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知識で自分を守る

こんにちは、HEROのツカジです。

先日、村から市内へ帰る途中の出来事。

道路の脇に人だかりができており、中には10代後半~20代前半の男性が動物の様な奇妙な動きをして四つん這いになっていました。

聞くところによれば、犬に噛まれた後、そのままにしていたら様子がおかしくなってしまい、狂犬病を発症しているとの話。

看護師として知識はあるものの、実際の現場を目の当たりにしたのは初めてで、とても居た堪れない感情でした。

一緒にいたカンボジア人の現地パートナーの話によれば「狂犬病」といものを怖いものと考えていない人も少なくはない様で、動物に噛まれても、民間療法で様子をみたり(噛んだお米を傷口に吹きかける)

また病院に行くとワクチン代が25ドル前後するそうなので、経済的な理由で病院を受診できなかったりすることもあり、最近農村部では狂犬病を発症してしまった例が増えているという話でした。


全ての哺乳類が感染するリスクのある「狂犬病」

また、噛まれるだけではなく傷を舐められる事でも感染のリスクがあると言われていて、その上、狂犬病は発症してしまうと死亡率100%

そういう言葉は、医療者の私からすればもちろん基本中の基本の知識で、東南アジアや途上国に在住したり、訪問する人にとっては必要最低限の知識だと思っていたのですが、実際に現地で生活する人の中では、その知識を持たずに生活しているという人も少なくないという現実に直面させられた瞬間でもありました。

決して知識が無いことを責めているのではなく、どうやってその知識を知ってもらえるように働きかけられるかという事がとても重要だと。。。


こちらで生活していると「よく分からないけど○○する」という、根拠のない行動を聞いたり見たりすることがよくあります。

勿論、根拠はなくても生活の知恵袋のように理にかなっている場合もあるので全て否定するわけではありませんが、明らかに違うことを信じている場合も少なくありません。


医療という部分では本当に命に直結する場面もあり、知っているか知らないかで、時には大きく結果を左右する場合もあるので、農村部で医療展開していく上で「なぜそうする必要があるのか」「どういう場合は緊急なのか」など、治療と同時に、知識として伝えていくことも継続して行っていきたいと思います。


日本ではあまり心配ないかもしれませんが、もし飼い主のない動物等に噛まれたりした場合は以下の手順をお勧めします(海外では必須です)

①すぐに傷口を洗い流す
②医療機関を受診して狂犬病の予防接種(暴露後ワクチン接種)をしてもらう


NPO法人HERO
ツカジ


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