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精進湖パノラマ台ででっかい富士山を眺める

2023/9/1
東名高速混むのやだから、5時に車出した。まだ夜は残っていて、空にはでかい月が輝いてる。御殿場まで行って山中湖方面へ。夏の空がまだまだ続いているみたいだから富士山を眺めに富士五湖へ!と涼を求めてやってきた。八月も過ぎて観光の季節も終わったかなと思うのだが、できるだけ静かなのがいいのと、先日の上高地の旅の疲れが未だに回復していないのもあって、一番静かそうでリラックスできる精進湖に行こうと思っている。東名から富士五湖道路までの道のり、今日の富士山はバッチリの様子。6月に行った時はガスってて展望ゼロだったが、今日は満点の成績が上げられそう。快適な富士五湖道路を須走で降りて久々の籠坂峠を通って山中湖すぎて富士吉田へ、帰りに道の駅とモンベルに寄ろうかな。鳴沢通過。まもなく精進湖への道に入っていくと駐車場が見えてくる。ガラガラだ。ラッキー!!。余裕でパノラマ台登り口にできるだけ近い場所に車を停められた。8時着。ドアを開ける。ひんやりと涼しい空気が入り込んでくる。ここはもう酷暑って言葉は思い出せない。外に出ると雄大な富士山。文句なし。湖の方にもほぼ人はいない。一度、トイレに行ってから、靴履き替えてパノラマ台入り口へ。8月も終わってしまっているので人の気配も薄いのだが、森の中に入ると蝉時雨がいっせいに鳴り響く。登山道に入っていきなりの岩道。さっそく自然の洗礼のジャブが始まる。アブラゼミの合唱なんて横浜ではあんまり聞かなくなったような気がする。シャーシヤーと鳴くクマゼミばっかり。セミは鳴いてるけど、下界の酷暑のような夏感はもはやない。爽やかな冷風を全身にあびながら木漏れ日の道を登っていく。今日はなんとなく快調。いつもの登り始めのダルさがない。絶好調というわけでもないが、あーやだなと頭をよぎることは一瞬も感じることなく足が出ていく。いつもこんな調子ならいいんだけど。最初のだらだらの上り坂から岩岩したちょっと緊張する道。ストック一本セットしてじっくり慎重にこなしていく。林の隙間から陽光と富士山の影も見えている。ここでじっくり富士山見ちゃうともったいないから、できるだけご馳走は最後に取っておこう精神でグッと堪えて、目の前の岩山見つめる。ここからちょっと道が岩岩の厳しい道になってくる。林の中の木漏れ日の道もだんだんと快適ばかりとは言えなくなってきた。背中に汗が流れていく感覚。道の崖側も高度感増してきているなあ。油断して落っこちないようにしないと。わりと道細いし。慎重に歩を進めていくと難破船みたいな橋が見えてくる。この先にも橋があるのだが、最初の方は崩落している場所があったりして、なんかおぼつかない感じ。気をつけて行こう。なんとかここはクリアして次の橋へ。こっちはしっかりしてて安心して渡れる。この橋を過ぎればもうすぐパノラマ台へと向かう標識があるはず。もうちょいだ。今日はここまで誰にも会っていない。頂上での絶景は独り占めの確率高し。お腹すいたし早いとこいってパンでも食べてのんびりしよう。気が急くが道の斜度も上がり、そうそうスピードは出ない。さらに疲労もスピードを奪う。別に誰かと競争してるわけじゃないんだから、せかせかするのやめよう。とにかくご安全に!。やがて、分岐の道標が見えてきた。ここから先は落葉樹の葉っぱがない時期には雪化粧した南アルプスがきれいに見渡せる。蝉時雨のこの時期は蝉も葉っぱも精力旺盛。南アルプスの展望はお預けだ。さらに急になった上り坂。力振り絞るように自分の体に鞭打って登り切ると下りの道の林の向こうが明るく開けてくる。足取りも軽くなる。眼前に広がる樹海とその上に聳え立つ富士山。パノラマ台。着いたー!!。重かった足取りもダンスを踊るかの如く軽やかに。パノラマ台の広場をぐるりと一周してスマホで撮影大会。案の定誰もいない。独占状態だよ。