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ジェルネイルオフによりボロボロに割れた爪を治しにサロンに行ったら瞬間接着剤で治された話

2021年1月、ハッピーニューイヤー気分の私は、数年ぶりにジェルネイルをしようと思い立った。グーグルマップで検索して出てきた、割と近所のロシア系のネイルサロンに行き、100ドルくらいでネイルしてもらった。久々のピカピカなジェルネイルで気分上々。その後、綺麗なネイルにハマってしまったので、もう一度ジェルネイル、そして足のジェルネイルもしてもらった。
ここまではよかった。

その後、流石にネイルのために月々何百ドルもの予算を割くわけにはいかないので、同じサロンでオフしてもらうことにした。料金はオフ+マニキュアで35ドル。足のオフ+マニキュアは60ドル。今回はひとまず手だけオフすることに。
すると担当についたロシア人のお姉ちゃんが、私の爪も指もドリルみたいな機械でガリガリ削る。「ねえ、私の指を削ってるよ」と訴えたのだが、お姉ちゃんは私の指を削ってんだか爪を削ってんだかよくわからないようだ。一生懸命注意しながら削ってくれたのだが、結局、私の両手の人差し指の爪はとても薄くなってしまった。人差し指を削られる時に、痛みで小さな悲鳴を何度もあげたので、その他の指は、ジェルの素地を残すようにお願いした。ジェルの素地がボコボコに残ったままマニキュアが塗られ、私の爪はビューティーからは程遠いものとなった。

さて、人差し指の爪は、オフから数時間後に割れ出した。爪の真ん中あたりから横に亀裂が入って、これが完全に割れたらどうなるのか恐怖だ。近所のSEPHORA(化粧品を多く取り扱っている巨大な化粧品屋さん)に行き、女性店員に「この爪をどうにかしたい」と伝えた。店員からは、「ハニー、残念ながらそれはどうにもならない。それを施したネイルサロンに行ったら無料で何とかしてくれるはずよ」と、何とも悲しいお返事。彼女は「ちょっと待ってて」と私に告げ、一度バックヤードに戻って絆創膏を6枚くれた。優しさに胸が震える・・・。

ネイルサロンの予約を取ろうとしたら、1週間先まで予約が取れなかった。途方に暮れて、ちょうど通りかかったネイルサロンにフラフラと迷い込んだ。案内をしているのであろう、中国語しか話せない女の子に「ニーハオ?」と声をかけられ、「アイムジャパニーズ」と告げる。奥から年配の女性が出てきて、彼女は英語が話せたので、ジェルネイルオフをしたら爪が割れた旨を伝えると、無言で奥まった席に誘導された。彼女はパウダーディップ式のジェルネイルを両手の人差し指に施してくれた。何度も重ねてくれたので、めちゃめちゃ分厚くなった(笑)のだが、とにかく爪が完全に割れて地獄絵図になることは避けられたので安堵した。この店員さんとは、施術中に中国語を一緒に練習したりして、大変楽しい時間を過ごし、何とお会計はたったの5ドルであった。爪が真ん中から割れるという断続的恐怖を取り除いてくれた対価としては安すぎるので、チップとして別に5ドルを渡して店を後にした。

しかし、まだ問題は解決していなかった。1ヶ月ほど、人差し指だけジェルネイル・他の指はボコボコのネイルの状態で過ごしていたら、ある日カバンを開けた瞬間に、右手人差し指の爪が、もともとあった亀裂の部分から割れたのだ。幸い爪が伸びた後だったので、流血には至らなかった。しかし、ジェルネイルの上3分の1程が割れてなくなって、変な状態になってしまった。慌てて近所のネイルサロンに電話すると、ここも中国系のネイルサロンで、よくわからない、単語を並べただけのような英語で会話することになった。「ジェル、オフ、ハンズアンドフィート」と伝えると、「オフ、5ドル。10分後に来い」とのこと。急すぎる!安すぎる!まあでも、早い方がいいか・・・?と思い、徒歩5分のサロンへ向かった。

サロンに入ると、案内のおじさんに「OOOOOOO(私の電話番号の数字)?」と聞かれて「イエス」と答える。メキシカンとかラテンとかアラビックとかアジアンとかアメリカンとかヨーロピアンとか、いろんな名前の人がいるこの街で名前を聞くのはややこしいのだろう。電話番号で顧客管理しているようだ。ある意味合理的だ。席に座るよう促されて座ると、何とそのおじさんが向かいに座って、私の爪をやすりで削り出した。ちょ!?おじさん案内役だよね!?と思いながらキョロキョロすると、近くでお喋りしていたおばちゃんが気付いて、交代してくれた。

おじさんはなんだったんだ!私は、人差し指はジェルネイルオフした後に爪が割れて、それをさらにパウダーディップ式のジェルネイルで補強したこと、他の指はまだジェルの素地が残ったままだということを英語で説明したが、おばちゃんも他の若い店員も首を傾げた。私の英語が下手くそだったのか・・・。「トップ、アクリル!ボトム、スティルジェル!」と言うと、除光液を取り出して爪を拭き拭き。店員二人で「アア〜○×△※」と中国語で話している。わ・・わかってくれたのかな?不安な私は、「ネイル、クラック!ヒア!」と伝えて人差し指を見せるがスルーされ、ペディキュア用スペースに案内された。ペディキュアスペースに向かう途中、おばちゃんは壁にずらりと並んでいるマニキュアたちを指差し、「テイクワン!」と一言。マニキュアは自分で好きな色を選んで持っていくスタイルらしい。もたもたと迷いながら選んでいると、おばちゃんが戻ってきて一緒に選んでくれた。

