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オパールよ私のもとへ[7]
ついに戻って来た
オパールよ私のもとへ
「できました」という連絡
型の確認から一週間後のことだった
写真が送られてくる
思わず歓喜の声
やっと会えたね
といったところ
先の紫のロウの型は
溶けてなくなっている
型をもとに
外枠が作られ
その中でロウは溶けて出ていくのだそうだ
ちなみにね
紫のロウの型は手作り
言葉で 手作り というのは簡単だけど
様々な道具を使い
手を上手に操り
丁寧に削る作業
ここに作り手の技術とこだわりと個性が詰まってる
金を流し込むための外枠が作られたら
あっけなく溶けて形をなくし流れ出るんだという事実
これに何を思うかって
感動しかありませぬ
そんなことを思いながら
「サイズの確認に来てください」とのこと
アトリエに伺うと
きれいなオパールの指輪が待っていた
まだこの時点では憧れの気持ち
ワクワクしていた私
裏側に文字を彫ってくれるのだと言うので
考えてきた言葉を伝えた
my song of life
上田假奈代さんの詩集にある言葉の一部を借りている
自分の言葉を持とう
詩は自由だ
と教えてくれた上田假奈代さん
my song of life
この言葉に
いつでも私の歌を歌っていられるようにと想いを込めた
魂が集まる
想いが濃くなる
指輪が重くなってくる感覚
この指輪は 勝ちにいく指輪だ
そして、一週間半ほどがたち
ついにお迎えに行く
箱のなかのオパールの指輪は
一目見たら
嬉しくてすぐ着けちゃうだろうと思ったのに
なんだかすぐに手を出せなかったよ
なぜだか…
簡単には触らせない
そんな雰囲気が滲んでる
着ける相手を見極めようとしているような
試されてるようなそんな感覚
オパールはやはりきれいで
V字曲線のリングは水の流れのようになめらかで
(それは手作業で削ったものだから独特の曲線が作られるからなのだとか)
k10ゴールドの優しい輝きと
オパールの煌めきがとても馴染んでいて
どこからどう見ても
ほんとうに素敵なオパールの指輪だ
「覚悟はいいな」
「もちろんだ」
「待ってたよ」
「お帰りオパール」
ステキでしょ?
とうとう戻って来たよ
ありがとう
オパールよ私のもとへ
読んでいただきありがとうございます。ジュエリーは特別、だけどその特別な出来事をいろんな方に体験してほしいなと感じました。駄文ですがこれを読んでくれた方が、お気に入りの石、ジュエリーを見つけ、自分だけの物語を紡いでくれますように。
ジュエリーデザイン、制作 Sploosh 、vvjewelry
この記事、「オパールよ私のもとへ」1から7は、文章推敲後、まとめてマガジンにする予定です→推敲することをやめました、この勢いのまま書いた文章でマガジンにまとめます 追記6/30
photo by sploosh,vvjewelry
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