見出し画像

踊りたくなる九州をつくろう~NPB通信第2号 2020.9.19~

九州地域間連携推進機構株式会社=NPBのメルマガです。
九州を、ひとりひとりが活躍する最高の舞台にするためのローカルな取り組みや、「九州に関わりたい!」「地域で一歩踏み出したい!」とわくわくするような情報をお届けしたいと思っています。

登録はこちらから。


1.地域をどんな視座で眺めるか、という話(ながやん/永山由高)

友人の大学生が、「久々に実家に帰省したら、地域があまりにもさびれていてショックを受けた。こういった過疎地域のビジョンをどう描けばいいのだろう」と、凹んでいました。

その問題意識はとてもよくわかります。私も同じように感じる機会もありますし、そのたびにへこんだりします。

そんな悲しい気持ちは、しかし意外なことに、その地域に深く入れば入るほど、和らいでいくように感じます。このギャップはどこから生じるのか。今日はそのあたりを書いてみようと思います。

画像1

かつて10,000人の人口がいた町が、〇年後に1,000人になったら、そのまちに暮らす人の生活や活動の総量は10分の1になります。我々が外からその街を見るとき、まずは失われた10分の9の喪失感に思考と感情を占領されるリスクがあります。(大切なのはそこに残る10分の1の人たちの暮らしであることを、論理としては理解していながら、、、です。)

私はこのリスクを逓減するために、「人口の増減に合わせて焦点を調整する」ということを意識するようになりました。

100人の町と、1,000人の町と、10,000人の町では、動きの見え方が違います。人数が多ければ多いほど、何もしなくても地域の人の動きは見えてきます。逆に、人数が少なくなると、目を凝らさないと暮らしが見えてきません。(乱暴なたとえですし、エリアあたりの人口で考えるべきですが)例えば100人の町では、できれば1週間くらい滞在しないと、その町の人たちの暮らしのリアルが見えてきません。10,000人の町では、半日歩いて、公民館やスーパーに出入りする数人から話を伺えば、なんとなく地域の暮らしが見えてきます。

人口が減っていく地域に対して、過去の焦点のままで地域を見てしまうと、ぽっかり空いた空白ばかりに目がいき、そこに残るものに焦点が合わなくなりがち。

私は人口減少のただなかにある地域にお伺いするときは、出来るだけ目を凝らして、そこにある暮らしに焦点を合わせるようにします。そうすることで、必要以上に悲観したり、楽観したりすることが無くなります。

まずはしっかりと地域にピントを合わせて、そこに暮らす人たちの喜びや豊かさ、問題意識や危機感を感じること。まずはそこから、すべてが始まるのではないかなと、最近は思うようになりました。

件の大学生の友人にこの話をしようかと迷いましたが、今日、こちらのコラムに記載することで何かしらのルートを通って目にしてくれたらいいな、と感じた次第です。

(九州地域間連携推進機構株式会社 代表取締役 永山由高)


2.上椎葉のダムで踊る(たじー/田鹿倫基)

NPBが宮崎県庁から受託しているIT企業の誘致事業の一環で、宮崎県の山奥、椎葉村を”視察”してまいりました。
椎葉といえば平家の落人伝説で有名な場所ですが、外せないのは”上椎葉ダム”なのです!

iOS の画像 (1)

耳川水系の最上流に位置するこのダムは1950年に着工しました。当時は道路も今のように整備されておらず、毎年台風が来るにも関わらず、わずか5年で完成しています。ロマンを感じるのは力学の集大成?な部分です。ものすごい水圧を分散させるアーチ型の設計。二箇所から放流して空中でぶつけエネルギーを解消する仕組み、ダムには人類の叡智が結集され、多くのドラマを生んできたのです。

上椎葉ダムは日本のダム事業において超重要なプロジェクトでした。日本で初めて高さ100mを超え、最大9万キロワットを発電。戦後復興が何より優先された時代に、奥日向(おくひゅうが)の椎葉から、当時の日本の重厚長大産業を牽引していた北九州工業地帯に送電し、復興を支えていたのです。

