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ミシンは女の仕事だと? 第三回ぬぬぬぬぬぅ倶楽部!(2024/10/11)

シェッド西成の黒田さんと松本さんたちによって企画された「ぬぬぬぬぬぅ倶楽部!」(10/11開催)は、じっくりミシンや縫い物ができます。また、ひとりひとりの手仕事とその時間を大切にし、雑談やティータイムなどを楽しんでいきます。初心者から経験者、そしてプロまで参加できるプログラムです。

黒田さんが今回のコーディネーター役です。今回は東田ろーじではなく、釜ヶ崎支援機構の南事務所で開催されました。それにはひとつの理由があるようです。

ミシンなんておなごの仕事だ

黒田さん 私が勤める内職センターでミシンの仕事をとってきたのがきっかけです。そのときに利用者さんから『ミシンなんておなごの仕事だ』と言われて。そう決めつけちゃう固定観念がある。決めつけはマズいなと思いました。なので講習会でとりあえずミシンを触ってみることから始めようと思いました。

松本さん シェッド西成は、手仕事の活性化を図るっていうことが1つの目標になっているので、 シェッド西成の参加者と内職センターの利用者とが今回は両方参加したというかたちです。

黒田さん  「女の仕事だ!」と決めつける背景のひとつとして、要するに女性の隣に座って作業したくないというのがあるんですよ。『女性がやるべき仕事をしてる軟弱なやつめと周りから思われる』だとか『女性に指示されたくない』など、いろいろ理由はあるようです。スペースは限られているから別の部屋を用意することもできないので最初は困りました。

ミシンは電動工具だ

困った結果、黒田さんが考えた文言は「ミシンは電動工具だ」でした。実は「インパクト(ドライバー)」などの電動工具は男性の利用者に人気があります。「ミシンは電動工具だ」と伝えることで捉え方を変えたのだとか。

松本さん 理想として思うところは、ある程度みんながミシンを触れるようになった段階で、 例えば週のうち水曜日の午後はそれぞれが使ってくれていいよと場所を開放して、みんなが自由に集まってきて自分のやりたいことをやる。で、その時にお話したい人はすればいいし、ただ黙々と作業したい、だけど家で作業するよりはその場所に出てきてやろうかという人がいたら、それもいい。手仕事ができる場所を共有することが孤独・孤立の解消につながると考えています。

黒田さん  来て何もしないのもありですね。

松本さん 手作業があると、黙ってそこにいても別にいい。居場所の難しさは元気な人が音頭をとったり、目立っちゃったりすることです。


黒田さん それが嫌なんです、私。


松本さん そういう風にもなりがちなので、そこはスタッフが調整するんですよ。いま誰々さんは休みたいからねとか言って、元気な人から遠ざけたりするわけです。逆に言えばそういう調整ばかりで良いわけはないので、手作業が中心にあって、ここは別に喋らなくたっていいよっていうことをみんなで共有できていたら、 1つのより良い孤独・孤立の解消ができる居場所づくりに向かっていける気がします。

何をしたか

いろいろ背景を解説しましたが、10月11日はミシンのスイッチの入れ方や糸のかけ方など初歩的なことを練習しました。

文/狩野哲也

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