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きれいな水で手を洗おう

こんにちは、NPO法人HEROのツカジです。

前回お話した歯磨き習慣と同じくらい、カンボジアの子どもたちの習慣で不足していたのが「うがいと手洗い」の習慣でした。

健康診断でも、虫歯の次に多かったのが
②腹痛(下痢)と
③呼吸器感染症(咳や鼻水の症状)

十分な手指衛生とうがいの習慣がないという理由も、この②③の症状を助長する大きな問題でもありました。


子どもたちのみならず、大人にも浸透していなかった「うがいの習慣」

2~3年程前に、市内のお店のスタッフに基本的な衛生指導を行って欲しいという依頼があったので、基本的なうがいと手洗いの方法をレクチャーしに行ったことがありました。
村出身の10名ほどの10代後半~20代前半のスタッフさんたち。
「手洗いの習慣はあるけど、うがいは今までしたことが無いので、うまくできるか不安」という声も聞かれ、初めてのうがいに挑戦してもらうという展開になりました。

大人でさえ、うがいの習慣がないのであれば、子どもたちが日常の中で取り入れられないのも納得です。

歯磨き指導と合わせて、うがいと手洗い指導も取り入れるようにして進めていったのですが、今度は乾季には井戸の水が枯れて、手洗い場の水が出ないという大きな問題にも直面。
なかなか、農村部での活動は継続させるには一筋縄ではいかないという。。。

また各家庭に、井戸や手洗い場が必ずあるかというと、そういう訳ではなく、雨水が一番きれいだと信じている方も少なくなくありませんでした。
井戸がない場合は、雨水を大きな瓶に溜めて、生活排水として使っている家庭もあります。これでは、手洗いの習慣があったとしても、効果が半減してしまいます。

余談ですが、私は6年前にカンボジアに来て井戸の故障があり、やむを得ずの判断で、瓶に溜まっていた雨水で手を洗った事がありました。
たったその1回で、両手に湿疹が広範囲にできてしまい、病院に行って薬を1週間のんで治したという経験があるので、雨水を生活排水に使い続けることは、決して良い衛生習慣ではないという実体験済みです。


かといって環境が整っていなければ、前に進めないという事で、HEROの活動として、小学校に手洗い場を作ったり、各家庭に石鹸配布(簡単なレクチャー)を2020年の上半期にかけて行っていきました。
出来上がった手洗い場で、顔や手を一生懸命洗ったり、きれいな水で気持ちよさそうにしている子どもたちの姿を見ると、この取り組みは必要なものだったのだと確信しました。

ちょうど、カンボジア政府もコロナウイルスの予防対策として、手指衛生やうがいを奨励し始めて、小学校に必ず手洗い場を設置しなければいけないという施策まで決めてしまったという急展開も。


コロナウイルス自体はピンチ的な事態でしたが、それによって衛生指導に対して国が大きく動きだしたことは、カンボジアの人たちにとっても、現地で活動している私たちにとっても大きなチャンスだと感じました。

このチャンスにのっとって、きれいな井戸水の出る手洗い場を大いに活用して、手指衛生とうがいの習慣が定着していく活動が継続できればと思います。
またその習慣によって手や口を介して入ってくる病原体を予防できて、病気に罹りにくい体作りへとつなげていければと強く思います。


NPO法人HERO
ツカジ

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