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【ほぼ朝】若者支援は専門性<関係性
ティーンエイジャーは専門性を頼りにしない。彼ら彼女らが頼るのは関係性である。よって、扉の外側で関係性を築くことのできない専門家は、扉の内側に入って来てからの数時間を、ラポール形成という関係性の構築に時間をかける。
ただ問題なのは、ティーンエイジャーは、関係性のない専門家には、基本的には会おうとはまずしない。会うのは例外的だと言っても過言ではないということだ。その証拠となるのが、ティーンエイジャーの支援機関やハローワークの利用数の圧倒的な少なさだろう。ぼくら、若者支援者は前期若者を捕捉できていないのだ。
この忸怩たる状況を打ち破るひとつの手法が校内居場所カフェだ。相談員が相談室の扉の外に出て、高校内でカフェを開き、日常会話を通して生徒と関係性を築いていく。ぼくらはこれを信頼貯金を貯めると言っている。
この関係性は、どんな専門性よりも強力であり、専門家にティーンエイジャーをつなぐハブになることが可能となり、このつなぎこそが、スクールソーシャルワークだと思う。
さて、今週ここまでの話を裏付ける、以下のようなことがあって、ぼくはちょっと笑ってしまった。
ぼくのいるときの北部ユースプラザに一度だけ来所経験がある、卒後支援をしている某若者に、ユープラで実施するGATB(職業能力検査)に、LINEを使って参加を促してみた。
思いのほか食いつきがよく、参加がすぐに決定した。しかし、実施日にぼくもスタッフ小川もいないことをここまで伝えていなかった。これは、ぼくの落ち度かもしれないけど、ギリ大丈夫かな、とちょっと期待していたのだ。
ぼくら支援者は依存先を増やす仕事なので、石井と小川以外のパノラマのスタッフに会ってもらいたいという思いがそこにあったのだ。で、恐る恐る伝えみた。以下、原文ママ。
石井「ちなみに石井も小川もいないけど大丈夫だよね?」
若者「え。まじ。」
石井「そ、なのよ。どうする?俺がいる時に個別にやることも出来るから、そうする?」
若者「そっちの方がいいー。」
ぼくは思った。うちの子かよっ!まるで「パパがいるときがいいー」と同じ感じじゃないか。
話を戻すと、こういう若者が若者支援機関に自ら電話して、予約をし、足を運ぶなんてことはないだろうということ。そして、社会的な機会損失は、この年代の若者たちがもっとも大きく成長する可能性を持ち、地域にも受け入れの体制をつくりやすいのに、誰もリーチ出来ていないということ。
ぼくは今日この後、昨夜投稿した生徒と学校で会い、履歴書と面接の指導をし、そのあと、別の生徒と待ち合わせして、バイターンで受け入れて下さる事業主さんのところに行く。
こういうひと手間こそが社会的投資であり、NPO等の組織が学校に入ることで、その投資を支援対象者にしっかりと届けることができるんだと確信している。
すべての人をフレームイン!
代表理事 石井正宏
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第0話「カフェが始まる前は何してた?」※無料公開
https://note.com/npopanorama/n/nc45e7a5b2c6b
第1話「このままでは相談室にぶち込まれる」(2,900文字)
https://note.com/npopanorama/n/nbd124b1f9bf1
第2話「どうして相談室ではダメだったんだろう」
https://note.com/npopanorama/n/nb9b7420a0a1b