刑務所でできる文化的暮らしを考える―NPO法人マザーハウス会報「たより」2022年9月号Pick Up
NPO法人マザーハウスは、受刑者・出所者の社会復帰支援をする団体です。私たちは会報誌「たより」を毎月発行しています。
塀の中の受刑者から寄せられた手紙(便り)や絵、社会にいる私たちから送りたいメッセージなどを掲載しています。今回は2022年9月号の内容をご紹介します。
元受刑者による特別講義 学生たちが感じたこと
マザーハウス代表の五十嵐が専修大学法学部で昨年12月に行った「法社会学Ⅱ」での特別講義に、学生さんたちが感想を寄せてくださいました。7、8月号に続き、その一部をご紹介します。
「塀の中のたより」~受刑者からの手紙~
受刑者から私たちのもとに届いた手紙のうち一部を抜粋してご紹介します。なお本人の許諾を得て掲載しています。
「刑務所アート展」情報
NPO法人マザーハウスも協力している、刑務所アート展プロジェクトの続報です。
8月6日に、公開会議「刑務所でできる文化的暮らしを考える」を開催しました。
前回の会議では、刑務所で表現活動ができる時間は、主に「余暇時間」だということが指摘されました。
今回の会議では、刑務所で表現活動をするうえで、刑務所で使える文具や物品にはどのようなものがあるのか、それらを使ってどんなことができるのかを考えました。
会場には、実際に刑務所で所持できるとされている物品を並べ、これらを「誰でも使えるもの」、「許可されれば使えるもの」、「使えないもの」に参加者とともに分類していきました。
結果として「許可されれば使えるもの」が多く、その使用方法までこまかく指定されていることに、参加者と驚きを共有しました。刑務所で所持できる物品を工夫して表現に使うというのは難しそうです。
「たより2022年9月号」では、刑務所でできる文化的な暮らしについて、対談形式で考えています。ぜひご覧ください。
刑務所アート展の詳細は以下の記事をご覧ください。
編集後記
今回の「『刑務所アート展』情報」を読んで、刑務所の生活は思った以上に厳しいんだなと感じました。
「自分が使っているノートの表紙に好きな模様を描いたりできない」など、使用用途を外れて物品を使用することができない環境のなかでアートを行うことには、かなりの制約があるだろうと思います。
「厳しいルールや環境の中で、自分のしたいことを要求することを忘れちゃうっていうのが、一番怖い」とおっしゃっていた方がいました。刑務所の中でも、より人の尊厳や人権が重んじられるようになっていってほしいと思います。
執筆:黒木萌
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ご支援の方法②口座への直接振込でのご寄付
ご支援の方法③マザーハウスオンラインショップでの、フェアトレードコーヒー「マリアコーヒー」等のご購入支援
マザーハウスでは活動の一環として、「マリアコーヒー」を販売しております。マザーハウス事務所にて、元受刑者が販売に携わっており、収益金は受刑者の更生・社会復帰支援等に使用いたします。
ルワンダから仕入れたフェアトレードのコーヒーであり、生産地ルワンダの生活や産業の発展にも貢献しています。マリアコーヒーが使用しているルワンダコーヒーは、日本国内のコーヒーシェアにおいて大変貴重な希少種でありながらも、近年の世界中のカッピングコンテストでは上位入賞の常連です。
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