「居場所を考えるためのワークショップ」
こんにちは!パノラマ理事長の石井です。NPO法人パノラマが運営する北部ユースプラザのスタッフ向けに、「居場所を考える」ためのワークショップを、ぼくが毎月実施しています。
今月実施したワークショップが、まだ改良の余地があるもののなかなか良かったので、改良したイメージをシェアさせていただきます。居場所運営者の皆さんにシェアしますので、よろしければ使ってもらってフィードバックをいただけるとありがたいです。
ちなみに、トップ画のトランプは混乱を避けるために、2名のスタッフに事前に内容をトランプを使ってシュミレーションした形跡です。はじめてのワークって緊張するけど、そういうものこそ信頼のおける身内で実施してみるのって大事ですよね。
「自分たちの居場所について考えるワークショップ」(60分〜90分)
〜以下、3人1組9名の想定です〜
備品は以下。
大きめの模造紙(参加人数にもよるが大きい方が思考を整理しやすい。写真より大きい物が良い。保存したくなるはず)。
模造紙をマジックで4等分にし、左上「みんなの居場所(A)」、右上「みんなの居場所にあって支援機関の居場所にもあるもの(B)」、左下「みんなの居場所にしかないもの(C)」、右下「支援機関の居場所にしかないもの(D)」としておく。(添付参照)
各テーブルにマジック2本。
大きめの付箋
実際にやってみるとこんなふうになります。
狙い1:一般的な居場所(サードプレイス)と、支援機関の居場所の類似性と違いを洗い出すことで、自分たちが支援として取組んでいる居場所がどのような場所であるべきかを考察し、実践に移していく足がかりを作る。
狙い2:スタッフ同士がプライベートの一部を語ることで、日常のコミュニケーションが円滑になり、課題解決のための語り合う文化の土台を作る。
グループワーク(20分)
趣旨説明。ファシリテーターが自分の居場所(サードプレイス)を語ってみると良い。
3人1組のペアを作る(トランプを使って同じマークの人同士が組むようにランダムに。普段あまり話さない者が組むのが良い)
「あなたのプライベートで、居心地の良い居場所はどこ?」(短くシンキングタイムを入れる)
順番に、その居場所が好きな理由や、そこが居場所と思える理由を5分間話してもらう。
聞き手は、質問をしたりしながら、話し手が居場所に感じているキーワードやエッセンスを短く書き出す。その際、出来るだけ多く出してもらうよう指示する。(例:利害関係がない。マニアックな言葉が通じる。仕事を忘れられるなど)
3人が話終わったら、全体の感想を語りながら、更にキーワード、エッセンスを書き足していく。
時間に余裕があれば、各テーブルの代表者が、みんなが居場所に求めているものが何かを発表してもらう。
全体ワーク1(10分)
模造紙の「みんなの居場所(A)」に各テーブルの付箋を貼り、同じようなものをまとめていく。
「みんなの居場所」の中で、「支援機関の居場所」にもあるものを「みんなの居場所にあって支援機関の居場所にもあるもの(B)」に、話し合いながら付箋を移動させる。※この時のあーでもないこーでもないというやり取りが、自分たちが運営する居場所を再定義していく良い時間になる。
「支援機関の居場所にしかないもの(D)」を話し合いながら、付箋に書き出し貼っていく。(5分)※ここは後から気が付いて増えていく。
全体ワーク2(20分)
ファシリテーターの問いかけきっかけに、自由に参加者たちが話し、自分たちの運営スタイルについて考える時間。問い掛けは以下のような感じ。
「(D)を居場所スタッフとして行いながら、(B)の居場所の安心・安全を維持するとはどういうことか?」
「(B)と(D)のバランスの最適化とは何か?」
「(B)より(D)が強い居場所はどんな場所か?(多分それは教室)その逆だとどうなるか?」
「(C)にあるもので(B)にもあるべきもの、あったら面白そうなものは何か?」
上記のような議論が深まる問いかけをしていきながら、自分たちの運営スタイルを顧みて行く。
感想のシェア(10分)
1人ずつ自由に話してもらい、コメントがあればコメントを挟む。
まとめ
フリースタイルで!
この後、会議となり、メンバーさん(利用者)への対応で悩ましい議案があり、ぼくはこの模造紙にヒントはあるのではないかと見に行きました。また、スタッフからは、これをメンバーさんたちにもやってもらったり、これに付け加えてもらったら良いのではないかというアイデアを出ていました。どんな発言が出てくるのかワクワクするワークショップですので、居場所運営者の皆さま、ぜひご活用下さいませ。