2020年12月オンライン個別相談
2020年12月は1件(12月4日)のオンライン個別相談を行いました。
約1年前からiOSアプリの指伝話メモリを使い始めた方からのご相談。最近の様子を伺いながら、指伝話の操作に関する質問にお答えしました。
指伝話ユーザーの方は、参考になるかもしれません。
指伝話で音声を変えるにはどうしたらいい?
指伝話の音声は、日本語では Sho, Ryo, Sayaka, Haruka の4種類の声が搭載されていますが、話者を混ぜて使いたいとき、声のスピードを変えたいとき、声の高低を変えたいとき、一言しゃべってから間を置きたいとき、タグによってそれぞれ楽しい声の調子を演出することができます。
【話者を途中で変える・混ぜて使う】
物語の登場人物によって声の調子を変えるとき、別の調子の声でツッコミを入れるときなど、周りに笑いを誘う良いツールになります。
例:
[Sho] おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。
[Sayaka] 「おや、これは良いおみやげができたわ」
話者の名前の大文字・小文字は区別しませんので、[ ] の中にローマ字で名前を書くだけです。
[ ] の中に自分の名前を書けば自分の声で話せるのか!と考える方もいらっしゃいますが、そうではなくあくまで指伝話に搭載されている音声のみですので、ご注意ください。
英語の場合は [Paul]と[Julie] が使えます。
【声のスピードを変えたいとき】
このことばだけ早口にしたい!逆にゆっくりにしたい!
そんな使い方必要かなぁ?と思うようなことでも、実際に指伝話を使っていくとやりたくなってくるのが、コミュニケーションを楽しんでいる証拠。
そんなときには [s:150] のようにスピード(speed)を指定するタグをつけます。50〜400の数字を入れられます。
例:
[s:100] おばあさんが川で洗濯をしていると、[s:70]ドンブラコ、ドンブラコと、[s:100]大きな桃が流れてきました。
[s:90]「おや、これは良いおみやげができたわ」
【声の高低を変えたいとき】
こちらもスピードと同じような書き方で、使うのはピッチを示す [p:100]。数字は50〜200を指定できます。
例:
[p:100] おばあさんが川で洗濯をしていると、[p:50]ドンブラコ、ドンブラコ[p:100]と、大きな桃が流れてきました。
[p:170]「おや、これは良いおみやげができたわ」
【一言しゃべってから間を置きたいとき】
絵本の読み聞かせや自己紹介、プレゼンテーションなど、一定の調子では原稿を棒読みしている感じになってしまうときは、一呼吸入れるように話すと気持ちももっと伝わる気がします。
ブランクを示す [b:0.7]というタグで、数字は間を空ける秒数を指定します。1秒未満の間隔はあっという間で意味がないように感じますが、やってみると意外と0.4〜0.7秒くらいがちょうど良いことがわかります。次の場面や話の流れが変わるタイミングでは、もう少し長めに取っても良いかもしれません。
例:
おばあさんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、大きな桃が流れてきました。[b:0.7]
「おや、これは良いおみやげができたわ」[b:0.7]
s,p,b のいずれも、大文字・小文字は特に区別しないのでどちらで書いても大丈夫です。また、ボリュームのvもあるので、ここだけ音量を変えてみたい!というときに使えます。
タグを含む指伝話メモリの機能については、はじめての指伝話に記載されています。
機械をどう使うかよりも、何をやりたいか
どんなコミュニケーション機器を使い始めるにしても、初めは
「そんな機能は使わない」
「使えるはずがない」
と思いがちです。初めのうちは使わないのも事実です。
でもコミュニケーション機器の基本的な使い方に慣れ、人と通じ合う喜びを知ったとき、今度はこの人を笑わせてみたいな、いつもは照れくさいあの一言をちょっと面白く言ってみようかな、なんて思いが浮かんでくるのもまた、自然なこと。
コミュニケーションを楽しむツールとして、目の前の人をいい顔にしたい!という思いこそ最大のパワーを発揮します。そんな思いが出てきたら、こっちのもの。
思いを実現する手段はきっとありますので、ぜひご相談ください。
相談・記録:島津あすか