この上椎葉ダムの底にはかつて一番栄えていた集落が眠っています。いまの椎葉村役場や郵便局があるエリアは移動して作られたまちなのです。ダムは人々の生活を豊かにする面もありますが、その代わりに住処がダムの底に沈むという悲しい歴史もあります。
椎葉の方をお話していると「ダムを作っている時は大勢の人で賑わっていた」という話をよく聞きます。もう70年も前の話なのですが、当時の賑わいは人々の記憶に残っているんですね。

確かに公共事業は多くのお金と人を引き寄せます。当時の”成功体験”を再現したい気持ちもわかりますが、時代も大きく変わっています。水を貯めるダムだけではなく、人材と才能と情熱を貯めるダムをつくる、新しい公共事業への転換も必要な時代に入ってきたと言えるのかもしれません。

皆様もダムを見たら、裏側に潜む物語に思いをはせてみてはいかがでしょうか?

(九州地域間連携推進機構株式会社 代表取締役 田鹿倫基)

3.踊り手コラム:化学を扱っていた僕が九州の化け物たちと踊り始めて半年(ゆーへい/中井雄平)

画像3

2年前まで僕は大学で、“生物という化け物“の生体内で行われる化学反応を勉強・研究していました。そこから紆余曲折あり、現在は宮崎県日南市で活動しているのですが、ここでもある種の“化け物“と共にすることになります。そう、NPBの役員陣です。

はじめは移住ドラフト会議に関わっている”真面目にふざける大人たち”なんだなぁと思っていました。

しかし、この半年で気付いたこと、それは「躍りまくってること」です。ときに激しく、ときに冷静に。いくつもの踊りを踊れる化け物たちでした。そしてそのフィールドの数も半端じゃない。

そんな化け物達と踊り始めて早半年。
いくつかの地域に触れてみてわかったことがあります。
それは「自分の想像よりもみんな楽しんでる」ということです。
「人口が少ない街って大変だし、交通網がないと生活し辛さそうだな。そんな地域の生活って楽しいのかな」と勝手な偏見で思っていました。

しかし移住ドラフト会議の運営などを通じていろんな地域の方々とお話していると、みんなすごく楽しそうに地域の魅力・未来をお話しされます。もちろんネガティブな悩みはありますが、「どうやったら地域のみんながもっと楽しく遊べるだろう」といったポジティブな発想も非常に多いです。

以前は「このままだとやばいからなんとかしなくちゃ」という“マイナスからゼロへ戻す“の視点で見ることが多かったのですが、最近は「その地域で一緒に楽しいことをやりたい、踊っていきたい、みんなが踊れる土台作りをしていきたい」という“プラスからよりプラスへ伸ばす視点“を持つようになり、僕自身も楽しくなってきているところです。

(九州地域間連携推進機構株式会社 中井雄平)

4.Shall we dance?

NPBからのお知らせです。

九州移住ドラフト会議2021 球団発表は明日!!!選手募集も開始!
9/20(日)21時~オンラインイベント「乾杯九州!」のライブ配信で今年の球団を発表します。同日、選手募集も開始します。
イベントはこちら

また、仲間募集には8人の方に応募いただき、現在、焼酎面接を通してお一人お一人とどう踊っていくかを考えているところです♪


最後までお読みいただき、ありがとうございました。
NPB通信は、NPBや踊りたくなる九州に関わるさまざまな情報をお届けする〈総合版〉、移住ドラフト会議や参加地域の情報を中心にお届けする〈移住ドラフト版〉、官民連携や地域課題解決の視点で綴る〈地域協働版〉を配信する予定です。
登録はこちらから。

お問い合わせ・お仕事の依頼は info@npb.co.jpまでお寄せください。

さあ、踊りたくなる九州をつくろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?