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2020年3月相談会

3月18日(水)、オンラインにて相談会を行ないました。
2組の相談があり、自分の声ではお話できない、また話せても聞き取れない人にはうまく伝わらないケースの相談でした。

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病気そのものや気管切開等により自分の声では話せないケースはたくさんありますし、私たちの元に相談に来てくださるのもそういった方が多いのですが、どんなケースであっても、当然ながら「話せない=意思がない、考えていない」ということにはなりません。

私たちは誰でも相手から想定している反応が返って来ないと、ついつい不安が先立って相手に対して思いもよらない反応をしてしまうことがあります。

例えば、
●(自分が言ったことを聞いてもらえなかったんじゃないかと思って)その後話しかけなくなったり。
●(相手がどこまで理解しているかが読めないので)つい子ども扱いをしてしまったり。
●(聞こえていないんじゃないかと思って)耳はよく聞こえている人に対して大声でゆっくり話したり。

相手がまったく理解していないわけじゃないと頭では理解していても、自分の不安・恐怖からつい反射的な行動をとってしまう感じです。知らないもの、異文化に対する人間の自然な反応かもしれません。

でも、この反射的行動がいかにハンディキャップを抱える人たちとその周りの人たちを傷つけることか…
自分は世界を感じ・考えて生きているのに、その事実さえ否定されてしまう・無視されてしまう。全部聞いてわかっているのに、わかっていないように扱われてしまう。

つらいことです。そんな状況が続いたら世界と関わることを諦めてしまうかもしれません。もういいよ、誰も私のことなんか理解してくれない、なんて拗ねちゃうかも。

もしコミュニケーションを諦めそうになっている人がいたら、思い出してほしいのです。
上で述べた通り、人はあなたに対してどう接していいかわからない。故に「あれ?」と思う反応をしてしまうのです。

理解してくれない人に腹が立つこともあります。
大いに腹を立て一旦落ち着いたら、次に思い出すことは「自分にできることは何?」です。

そう、次にやることがあるので長く腹を立てている暇はありません。
次に考えるのは、あなた自身を説明すること。自己紹介です。

・あいさつ
・自分の名前
・自分の状態(病気や障害の理由など、自分から説明できる範囲で)
・やってほしいこと、やってほしくないこと

新しい人に会ったら挨拶をして自分を説明する、社会生活を営む上で至極普通の手続きです。

最初はそばにいる保護者や家族が代わりにやってくれるかもしれません。
でもいずれは自分で伝えることに挑戦してほしいです。なぜなら、あなたが相手の言うことを聞いているし理解しているとアピールできるのは、あなた以外にいないからです。

あなたがわかっていることがわかれば、周りの反応はきっと変わります。

よく「知的に障害があるので、コミュニケーションを取るのは難しいと思います」と家族や周りの人から相談を受けることもありますが、その人の頭の中で起こっていることの本当のところは誰にもわかりません。
赤ちゃんが生まれてから毎日毎日何かを学び習得していくように、たとえ知的障害があると言われていても、少なくともその人が生きた年数分は「経験」が積まれていくはずですから。経験から学んでいることはただ周囲に対して表現されない(できない)だけであって、その人の中に確実に積み上げられているはずです。

時間はかかるかもしれません。もしどこからどう始めたらいいかわからないという場合は、ぜひ一度ご相談ください。

相談・記録:島津あすか

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CSI代表 asuka
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