大虎の忘れ物、は誰かの腹のなか。
大きな虎がいて、その虎は涼しい顔をして大物を仕留めてくる。
歳をとった大虎は、一度大きな獲物を仕留めたらそのまま「冷凍保存」さえしてしまう。
一度に食べきれないし、生きるため、養うために必要な食料であって、仕留めることが目的ではないのだ。
大虎が忘れ物をしたことに気付く。
「あ、あれどうしたっけ。」
と思った頃には、大虎を慕って近くにいつもいる虎がそれをムシャムシャと美味しそうに頬張っており
大虎は「それは僕の忘れ物だ」と内心思っていても、優しい大虎は「彼らの命を繋いだ」だったり「彼らにも必要だったのだ」と思う。
そこで他の虎に対して「コイツら…」と思う虎は、きっとひっそりとどこかに身を隠すものもいるかもしれない。
誰の目にも留まらないところ。
他の虎や、その世界からは徐々に忘れられるかもしれないけど、大虎は異なる場所で生きている。
それでもこの複数の身内のようで一部は自分の肉をも食べてしまうような虎がいる環境で生活を続ける虎には、いろんな理由がある。
その自分の忘れ物を腹のなかに入れたことに対してなんとも思わない「半人前の虎」の価値観が気になる大虎もかもしれない。
もしかすると身を潜めて孤独になることが、彼にとっては不安で、耐え難いものなのかもしれない。
頑張って作り上げた大虎自身の一部の肉を食べられる感覚があったとしても、大虎はその分新しい肉を造りあげようと思うかもしれない。
でもそういう虎が、きっとホンモノのリーダーなのだ。
溢れてくるもの。リーダーも身を削ってる。
大虎のような大らかさは、すぐに出来るものではない。
そういう大虎ほど、自分の生き方があって、誰よりもたくましくて、多くの虎が周りにいたとしても、誰よりも孤独を感じていたりするもの。
と、共通する人々の共通点を見た。