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九州踊る!物語 その2(門間編)

鹿児島市名山町。
鹿児島に縁もゆかりもなかった私が、この町に住み始めてもうすぐ丸3年になる。

きっかけは就職試験の最終面接前夜に入った居酒屋だった。居合わせたお客さんたちに励まされ、女将に「引っ越してくるときは箸だけ持っていらっしゃい。食器はうちのをあげるから」と言われ、まだ内定ももらっていないのに、「このまちに住む」と決めていた。

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そして約束通り、私は箸だけ持って引っ越してきた。
うちにある食器の大半は女将からもらったものだ。

住めば住むほど、名山が好きになった。

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まちの青年(?)たち

名山の青年会はとても活発だ。
7割以上が敬老パスを持っている(つまり、70歳以上)。敬老会とメンツが変わらない。楽しそうだなと思って入会すると、平成生まれが入ってきたぞ!と大騒ぎするおじさんたち。こっちがびっくりだよ、と心の中でつぶやく私。

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クリスマスバザーの打ち合わせ(名山町東公民館にて)

そんな青年会の、夏祭りやらクリスマスバザーやら年末の火の用心やらの行事の中でも、私が最も楽しみにしているのが、6月にあるゴキブリ駆除だ。

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薬剤タンクを背負う筆者(左端)


薬剤タンクを背負い、側溝に散布して回る。そしてひと仕事終わると必ず公民館で飲ん方をする。

こうして、わがまちの衛生環境が保たれているのだと実感する。


飲ん方_n


こうして仲良くなった名山の”青年”たちは、以下に続く、私の名山でのいろいろを日々応援してくれている。

バカンスに集うひとたち

もっと青年らしいのが「バカンス」だ。町内外の若者が空き家を改修し、共同オーナーとして家賃光熱費をシェア。各々イベントなどをしている。
私は最初、そこで開催される朝カフェに顔を出す「お客さん」だったのだが、そこに集う楽しそうな人たちを見ているうちに自分も何かやってみたくなって、新聞とお茶を楽しむ朝の会「新聞でおはようバカンス」(おがバカ)を始めた。

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2019年6月から週に1~2回、合計60回近くやってきた。近隣の会社員、市役所職員、学生など、立ち寄ってくれたのはのべ200人。路地で、ブロック塀の上で、新聞を広げる風景ができた。


外のひとたち

名山をもっと知りたくなって、まちの人の話を聞いて、まちあるきマップを作ることにした。好きな町のことを知りたいっていうのは、住民である私の個人的関心だと思っていたけれど、外の人たちも一緒にやってみたいって関心を持ってくれて、名山まちあるき隊ができた。

名山まちあるきマップ

これまで取材や執筆に関わってくれたのは20人くらい。「名山に愛着がわき、遊びに行きたいまちになった」「自分の住む町でもやってみたくなった」って言ってくれている。名山の”青年”たちは、取材される側として協力してくれている。

名山荘取材



「写真展。名山、じゅうにじかん」は、徒歩で15分で回れてしまうくらいの小さなまち名山を、12時間ぶっ続けで歩き回って写真を撮り、写真展にする企画。

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12時間のうちに20人が遊びに来てくれた。

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カフェの外壁を借りて写真展をした。


まちの子どもたち・お母さんたち

名山まちあるき隊をやっていたら、子どもたちが夏休みの自由研究として、まちの人にインタビューをしたい、という話が入った。お母さんたちとも「住んでるまちだけどあまり知らないからやってみたいね!」と意気投合して、名山こどもまちあるき隊をやってみた。

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小学校3年生の子が「6年生まで毎年これを自由研究にしたい」って言ってくれたのがすごく心に残ってる。


まちのお店屋さんたち

名山は飲食店が多くて賑やかな町。でも、2020年4月、新型コロナによる外食自粛の影響で、目に見えてまちが寂しくなってきた。
〈テイクアウト始めました〉という看板をぽつぽつ見かけるようになり、数えてみたら、名山の約50の飲食店のうち、20店以上がテイクアウトを始めていた。
これ、全部まとめてスタンプラリーにしたら楽しいんじゃない?!市役所や銀行も近いから、名山にはこんなにお店がありますよってまとめて発信したら、お勤めの人たちの昼食や仕事帰りに利用してもらえるのではないか?!と考えた。
ただの住民の立場ですんごいお節介だなと思ったけど、お店に提案してみたら快く乗ってくれた。そしてできたのがこちら。

テイクアウトしてスタンプ/サインを集める
10店以上回るとプチサービスを受けられる

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実際、スタンプを集めるのは、にやにやしちゃうくらい楽しかった。


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利用した人が「おうちde名山のおかげで毎日お昼が楽しかった」って言ってくれたり、参加店さんが「市役所から15食まとめて注文が入った!」と報告してくれたりして。
仲良くなったお店さんとは、その後も別プロジェクトが進行中だ。うれしい。


すごく長く書いてきたけど、
名山でのいろいろを通して感じていること・言いたいことは、

一緒に踊ってくれる仲間はいる

ってこと。

それは、青年会の高齢のおじちゃんおばちゃんだったり、まちに集う若者たちだったり、外から興味を持って関わってくれる人たちだったり、まちの子どもたち、お母さんたち、お店屋さんたちだったり。。。

なんかやりたいな、これって楽しいんじゃないかな、って思ったら、踊ってみる。
そういう姿勢を、大切にしたい。

(九州地域間連携推進機構株式会社 事務局見習い 門間ゆきの

NPBでは、踊りたくなる九州をつくる仲間を募集しています。
エントリーは9/1 まで。お題の作文「あなたが自ら踊った経験を教えてください」をNPBメンバーが綴るリレー企画を実施中です。明日も誰かが、「九州踊る!物語」をアップするので楽しみにしていてくださいね。
仲間募集記事はこちら
楽しいエントリーをお待ちしています!


リレー企画過去の作文はこちらです。
その1(永山編)
その3(田鹿編)
その4(中井編) 

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