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「性の法人」が「性加害」「同意」について考える。【誰にでも起こりうる】

最近、性加害やトラブルが芸能界を賑わせています。
某トップアイドルの方や日本を代表するお笑い芸人の方に関する話題が報道されていますが、この記事では特定の事案に触れるものではありません。

この問題は「極悪非道な特殊な人物が事件を起こす」というよりも一歩間違えれば誰にでも起こり得る問題だと思います。
今回は性行為における「同意」とその確認の難しさについて、一緒に考えてみたいと思います。

性行為は、お互いの同意があってこそ成り立つものです。
しかし、その「同意」を確認し、さらに行為中も維持することは想像以上に難しい場合があります。
たとえば、性行為を始めた時点ではOKだったのに、途中で痛みを感じて「同意がなくなった」ケースも考えられます。
さらに、行為中は「まあいいか」と思っていたけれど、翌日になって「やっぱり嫌だったかも」と感じることだって現実に起こり得ます。

難しいけれど大切なこのテーマについて、一緒に考えていきましょう。

※当記事は、加害者を擁護するつもりも、被害者に非があると言いたいわけでもありません。


こんにちは、NPO法人SAYi代表理事の佐藤きよたかです☺



理想:性行為は「お互いの同意」があってこそ

性行為は本来」お互いが望み、信頼と尊重に基づいた関係性の中で行われるべきものです。
しかし、理想と現実の間には大きなギャップ難しさがあります。


現実の難しさ:「同意を取る」ということ

1. 同意は変化するもの

同意は「最初にOKだったら最後までOK」というものではありません。
たとえば

①途中で気持ちが変わるケース
性行為を始めた時点ではOKでも、途中で痛みや不快感を感じ、「もう嫌だ」と思うことは珍しくありません。
この場合、その時点で同意が失われたと考えるべきです。

②後から嫌だったと感じるケース
行為前や行為中は「ま、いっか」と思っていても、時間が経ってから「やっぱり振り返ると嫌だった」と感じることもあります。
同意はその瞬間の感情に基づくものであり、後から変わることもあるという難しさがあります。

③OKラインの線引きの個人差
ハグやキスまではOKだった(むしろしたかった)、でも「性行為」は嫌だったということも十分あり得ます。

④同意(性の欲求)は意外とあまのじゃく。
「5分前はその気だったが、今は気持ちがなくなった。」なんてこともあり得ます。



2. 日本特有の「察する文化」

日本では「察する文化」が根強く、直接的に「これをしてもいい?」と確認するのが難しいと感じる場面が多いです。

  • ムードを壊したくないから聞けなかった」

  • 「わざわざ聞くのも野暮」

  • 相手がNOを言わないから同意していると思った」

こうした曖昧な判断がトラブルにつながることがあります。

「わざわざキスしていいか聞く男は冷める」なんていう意見もよくあることから、判断が非常に難しい部分があります。



3. 相手の脳内は読めない

極論を言えば、相手の心や脳内を完全に読み取ることは不可能です。
笑顔沈黙も、その人の本心を反映しているとは限りません。

  • 笑顔は防御反応かもしれない
    場の空気を壊さないために楽しいフリをしている可能性があります。

  • 沈黙は断れない心理の表れかもしれない
    NOと言いたいけれど言い出せない、ということも十分あり得ます。


4. NOを言いづらい状況がある

以下のような状況では、相手が「NO」と言い出せない可能性があります

  • 飲酒状態で判断力が鈍っている

  • 上下関係先輩後輩仕事上の繋がりなど「隠れた」プレッシャーがある

  • 深夜や密室で断りにくい空気が生まれている

これらの状況では、たとえ相手が拒否を示さなくても、それを同意と解釈するのは非常に危険です。



解決策:「同意」を確認し尊重するためにできること

1. 性行為の前に「嫌なら断っていいよ」と選択肢を与える

性行為に至る前に、「無理しないでね」「断っても大丈夫だからね」と伝えるだけで、相手に安心感を与えることができます。
(ただし言い方によっては冷たいともとれる…)

  • 選択肢を明確に提示することで、相手が「NO」と言いやすい雰囲気を作る

  • 断られてもネガティブに受け取らず、相手の意思を尊重する姿勢を持つことが大切です。



2. 性行為中も相手の気持ちを確認する

性行為が始まった後でも、相手が乗り気じゃないというサインを出したらすぐにやめるべきです。

  • 「途中でやめるのはムードが壊れる」と思うかもしれませんが、相手の気持ちは常に変化し得ることを理解しましょう。

  • 表情、体の強張りなどを観察する。

  • 相手の表情や態度に違和感を感じたら、「大丈夫?」と確認を取る配慮を持ちましょう。(アンテナは常に全開)


3. 本心を言い合える関係を築く

性行為は、お互いの信頼と安心感があってこそ成り立つものです。

  • 「聞くとムードが壊れるかも」という不安を超えて、オープンにコミュニケーションを取ることが大切です。

  • 本心を言い合える関係性が築けてから性行為に至るのが、最も安全で健全な形です。



最後に:考えれば考えるほど難しい問題

性行為における「同意」は、悪気がなくても、誰にでも加害者や被害者になり得る可能性があるという点

私たちが意識すべきこと

  1. 同意は常に変化し得るものだと理解する

  2. 相手の気持ちを確認する勇気を持つ

  3. 途中で気持ちが変わる可能性にも柔軟に対応する

性行為は、お互いの信頼と同意があってこそ心地よいものです。ムードやタイミングを気にするよりも、相手を尊重し、誠実に向き合うことで、安心して楽しめる関係を築くことができるはずです。

考えれば考えるほど難しいテーマですが、だからこそ一人ひとりが丁寧に向き合い、相手とコミュニケーションを重ねることで、トラブルを防ぎ、健全な関係を築く第一歩になるのではないでしょうか。

【NPO法人SAYi 代表理事 佐藤きよたか】

・イギリス、ロンドン大学卒/元外務省外交官・国際マッサージ資格セラピスト/2023年法人設立

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