嫌だったのね

若くして脳血管障害に見舞われ、要介護5の状態で療養生活を続けるBさん。表情も変えず奥さんのきめ細やかなお世話を受け生活が続いています。脚の拘縮もベテラン級です。
ある時 奥さんより「最近おしっこが漏れて困るのー」と相談がありました。
どれだけヘルパーさんと策を練っても(大事なところを包み込んでも)あり得ない所に水溜りが出来てしまう、、とのこと。
「なぜか包んでいてもパッドから抜けるの」「絶対ぬけないように小さいアナをあけて固定してもダメ」と。
「脚の拘縮もひどくなって」
詳しく聴いていて思いました。
  あれ??  
  それってご本人が痛いんじゃない?
  敏感な部分をぎゅうぎゅう包まれて
   嫌になって、少しずつ拘縮を利用して
   逃れているのでは?

寝返りひとつとってもお世話される立場で表情もごく僅かにまゆをひそめる程度です。
が奥さんも私もいつも眼の奥にかすかな意思を感じます。

さっそく奥様はヘルパーさんに伝えて、そっと大事なところを包み込む方法に変更。
なんと!パッドから抜けてしまうおしっこもれが無くなったそうです。

Bさん嫌だったのね。。。
じっくり時間をかけて嫌な事から逃げていたのね。
その逞しさに奥さんと感心しきりでした。

拘縮が酷くなる、という変化にはひょっとしたら意思表示が隠れているのかもしれない、と私にも気づきがありました。

#NPO法人はるか  #不破本純子

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