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バレーボールに出会えてよかった

高専女子バレー部引退。
小学2年生からはじまったバレーボール人生に一旦ピリオドを打ちました。

思いもよらない展開で、最後を受け止めることになって、受け入れてるのか、受け入れられてないのか、結果を知った時、思わず溢れ出た涙が悔し涙だったのかすら、自分でもわからない。
ほんとうは、最っ高の顔で、最高の結果を報告したかった。

それでも、夢中になってきたことをこんなにもたくさんの人に応援してもらって、ちゃんと見ててくれた人がいて、走り抜けたことは一生の宝物。それだけで、"ここまでバレーボールしてきてよかった"って、"やっぱり私はバレーボールが好き"って思えてる。 

背番号1とキャプテンマーク

背番号1をつけることも、キャプテンマークをつけることも今回の大会がはじめてってわけじゃない。スポ少時代も、中学の部活でもつけてきた番号で、任せてもらった肩書き。

だけど、今年はその重さが違った。
1番重たかったな。

いろんなことが重なって、いっぱいいっぱいになって、バレーをすることが楽しめなかった冬の練習。自分で自分に言い訳して、一生懸命になれない自分が嫌で、でもどうしたらここから抜け出せるのかもわからなくって苦しかった。

"自分が変われば変わる。"
それでも、もらったこの言葉を信じて、前を見た4月。
言いたくないこといっぱいあった。言葉にしていいのかなって、伝わるのかなって、伝わってるのかなって不安だった。それでも、伝えなきゃ何にもはじまらないこともわかってたから、誰よりもはやく体育館に行って、必死に、でもボールを追うのが楽しくって、自分の言葉で話して、何か伝われ!って必死だった。勝ちたかったんだよね。

きっと、私はチームの中で"いいやつ"ではなかったし、"やさしい先輩"でもなかった。
試合の時、点数を決めてくれた子、ミスした子、とにかく全員に声をかけにいくって自分で決めてたけど、逆になるとそんなことない。
きっと、"やさしいキャプテン"じゃなかった私にとってはこれが宿命なんだと思う。

うまくいかなくっても、どれだけ抱えても、背負ってるものに押しつぶされそうになっても、体育館にいる時は、コートに立ってる時は、強くいたかった。笑っていたかった。
だけど、苦しいはずなのに、平気なふりして、悩んでないんでしょ?ってまわりに思われるような顔して、体育館に行くのも、コートに立ってるのも、思ってる何倍もきつかった。 

はやく、背負ってるもの全部おろしたかった。

でも、いざその背負ってたものを全部下したらさ、明日から、悩やんで考えて寝れなくなったり、体育館に行きたくないなって思いながら行くこともないんだって思ったら、急にさみしくなっちゃった。

楽じゃなかったし、楽しい瞬間なんてほんと一瞬で、いろんなことを抱えた最後の1年。
それでも、ここまで必死にもがいて、途中で投げ出さないでよかったなってちょっとだけ思えてる。今はちょっとだけかもしれないけど、これから先、そう思える瞬間がちょっとでも増えるといいな。

想いを繋ぐ

中学1年の夏から高専バレー部を引退するまでの8年間、セッターというポジションをしてきました。

セッターとは
スパイカーが打ちやすいボールをセット(置く・据え付ける)する役割を担うポジションです。試合においては勝敗を左右する重要なポジションであり、チームの司令塔ともいわれています。

AIによる概要より

セッターってこんなポジションです。
司令塔なんてかっこよく書いてるけど、実際は、1番走るポジション!走れてなんぼ!笑

チームの中で1番怒られてた時期もあったし、アタッカーにトスを選ばれて、トスをあげるのが怖くなった時期もあった。どれだけ打ちやすいトスをあげても、感謝されることなんてほとんどないし、なんならそれが当たりまえ。必死に繋いでも必ず点数になるとは限らない。ほんとに報われないよな、このポジション。なんて思っちゃうことも。

セッターが楽しいって思えるようになったのなんてつい最近の話。この8年間は、私にとって踏ん張りどころが多かった。だけど、その分、バレーボールの楽しさ、セッターの楽しさも知れた。

私はセッターが好き。
セッターをやってきてよかったって思う。

どれだけ下手でも、"先輩決めてください!"って気持ちさえこもってれば決めてくれるから。

高専でもセッターをしたいと言った1年生の時、ネットの高さとかボールの大きさに慣れることに精一杯で、思うようにトスをあげられなくって、いろいろ試行錯誤してた時期にコーチがかけてくれた言葉。そして、高専バレー部でセッターをする中で1番大切にしてきたこと。

気持ち、想いを込めてあげるにはどうしたらいいのかな。何より、打ちやすいトスをあげるにはどうしたらいいのかな。

最後までボールを追うこと。ボールをとらえる位置、身体の使い方、ボールの下への入り方、ボールの軌道。
気づいた時には、どうしたら、アタッカーに打ちやすいトスを上げれるようになるのか、夢中になって考えて、トライ&エラーを楽しんでた。

想いをこめて、想いを繋ぐのがセッター。
私のトスを打ち続けてくれた、高専バレー部で出会った、先輩、同級生、後輩が私に教えてくれたことです。

バレーボールが好き

負けて、できない自分が悔しくて、できるようになりたくてひたすらボールを追っかけてきたこの12年。私が立ち止まったり、抱え込んだりするのは、だいたいバレーボールのことだった。
そうやって、負けた分だけ強くなったし、壁にぶつかった分だけ自分と向き合い続けてきた。

私の生活の中心にはいつもバレーボールがあって、あるのがふつうだと思ってた。
でも、そうじゃない生活がこれから待ってるらしい。そんな生活、想像もつかない。

"のぞみなら、またバレーボールをしたくなった時、自分で紡いでいけるから大丈夫"
仲間であり、ライバルであり、同志であるあの子が大会前にくれた言葉を思い出した。この言葉のおかげで、ピリオドを打つことをこわいと思わずに走り抜けた。負けたはずなのに、引退したはずなのに、おわりだってわかってるのに、思ってるよりへこんでなかったりもする。だって、自分次第で、また大好きなバレーボールをプレーすることを選んでいけるんだもん。

とはいえ、ここまで走り抜けてきた分、今はちょっとだけ休憩。
また、バレーボールがやりたくなった時、もう一回やってみようかな〜って思ってます。当分の間は、バレーボールを見ることを楽しもうと思います。でも、またバレーをすることにした時は、最高の顔で報告しにいかせてください!

最後に
こんなに大好きなバレーボールに出会わせてくれて、どんな時も味方でいてくれたお母さん
時にやさしく、時に厳しく、勝負の世界の楽しさも厳しさも、バレーボールの楽しさも教えてくださった、指導者の方々
バレーボールを通して出会った人たち
ここまで応援してくださったすべての方々

ありがとうございました。

バレーボールに出会えてよかった。

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