NGOスタッフと働き方について考え、語り合うイベントを開催

働き方について考える「NPO&NGO Work Life Style Seminar」をNPO新聞の主催で開いた。国際協力NGOのJVCで働く、加藤真希さんをゲストに、渋谷にあるベーカリーカフェにてお茶を飲みながら語り合うイベントだ。参加者は、製薬会社の開発者、介護、放送関係の営業、映像系、車販売など多様な仕事をしている人たちが集まった。NPO・NGOで将来働きたいという人もいて、実際に働くスタッフと近い距離で話すことで、NGOで働くことを身近に感じられる機会となった。

NPOやNGOを仕事に選ぶということは、日本ではまだ特別なことだ。参加者には「仕事や給料のことを考えると、NPOで働くということにハードルを感じる」と言う人もいて、欧米と比べて日本はかなり遅れていることが現実だ。参加者のほとんどがボランティア経験者だったが、就職するとなると、一気に遠くのことに感じてしまうようだ。だからこそ、「NGOで働くことを身近に感じてもらいたい」と加藤さんは、イベントの目的を伝えた。

疑問点のひとつにお金のことがある。「金銭的なことから辞めてしまう人も少なくないが、あるNPOでは、40代で子供が数人いる男性スタッフもいる」とNPO新聞の辻から伝えた。結婚を機に退職する男の寿退社という言葉がNPO業界ではあるが、NPO法人が生まれた頃と比較すると、ぜいたくをしなければ、東京で家族と暮らせるくらいの収入は得ることができる時代になっている。「NGOでも残業代をちゃんと払うところも出てきている」と加藤さんも話した。

しかし、年2回のボーナスがあり、毎年昇給があるような企業と比較すれば、お金は十二分とは言えない。その分、仕事に思い入れがあり、やりがいがあるから続けていくことができるのだ。加藤さんはJVCでアフガニスタン事業部を担当しているが、「毎日現地スタッフと電話をして、今日は無事だったかと話すことから始まっている」と日本では考えられないような現地の状況を変えようと奮闘している。「自分が働くことで、ダイレクトに問題解決できるような仕事をしたくて、NGOを選んだ」と思いを語った。

また、ある参加者からは「専門性がないことで躊躇してしまうという」声もあった。加藤さんは、「NGOの仕事は専門性よりも、実際はデスクワークが多いから企業での経験は役に立つ。寄付・助成金の申請、現地スタッフやボランティアとのコミュニケーション、イベントの運営など、エキスパートよりもコーディネート力が求められている」と、説明した。

18時半から始まったイベントは、短い時間でも多くの話題が飛び交い、寄付金や助成金などNGOのお金の集め方の話題では、企業にいってプレゼンするときの具体的なエピソードを話してくれた。さらに、スタッフ同士で仕事やミッションへの思いのズレがあったときは4時間くらい話すといったNGOらしい話題もあり、話はつきなかった。イベント終了後も、有志のメンバーが残り、最後は10時過ぎまでNPOやNGOについて話が続いた。

参加者からは、「自分の中のNPO・NGOへの壁がとけた機会となった」、「今後もNGOなどの活動や事業についてたくさん知る機会があればと思う」などの感想があった。実際に働いているスタッフとじっくり話をする機会を通じて、いつかNPOやNGOで働くというイメージを描いてもらうことができただろう。

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