夏の疲れを抜く〜木曜の教室から
毎週木曜、「京の気功入門」は天野の唯一の定例教室です。
初めての方も長く通う方も、毎週同じ流れで、安心して自分に集中されています。酷暑から少しづつ秋の兆し、8/24のお話に加筆訂正。
2023/8/24 天野泰司 (NPO法人運営責任者)
この夏は気温38度の日が続き、暑すぎて心身が休まらなかった。コロナ禍が明けた夏がこんなに暑いのは、やはり経済活動や生活の足元を見直す必要があるのでは。
いま、ほっと休めるタイミング。
秋に入ると、だんだん感覚が繊細になってくる。心身の不調にも気づき、自己調整が起こってくる。春は根本から変える、そして秋は細かな調整ができる季節。私たちの体の、細かな働きの最たるものが心の動き。微妙な緊張と弛緩、不調に気づいて心も変わり、体が変わる。
動画「急に暑くなった日に」でも伝えたが、暑い時はまず、あおぐ。
風が大切、しかし、変化のない風にずっとあたり続けるのはよくない。例えば、水流のなかで体温が奪われて冷えすぎたり、ずっと風にあたるところで寝ていた赤ちゃんが肺炎で亡くなる例も。そういう意味で、あおいでいる風には変化があり、効果的。
涼しそうに仰ぐこと。そうすると、心に沁みてくる。もう暑くていいかげんにしてほしい、という思いから解放される感じで。
ヒトの汗腺はおでこに多いので、顔をあおぐことで大脳がクールダウンし、全身が整いやすくなる。
都会では難しい面もあるが、室温の設定だけではなく、風が流れていれば大丈夫。気に入った扇子を使うと良い。お気に入りを大事に使うと、気が集まる。価格や効率重視で忘れがちだが、大切にし、気を集めることは重要。
どうしてもしんどい時は、首に手をあてたり(↑動画参照)、温タオルで首を温めて頭の気を下すとよい。
顔をあおぐ良さは、涼感を感じやすい割に、首が冷え過ぎないことにもある。冷風にあたって一度かいた汗が冷えると、排出された不要な物質が、より濃くなった状態で再吸収され、心身の異常が出てくる。(汗の内攻)
特に首の右側の汗を冷やすと、頭に上がった血が下りず、血管が切れてしまうことも。
ヒトは大脳が発達して頭がオーバーヒートしやすいので、汗腺は前頭葉にいちばん多い。他の動物に比べて発汗能力がとても高く、暑い中で長い距離を走り続けることもできる。けれども、冷風で汗が冷えるとダメージが大きい。特に首の後ろから冷風に当たっていると、ベタッと汗が冷えて内攻しやすい。夏は後ろからの風に気をつけて。
首に軽く手をあててゆるめ、首が通ると、頭から気が降りて、ほっとできる。続けて「おちつく気功」を。本格的に心身がゆるんでいく。
[実習]首の手あて〜心がおちつくやさしい気功