしました。自家用車の荷台にブルーシートを敷き、荷物置き場として活用。毎日3回、市の清掃センターに通い、それを10日間続けました。1回の処分費用は約1,000円で、合計3万円ほどかかりました。
家の中の清掃や片付け、運搬作業は想像以上に大変でした。特に、整理や移動を効率的に進めるための道具がなかったため、作業は非効率になりがちでした。
業者が片付け 42万円
この状況では自分たちだけで全てを片付けるのは無理だと判断し、業者に依頼することにしました。早速、ネットで複数の業者を調べました。現在、片付けを請け負う業者は非常に多くあります。タンス、書棚、食器棚、テーブル、デスク、椅子など、家具とその中身をすべて片付ける内容で見積もりをお願いしたところ、42万円という金額でした。
ピアノ 5万5千円
家財の片付けでは、ピアノは別扱いとなります。費用はピアノ自体の値段ではなく、運搬費用として請求されるものです。50年以上経過したピアノの価値は、0円と査定されました。
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金庫の鍵明け 1万5千円
金庫が開かない状態でした。鍵もなく、番号も分からないため、専門業者に依頼しました。今回は合鍵の取り寄せに2,000円、番号を合わせる作業に15,000円かかり、合計で17,000円でした。緊急対応してくれる鍵業者もありましたが、そちらは料金が非常に高額で、桁違いの費用がかかることが分かりました。
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捨て難いもの
アルバムは思い出が詰まっていて、簡単には捨てられません。我が家には大きなアルバムが約20冊も残っていました。しかし、それらを全て自宅に持ち帰るのは難しい状況でした。姉や弟は、自分や子ども、孫が写っている写真を数十枚選んで剥がし、持ち帰りました。私は主な写真をスキャナーでデジタル化して保存することにしました。
使えるもの
実家には多くの家財がありましたが、持ち帰って使えるものはほとんどありませんでした。自宅ですでに揃っているものが多く、新たに必要なものはあまりありません。業者に衣類や日用品、飾り物などを選別してもらいましたが、価値のあるものは見つかりませんでした。ただ、ティッシュペーパーのように日常的に使えるものは活用できました。一方で、実家にたくさんあった食器は特に価値のあるものがなく、ほとんどが廃棄されました。
片付け単価 2.6千円/㎡
約200㎡の伝統的な町家の家財整理には、合計で52万円かかりました。片付けの費用は1㎡あたり約2,600円でした。町家には押し入れがあり、その分家財が多くなっていたことが影響したかもしれません。実家の片付け方法には、すべて業者に任せる人や、すべて自分で片付ける人などさまざまな選択肢があります。私たちは、自分たちでできる範囲で進め、足りない部分を業者に頼むことにしました。
最初の2週間は自分たちで片付け、市のクリーンセンターに運びましたが、全体の約1/3を片付けたところで業者に見積もりを依頼しました。そして、4週目に業者が作業を行い、1日で片付けが完了しました。この方法での片付け単価が2.6千円/㎡となりました。
実家の家財の価値
実家の家財は、親が70年間住んだ証です。父母は米寿を迎える前後で亡くなりました。実家の状況を見て、もっと早く片付けてほしいと思いましたが、片付けを進めるうちに考えが変わりました。亡くなるまでの10年間、体力が衰える中で、今まで大切にしてきたものを捨てるのはとても難しいと気づきました。思い出や証を捨てるには、相当な体力と、それ以上の気力が必要だと実感しました。
実家の片付け作業は、そんな思いを抱えながら進める作業でした。家財の中で残せるものは少なかったですが、次の世代に父母の証を繋ぐことに価値があると感じました。