富士山はもちろん本栖湖に海、そして南アルプスもちょっと見える。大展望。まさに大パノラマだ。何度来てもこれを見ての興奮は新鮮だ。でも、ちょっとくたびれてる。さあ、奥の東屋のベンチに一度腰を落ち着けよう。ベンチと言っても腐りかけた丸太がゴロンと置いてあるだけど、でも今日は誰もいないからこの貴重な席も余裕で確保だ。ストックとリュックを置いて腰を下ろす。カレーパンとあんぱん取り出して食事タイムにしよう。今朝は何もまだ食べてないし、さらにこんな富士山の大パノラマを前にしたら、食欲もマックスだ。まずはカレーパンを貪り食う。水で流し込む。水も美味い。次はデザートのあんぱん。こちらも安定の美味。これで体力もだいぶ補充できたかな?。相変わらずセミの大合唱。富士山と自分の間にはアザミの花の紫色。赤茶けた夏の富士山に彩りを添えている。アザミに富士山。蝉時雨に富士山。カレーパンに富士山。富士山は何にでも合うなあ。それにどこからでも見える。考えてみれば。関東だと、どんな山に登るにせよ、頂上で富士山が見えるかどうかが、その山行の成否みたいなことになっている。丹沢からも、高尾山からも、八ヶ岳からも、南アルプスからも、美ヶ原からも、登頂の達成感を何倍もの感動へ高めてくれる富士山。誰がどこで見てもすぐにそれとわかる形と威容。その中でも富士五湖近辺の山々から見える富士山は圧倒的だ。地理的に間近にあるという利点は否めない。目前の富士山。遠くから見える美しい稜線の富士山というだけでなく、ゴツゴツした山肌や登山道などもちゃんと見える。山中湖近くの石割山、河口湖なら三ツ峠山、本栖湖近辺の竜ヶ岳、そして富士五湖のくくりとは異なるけれど、富士五湖の反対側、静岡県の愛鷹山からの富士山。どれも圧倒的にデカくて美しくて素晴らしい。でもさ、登る時間短くて人もあまり多くなくて、なんかこの精進湖のパノラマ台から見る富士山は一番だなと自分的にはそんな評価をしている。夏の富士山はなんとなく親しみも感じるけれど、雪を冠した時期にここから見る富士山。風で舞い上がる雪が間近に見えて、人を寄せ付けない恐怖感を感じる。本来自然ってそういうものだなって思い起こさせられる。でも、今、ススキやアザミが風になびき、蝉時雨き聞きながらの富士山の眺望は物足りなささえ感じるけど、ほんとうはそうじやないんだ。今の季節だって人を受け入れているわけじゃないよね。富士山に寄りついて登ろうとする人はうんざりするほどいるけど、決してそういう人たちを我が物顔にはさせないよ。神様の存在をこんなに感じさせる山ってない。日常と対極にある富士山を覆う世界。この結界に入る時は、おじゃまします。出る時はありがとうございました。必ず一礼。どんな天邪鬼で捻くれ者のカスな自分も謙虚で礼儀正しい人間に変えてしまう。それはぐうの音も出ないほどコテンパンに圧倒される存在に対峙してる時。このパノラマ台もそんな世界の入り口の一つ。人も全然上がってこないし。最高の時間を延々と送っていたいところだが、そろそろ降りようか。下まで行ったら、精進湖の湖畔ちょっとぶらぶらしながら、そこでテント張れるのかチェックしよう。立ち上がる、ひとまず富士山さようなら。歩行開始。パン二つ食べたおかげか、体に力が戻る。蝉時雨の中森の中をどんどん下っていく。二つの橋も難なく通り過ぎて道もだいぶ歩きやすくなってきた。木漏れ日が風に揺れる。なんとも琴線に触れる風景。思わず足を止めて見入ってしまう。木々の隙間から精進湖の湖面。だいぶ降りてきたな。下の道路を走る車のエンジン音も大部近くに聞こえるようになってきた。今回の山行のゴールもまもなくだ。最後まで岩の転がる道。気を抜かないように!。アスファルトの階段を一歩づつ降りて下山終了。山の神様ありがとうございました。さあ、これから精進湖の湖岸に降りてもう一度富士山にご挨拶して帰ろう。

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