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仕事をなくすのは「AI」ではなく「人」だった話

どうも、ITでサッカー教育をサポートしたい野末です。
サッカー指導者向けオンラインスクールのプロダクト責任者でもあり、オンラインスクール立ち上げ事業の事業責任者でもあります。
仕事でChatGPTを使って試行錯誤を重ねた結果、「AIが仕事を奪う」という危機感についての理解が深まったので、それについてお話ししていきます!

ChatGPTの特性

一応おさらいですが、ChatGPTは大規模言語モデルを利用したもので、学習した言葉を”推論”でつなげて出力するモデルです。
つまり出力されるものはただの推測であって、正しいかどうかは別であり、ChatGPTを使えば何でもできる!というのは現状ではかなり難しいと思います。
逆に言えば、未知の領域で中央値にたどり着くのは今までになく速くなったとも言えます。

「人」が仕事を奪う少数先鋭化の加速

元々IT業界では少数先鋭化が顕著でしたが、それでも物理的なリソースの問題で「実行フェーズ」を人に依頼する必要が必須でしたし、ゴールは分かるが登り方がわからないという領域は人に依頼していた事がほとんどでした。

そのゲームチェンジャーになったのがこのChatGPTであり、今後登場する数々のAI搭載サービスです。

しっかりと指示出しをすれば精度7割くらいのアウトプットなら出してくれるので、人間は指示出しと最終調整さえすればアウトプットが出せる。そして月3000円。

この事実は生産性の高い人の生産性を更に押し上げ、実行フェーズの仕事はどんどんAIに変わられていくことを表していると思います。
タスク巻取りだけじゃ人の代わりにならないとも言われますがこんなのも話題になりましたね

配膳ロボットの時給

AIの時代での戦い方

ディレクションとラストワンマイル

ChatGPT、LLMができないのは、その領域における文脈に沿ったディレクションとアウトプットをチェックして調整するラストワンマイルの部分。
これが出来ないと文脈に合っていない物をアウトプットしてしまい、全然成果がでない…ということになってしまいます。
実際、和服のイベントで漢服に近い物を広告に採用してしまった例がこちら。

中央値を採用して実行するだけ、というAIのアウトプットはこのディレクションとラストワンマイルの領域に現時点ではあまり強くないため、ここまで能力を引き上げることが戦い方の1つになると思います。

外れ値になる

「その人でなければ出来ない」を作るパターンがこれですね。
例えばあのピカソを例に取ってみましょう。
ピカソは一般的な文脈の絵も非常に上手く、これは当時の絵画領域で言えば想像をしやすい中央値的な(というのも失礼かもしれませんが)絵と言えるでしょう。
今で言えば画像生成AIが得意としている領域に近いと思います。

画家の母

そこから一気に変わって、あの有名なゲルニカをピカソは生み出します。
これは異様に外れ値ですし、これをAIにアウトプットさせるには指示者が外れ値になっている必要があり、つまりなかなか生まれるものでは有りません。

ゲルニカ

文脈に沿って価値をしっかり表現するという前提があるので、仕事としてこの外れ値を生み出すのは難しいですが、これができれば非常に強いですし、それはこの先ずっとなくならないものだと思います。

学習はどう変わるのか?

転じて、学習がどう変わっていくのかを少し考えたいと思います。
私自身、ChatGPTが登場した時は実行フェーズをAIにやらせるようになるんだったら学習って要らないんじゃないの?と一瞬思ってしまった事も事実です。
しかし考えてみればむしろ逆で、できる事が増えたことによってむしろ学習の需要は増えていくと考えています。

大人になって仕事をしてみたらやっぱり勉強ちゃんとやっておけばよかったなと思う人が多いという話はよく聞くと思いますが、人間は自分のやりたいことに直結することなら学習をしたくなるというのは過去から既に起きているわけです。

そんな中、ChatGPTのおかげで自分のやりたいことを低いレベルであれば簡単に実行することはできるようになったらどうなるのか。

  1. アウトプットを出してみた。最初はすげーと思う。

  2. でも何かが違う。

  3. もっとこうしたいのに…!

と思った時、自分のやりたいことをしっかりアウトプットするためにはChatGPTに代替してもらっていた所を勉強し、ディレクションを行い、ラストワンマイルを調整しななければなりません。
そうして学習を始めた瞬間、できることが増えていく学習の虜になっていきます。
こんな体験が積み重なっていくと受動的な学習が減り、能動的な学習がどんどん増えていくのではないでしょうか。

LLMでアダプティブラーニングを社会実装する

能動的な学習が増えたとしても、結局学習体験が悪ければ意味がありませんし、せっかく意欲的になった人の芽を潰してしまうことに繋がります。

私達はユーザーの学習体験を良くするために積極的にLLMを採用し、様々な領域でアダプティブラーニングを様々な領域で実装していきたいと考えています。

数学や英語等では既にアダプティブラーニングが実装されていますが、何故サッカーやビジネスではこれが実装されていないのか。そしてどのように実装していくのか。

絶賛開発中なのであまり公開出来ない部分もありますが、もしこの分野に興味を持っている方がいらっしゃいましたら、お気軽にカジュアル面談にお申し込みください!


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