はらぺこあおむしの「りんごをひとつ食べました」を英語でなんと言う?
「そして げつようび、
りんごを ひとつ みつけて たべました」
ご存じ、絵本『はらぺこあおむし』の一節です。カラフルな食べ物の絵と、ページには穴の空いた仕掛けがあって、大人でも眺めていて楽しい1冊だと思います。
冒頭に戻ると、あおむしはりんごをひとつ食べても「おなかはぺっこぺこ」。なし、すもも、いちご……と一週間食べ続け、その後お腹が痛くなってしまうというストーリー。
この絵本を読みながら、そりゃあそんなに食べればお腹も痛くなるよねとずっと思っていました。
ところが最近、歌の先生をしている知人と話していて初めて知った事実があります。
それは、原作の英語版は「食べました」となっていないということ。
「りんごをひとつ食べました」を直訳すれば「He ate one apple.」
それに対して、原作はこうです。「He ate through one apple.」
つまりあおむしは、絵本に描かれているチョコレートケーキとアイスクリームと〜を全部食べたんじゃないんですね(まあ考えれば当たり前ですが……)。文字通り解釈すると、「食べ通り抜けた」。
eat through はもちろん『はらぺこあおむし』独特の表現ではなく「侵食する」という意味があり、酸が金属を侵食する(The acid ate through the metal.)などとも使われています。
言われてみれば「eat through」がぴったり、と思いましたが、日本語から英語に訳すとき「eat through」なんて私は絶対に思い浮かばない自信があります。
私が楽しみにしている連載の一つが、Business Insider Japanの有料会員向け「映画を見ながら英語エクササイズ」。毎回1本の海外映画やドラマを取り上げ、作品中のこなれた英語表現を紹介しています。書き手が起業家ということもあって、紹介する英語表現はビジネスで使えそうなものばかり。
「意見を聞かせてください」「ではよろしく」「気を悪くしないでね」……を英語でなんと言う?
気になった人は連載をぜひチェックしてみてください。
(2024.2.8)