若き実力者たち 沢木耕太郎
様々な分野の若手実力者にスポットライトを当てた本(当時まだ若手だった小澤征爾氏が先日亡くなった。あらためてご冥福をお祈りします)。
競馬関係で登場するのは河野洋平。政治的には評判の悪い人であるが、競馬界的には重鎮。
私も、いつぞやのダービーデーだかなんだかに、府中の競馬博物館でお見かけしたことがある。たぶん何らかの絵画展みたいな特別展のときである。そのときも河野氏は周りの人たちに対して色々と蘊蓄を述べられていた(地位が高いだけに面倒くさい競馬オタクである)。
「川上の名前をおぼえたって野球選手としての川上は十年もたてば忘れられてしまう。競走馬はそうじゃない」というのは父河野一郎氏の言葉のようだが、なかなかに川上に失礼である。ただ、競馬ファンとしてはちょっとにやりとしてしまう。
また、面倒くさい競馬オタク河野洋平氏とライスシャワーでおなじみの栗林商船栗林友二氏の関係性が大変興味深い。
競馬とは無関係だが、畑正憲氏に「ムツゴロウ」のあだ名がついた経緯について、Wikipedia上でも諸説あることが示唆されているところ、この本では学研の秋山さんが名付けたとされている。
今だとこういう話はネットの記事で埋もれてしまうところで、埋もれるだけならまだしも取材媒体が消えると記事も消えてしまうリスクがある。本という形で残されているのは本当にありがたいし、いろいろな記事も電子書籍媒体でいいのでしっかり後世に残しておいてほしい。