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【SOLUNA’s Message】vol.2 貧困はどこに潜むのか?

はじめに
メルマガで配信してきたSOLUNA’s Messageのアーカイブを、この度noteに投稿していく事にいたしました。
最新号に関しては、引き続きメルマガでお届けさせていただきます。

こんにちは、代表のちょうこです。
いつも応援いただきありがとうございます。

早いもので5月も最終日になりましたね。
そるなでは決算と総会がありましたので、私の胃を締め付ける2大要素がようやく落ち着いてくれました。2期目の業績を受けて、3期目となる今年は更なる進化のためにちょっと背伸びをしてみる予定です。( ´ ▽ ` )ノ 頑張るぞ、えいえいおー

さて。等身大の活動報告、第2回をお送りします。
案の定予定していたテーマとは別の内容になりますが、何卒ご容赦くださいませ。

何をもって貧困と考えるか

「貧困」と聞くと、“金銭的な”貧困を想像するのが一般的かもしれませんが、私たちが普段向き合う貧困とは“心の”貧困を指しています。
お金を持っていれば心が満たされるとも、お金がないだけで心が貧困になるとも限らないと考えるからです。また、心が豊かな人とは、周囲の人たちとの関係性やコミュニケーションを心から愛し、楽しんでいる人であるとも感じています。

寂しさや悲しみを隠し続けていること
感じたことを素直に伝えられないこと
自分の感情に蓋をして、我慢し続けてしまうこと

本当は誰かに聞いて欲しい気持ちがあったとしても、伝えることができない、心が満たされない。そんな風に悩む人は、周りを見渡すと案外たくさんいるものです。

経済力のある暮らしができていても、家族それぞれが仕事や塾、習い事で忙しく、顔を合わせて会話する時間がないご家族は多くいらっしゃいます。
反対に、片親との団地暮らしで金銭的に余裕がなくても、月に数回は料理を家事代行に外注し、空いた時間を読書や雑談に充てているご家庭もいらっしゃいます。

様々な価値観や考え方がある中で、自分にとっての「豊かさ」「貧しさ」とは、いったいどのような状態を指すのでしょうか。正解がなく、無数の問いが生まれる“家族”という組織の中で、共に暮らす子どもたちはどのような影響を受け、大人になっていくのでしょうか。

沢山のご家庭を見守ってきた中で、こうした疑問と出会う瞬間はこれまでにも多々ありました。

他人が居るだけで変わる、家族間のやり取り

実際にこれまでのお客様で見られたケースになりますが、
顔を合わす度に毎回言い合いになってしまったり
食卓が高確率でお父さんの激しいお叱りタイムになってしまったり
習い事をサボった理由を主張させてもらえず、一方的に叱られる状況を耐え凌ぐしかなかったりと
激しい感情のぶつけ合いが頻発するご家庭が、一定の確率で存在します。

もちろん誰しも喧嘩をすることはあるかと思いますが、頻度や温度感を踏まえると、老婆心ながら心配になるご家庭にしばしば遭遇します。

我々家事代行はあくまでも家事の代行を行う存在であり、むやみやたらにそのご家庭の家族観に口を挟んだり、切り込んだりする訳ではありません。
しかしそれでも、我々のような第三者が存在しているだけで、当事者が感情的になり過ぎないための抑止力になる瞬間はあると感じています。

気まずい無言が続いてしまう時も家事代行の言動がきっかけになって再び会話が始まることがあったり、他人が家庭内に居るだけでなんとなく場がまとまったりと、緩和剤になれる瞬間もあります。
我々家事代行がその場に「存在する」だけで役に立てる瞬間は意外と多いのです。

逆に考えれば、近すぎる関係だからこそ言い過ぎてしまったり、素直になれなかったりとすれ違ってしまう瞬間は日常的に沢山あるのでしょう。

豊かなはずなのに、満たされない私たち

実は日本は、先進国(G7)の中でも群を抜いて19歳以下の若者の自殺が多い国です。いじめや人間不信、うつなどが大きな要因として挙げられていますが、比較的、経済的に豊かな日本でも、希望を見出せない若者が多くいるのが現状です。
極端な話かもしれませんが、たとえ“金銭的な”貧困ではなかったとしても、人を信じ、社会と繋がり、希望を見出すことができなければ、こうした結果を招いてしまいかねません。

社会と共存していくための力(感情のコントロール、協調性、好奇心、積極性、自己効力感など)は総称して「社会情動的スキル」と呼ばれます。この「社会情動的スキル」を培うものは、幼少期から過ごす生活環境と生活習慣が基盤となることが分かっています。

子どもたちと日常的に向き合い、問いを与え、自ら思考させ、相手に自信を持って伝えられるようになるには、相当な時間と労力を要します。大人自身が、自分のゆとりが確保できていなければ、難しくて当然だと思います。
だからこそ私たちは、家事代行=家庭の支援と考え、日々を忙しく過ごす保護者の皆さんが少しでもゆとりを取り戻せるように、活動を続けているのです。

実はケアが必要なのは子どもたちだけではなく、我々大人の方なのではないかと、様々なご家庭に伺いながら感じているのが正直なところです。
金銭的な貧困は親子間連鎖すると言われますが、心の貧困も自分と近い人間の影響を大きく受ける訳なので、連鎖していても不思議ではありません。
私たちは、もっと他人に助けを求めても良いのではないでしょうか。

あなたにとっての「豊かさ」「貧しさ」とは何か?

自殺を例に挙げると大袈裟に感じられるかもしれませんが、「生きづらさ」で考えてみるとどうでしょう。

人に迷惑をかけるのが申し訳ない
他人の目が気になり過ぎてしんどい
常に何かしらの不安に意識を削がれている

そうした、必要以上に自分を振り回してくれる感情も、幼少期から過ごしてきた環境や人間関係の蓄積でもあると考えられます。これらは決してお金では解決できない問題です。日々のどこに喜びを感じ、現状を受け止めるか。小さな喜びをいくつ見つけられるか。そうした小さな豊かな思考の積み重ねが、私たち大人にも必要なのではないでしょうか。子どもは想像以上に、私たち大人の背中をよく見ています。

家庭とは、閉鎖的で独創的な環境です。
ほとんどの人にとって全てが初めての経験であり、正解もありません。

分からないことは他人の手を借りながら、皆で支え合える環境をつくることができたなら、もしかしたら私たちの生きづらさは別の形に昇華できるかもしれません。心の貧しさを和らげるきっかけになるかもしれません。

そのための一つの手段として、我々のような家庭支援のための家事代行が何かの良いきっかけになれるように、6月も張り切って活動していきたいと思います。
応援よろしくお願いします!


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
2024.05.31配信

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