虚空に生まれ、虚空に還る 〜木曜の教室から
毎週木曜、「京の気功入門」は天野の唯一の定例教室です。
初めての方も長く通う方も、毎週同じ流れで、安心して自分に集中されています。お話から加筆訂正。
2024.2/22 天野泰司 (NPO法人運営責任者)
無一物中無尽蔵
これは、一燈園の西田天香さんが「無一物中無尽蔵」と揮毫された碗。会員さんがくださって、事務所にある。
何も所有しなかったら、あらゆるものが自分の周りに「使ってください」と立ち現れてくる。天香さんは、そうした生き方を貫いた。
所有、ということが世のなかを難しくしている。合理的ではあるが、貧富の差も発生するし、持てば持ったで心配や争いも起こり、無ければないでより多く欲しくなったり、難しい。
本来は、何ひとつとして誰のものでもない。その世界に立ち戻ると必要なものが必要なところへそのタイミングでめぐってくるようになる。
天香さんのいう「無一物中無尽蔵」は、そんな意味。
気功協会のカレンダーは、見て気持ちのいいものを、そして見たものが心に染み込んでいくように考えて作っている。無意識に見るものは体に大きく影響するので、毎年自分たちで納得のいくものを作っている。手間はかかるが、あることで満たされるものがあるので。
2000円は寄付、気持ちを届けていただくようなつもりで購入してほしい。
季節をめぐる気功暦
変わり続ける私
このクラスは週一回、季節を味わうのにとても良い。毎回、同じ流れで自分の変化も感じられる。春夏秋冬、季節によっても、動きの状態、心身の感覚がかなり違うのに気づくだろう。
毎週、違う。それを味わうことで、体との対話が自然に進み、こんなふうに変わろうとしているんだ、と感じることができ、身体と仲良くなっていく。
毎週来れない方も、リズムを決めて定期的に来られるとよい。
実習・立って動く
・・参考 肩の荷がおりる気功
虚空に生まれ、虚空に還る
春の入り口は、緊張がはっきり出てきて、それがひとつひとつゆるんでいく。いっぺんに全部ゆるむのではなく、違和感が現れては、溶けるようにゆるんでいくのが春の特徴。
思うようにゆるんでこないこともあるが、その時に、体にていねいに向き合うことが大切。
どこが、今ひっかかっている場所なのか。ゆるもうとしている場所なのか。
その場所に注目していくとひとつひとつ順に変わっていく。ただ、着目するだけでいい。必要としているところには気が集まるもの。
ある一定の集中感、リラックス感があると、自ずと気が集まる。
なので、こうして集まって気功をすると、全部の気が必要な処に集まっては離れていく。この体だけに限定しない感じが大切。
からだがほどけて、抜けていく身体的な心地良さ。
そして物理的身体から離れた気持ちよさ。それは気功の独特なもの。
体から離れ、体がなくなったような感覚が起こり、心身が一箇所につなぎとめられない心地良さが生まれる。体があることによって、その両方を感じられる。
虚空から生まれて、また虚空に還っていく、それを毎日やっていくのが気功。
死を真剣に見つめてみる。それはとても大切。漠然とモヤモヤした不安、恐怖は、作られたものがほとんど。
死に向かう体の状態、死ぬってどういう感じなんだろう、死んだら何が起こってくるんだろう。そこにフォーカスした配信「死と再生の気功」が始まっている。
講座に入ってみないと、具体的にどうなっていくかわからないので私自身も楽しみにしている。春は誕生の季節。骨盤、生殖器系統の働きが盛んになる。それは死に向かっていく働きでもある。同じものの裏返し、両面。そんなものを味わえたらと思っている。
実習・心がおちつくやさしい気功
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