「パーパスはきれいごと」は本当か
企業のパーパスはきれいごと、組織に浸透しない、社員は疲れている……。
この1週間、Business Insider Japanではパーパスについて書かれた記事が3本出ました。
詳しくはぜひ記事を読んでいただきたいのですが、共通するのは自分の中から出てくる「思い」が大事ということでしょうか。
自分の思いと組織のパーパスが一致するなんて理想論過ぎるのでは?私もどこかでそう思っていましたが、その考えを覆す人に出会いました。
東京駅から車で1時間ほど走った千葉県佐倉市にある、常磐植物化学研究所。医薬品原薬、化粧品原料の製造と販売をしている創業75年の企業です。今年の初秋、友人に誘われてこの企業が運営している佐倉ハーブ園に行きました。
迎えてくれたのは、ミントだけでも20種類以上、それ以外に聞いたこともないハーブが豊かに育つ庭園の手入れをするガーデナーのMさん。このMさんこそが私の推し「パーパス・オブ・ザイヤー」です。一つひとつのハーブの効用、育て方、料理への使い方などを説明してくれるのですが、もうそれが楽しくて仕方がないというのが、聞いている私たち(10人くらい)にも伝わってきました。
同社の経営理念の一部は、「私たちは、植物のちからを引き出し、新たな価値を創造します」。まさにMさんがやっていることと一致します。Mさんとたった数時間を過ごした私ですら満たされた気持ちになったのですから、同僚や取引先は推して知るべしです。
組織と人、人と人がこんなふうに幸せな関係を築ける働き方が、もっと広まっていきますように。「パーパス」がネガティブな言葉にならない世界を作る力になれたらと思っています。
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