身体を温めると心も温まる
最近はサウナも流行っており、また温活という言葉もあるように、身体を温めることはいいことだということは
みんなが知っていることだと思います。
ただ、身体を温めるということは、他にも色々な意味があります。
今回は、体温と精神状態の変化について深掘りしていきたいと思います。
体温について
人間は恒温動物といって、気温の変化に関係なく、体温を一定に保つ種類に分類されます。
外の気温が10℃でも、30℃でも皮膚温は37℃くらいに保たれており、また、深部体温は30〜44℃の間であり、それ以下あるいはそれ以上になると死に至ります。
体温を保つことはとても大切で、体温が1℃下がると代謝は12%、体内酵素の働きは5割も低下してしまうそうです。
皮膚温と深部体温
正常な深部体温は、肝臓で38.5℃、直腸で38℃、脇の下では37℃となっています。
一方、皮膚温は外気の温度に左右されやすく
例えば27℃の屋内から外気20℃の屋外へ出てしばらくすると、皮フ温は33℃から28℃へ、5℃も低下するそうです。
運動などを行った際は、筋肉の運動などにより、熱が産まれるため、深部体温が上がるので、深部体温を一定に保つために、皮膚の血管を広げ、皮膚温を上げて熱を下げる働きがあります。
逆に外が寒く、体温が逃げてしまうような場合には、皮膚温を下げて熱を逃がさないようにして、深部体温を一定に保ちます。
ストレスと体温の関係
動物は自然の中で生きており、危険が迫ると身体を大きく見せるために毛を逆立てたり(人でも鳥肌が立つのはこれのなごり)、怪我しても出血を最小限に抑えられるように、皮膚の血管を収縮させます。
これは外的ストレスに対する反応であり、皮膚の血管を収縮させるということは、皮膚の温度が下がり、深部の温度が上がることにつながります。
驚いたり、転んだりするような一過性のストレスでこのような反応が起こりますが、これは社会的なストレスでも同じであり、ストレスフルな生活は常に深部体温が上がりやすい状態になってしまっているということになります。
体温が上がるといいことがありそうだが、この深部体温の上昇がどのような影響を及ぼすのか次の章で見ていきましょう。
うつ病と体温の関係
うつ病などの感情障害の人は、あまり汗をかかない傾向があるそうです。
その結果体温調節がうまくできず、深部体温が高くなってしまうということです。
深部体温は1日の中で、変動があり、夜寝るときには深部体温が下がることで眠りにつきますが、これが下がらないことにより眠りにつきにくくなってしまい、朝まで深部体温が高いままになってしまいます。
これはたまたま鬱の方の体温が高いだけで
うつ病と体温の相関はあるのか?
と、アメリカの心理学者チャールズ・レイゾンたちは、とある実験をしました。
その実験とはただ「皮膚を温める」というもので、赤外線のランプを使い、1日2時間程度皮膚を温めるだけの実験です。
実験の結果は、深部体温が下がり、鬱の症状も下がったという結果がでました。
皮膚を温めると、脳は体温が上がったと感じ、深部体温を下げようとするため、深部体温は下がり、深部体温の低下が鬱の症状の軽減にも繋がったのです。
深部体温を下げるためには?
ここまで、体温と精神状態の関係性は分かってもらえたのではないでしょうか?
ストレスや、冷えにより皮膚温が低下してしまって、深部体温が上がってしまう。
ということは、深部体温を下げるためには
リラックスすることで、皮膚の血管が拡張して皮膚温が上がる
皮膚温が上がる、または物理的に皮膚を上げると、深部体温は下がる
ということはつまり
「温めてリラックスすればよい!」
ということになります!
温めるというのは、物理的にで良いので、湯船に浸かったり、軽い運動を行うことで汗をかき、深部体温が下がるのは分かるかと思いますが、リラックスした時に身体ではどのような反応が起きているのかみていきましょう
セロトニンで深部体温が下がる?
リラックスした時に出るホルモンの代表はこのセロトニンです。深部体温を下げるためには、このセロトニンの効果も外せません。
セロトニンはドーパミンや、ノルアドレナリンを調節する役割をしており、主にリラックスした時に出てくるホルモンです。
このホルモンは、怒りや焦りなどのマイナスな感情を抑制し、精神を安定させる効果があります。 精神が安定して幸福感を得やすくなることから別名「幸せホルモン」とも呼ばれております。
リラックスすることで、皮膚の血管が拡張し、皮膚温が上がることで、深部体温を下げる働きがあります。
セロトニンは身体を温めたりするだけでも放出されますが、ドッグセラピーなどがあるように、わんちゃんに触るだけでも放出されますし、ハグなど人と人との触れ合いでも放出されます。
まだまだセロトニンの効果はありますが、ここに書ききれないのでまた別の記事に書かさせていただきます。
笑うことでの深部体温の変化
笑うとリラックスできると言いますが、笑うことによっても、深部体温は変化するようです。
「情動の顔面フィードバック説」を提唱した、米国の心理学者シルバン・トムキンスは次のような実験をしました。
実験の内容は、同じ漫画を読む時に、ペンを歯でくわえるグループと、唇でくわえるグループで読んだ漫画がどれくらい面白かったのかを比較する実験でした。
この2つのグループに漫画の評価をしてもらうと、ペンを歯でくわえるグループの方が、自然と笑顔が増え、同じ漫画でも面白いと評価したという結果でした。
ペンを歯でくわえると、笑顔になりやすく、それが快の感覚に繋がり、面白いと判断したようです。
体の変化としては、脳に供給する血液の温度上昇を抑える働きをしている「海綿静脈洞」の血流や温度が変化し、脳の温度が下がるようです。
また、脳の温度は、神経伝達物質の分泌や合成に影響があり、温度が上がると不快に、温度が下がると快の感情が生まれるそうです。
つまり、笑うことで脳の温度が下がり、快の感情が生まれ、同じものを読んでもより楽しいと感じられるということです。
まとめ
ここまで色々と書いてきましたが
つまり何が言いたいかと言いますと
「身体を温めて、よく笑って、ゆっくりしましょう」
ということです
これは身体だけでなく、心も安らぎ前向きになれますから
プラスして、身体を整えると基礎代謝も上がりますし、力も抜けてリラックスもでき、気持ちも前向きになり、心まで健康になれますよ✨
のぞむ整体院
小林 望
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