このサロンのペディキュアスペースは、少し高くなった場所にリクライニングチェア、足元にはフットバスがあり、フットバスの前におばちゃんが座って施術する様子。おばちゃんに、アセトンか何かであろう、透明な液体が入った小さなボウルを手渡され、「ソーク!」と言われたので、ボウルを太腿に置いて指をボウルの中に入れる。よかった、このソークプロセスでジェルがオフできるんだ。No more ドリル。と思いきや、おばちゃんはドリルで私の足のネイルをガリガリ削り出した。まあ足の爪はきっと分厚いからいいか・・・と思いながら、なすがままになっていると、ドリルを終えたおばちゃんがやすりで爪の先をまっすぐに削り出した。すると爪の先の一部がパキーンと欠けて飛んでいった。重大な事故に至ってないのだが、私はヒヤリとし、おばちゃんもびっくりした様子で私を見上げて
「オー・・・!」
と言った。隣の席で施術中のおばちゃんとそのお客がこちらへ視線を向けて離さない。人差し指で耐性がついてしまった私は、「イッツオーケー」と言った。おばちゃんはその後、少し丁寧になって足のジェルオフ、角質ケア、マッサージ、ペディキュアを施してくれた。ジェルオフだけ…のつもりだったけど、おそらくフットケア全般のコースになっている。もうなんだっていいや。

ペディキュアが塗られた後、幼稚園で使った画用紙くらいの薄さのペラペラスリッパを渡されて、ぺたぺたと歩いてハンドマニキュアブースに戻った。ソークしておいた手指のジェルは剥がれかけており、ドリルの必要はもうなかった。はじめからソーク式のオフをしてくれる店に行けばよかった。おばちゃんが剥がれかけのジェルを完全にオフしてくれて、マニキュアを塗ろうとしていたので、「ルック!ヒア、クラック」と改めて人差し指を見せて伝えた。おばちゃんは「アア〜OK」と言って、引き出しから何かを取り出した。細いペン状の何かで、ペン先から液体が出てくる仕様のそれは、どう見ても、アロンアルファ的な…瞬間接着剤に見えた。おばちゃんはちょちょっとその液体を割れ目に塗っていく。ついでに私の指とおばちゃんの指もその液体でペタペタくっつく。確信した。これは瞬間接着剤だ。

瞬間接着剤で補強された後、マニキュアが塗られた。左手だけ仕上がったところで、お会計をするらしい。「ペイ。オーケー?」と言われ、「オーケーオーケー」と答えた。おばちゃんはメモにいくつか数字を書き出して、ひとつずつ説明してくれたが、もうその説明がよくわからない。何にいくらかかったんだろう。わからない!でも払うよ!ネイルの割れが治ればもう御の字!ジェルオフ5ドルって電話で言われたけど、既にペディキュアもマニキュアもフットバスもやっちゃってるし、もうなんだっていいよ!お会計は、最初に案内してくれたおじさんだった。おじさんにも、レジでひとつずつ内訳を説明されたが、その説明が何を言っているのかよくわからない。オフとマニキュアとペディキュアの相場であろう金額を言われて、支払った。文句はない。むしろ感謝しかない。ペディキュアはきれいに仕上がってるし、手の指も、爪が割れているとはもうわからないほどになっている。

支払いが済んで席に戻ると、おばちゃんは中国の人がよく使うアプリで誰かとチャットしていた。へへへ〜と笑いながら、「ウェイトウェイト」と私に言う。うん、もう、チャットでもなんでもやっちゃって。急用とか今晩のメニューの話し合いとか明日のお茶の約束とか、なんかよくわかんないけど色々あるよね。
その後おばちゃんは誰かと電話で談笑し、電話が終わると私の施術に戻ってきた。

残りの右手を仕上げる間、傍らでは別のおばちゃんの店員が若い店員に対してマッサージを始めた。やる方とやられる方、逆じゃないの?と思いながら見つめていると、私のマニキュアを塗り終わったおばちゃんが「マッサージ!ドゥーユーノウ?」と聞いてきた。私がこくこくと頷くと、おばちゃんはへへへっと笑って、「ユーライク?マッサージ!」と言い、ネイルを乾かす間、なぜか私にもマッサージしてくれた。もうお会計は済んでいてチップも払い済みだから、チップの金額は変わらないというのに、このおばちゃんは本当にただマッサージを私にしてあげたいだけなのか・・・中国では若者が年長者にマッサージされる文化なのだろうか?

最後におばちゃんは仕上がったネイルを見て、「ナイスネーイル!イエス?」とニコニコ聞いてきた。うん、ナイスに仕上がってるよ。笑
私は「イエス!ラブ!」と言って、ニコニコなおばちゃんに手を振って店を後にした。

接着剤でくっついたネイルは非常に快適で、もう割れる心配もなさそうだ。今度から、爪が割れたら瞬間接着剤を使おう。皆様にもお勧めできる。割れたところに瞬間接着剤をちょちょっと塗って、上からマニキュアを重ねれば完璧だ。ちょっと(?)雑だけど、あのおばちゃんのいるネイルサロンは気に入った。気が向いたらまた行こう。近いし。

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