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とうもろこしが届いた朝、佐藤優さんの「贈与」の話を聞く

外に出たくない暑さの朝。家で仕事をしていると、クール便が届きました。中身はとうもろこし。10歳以上離れた後輩が旅先から送ってくれたようでした。

彼は家に遊びに来たりときどき家人と会食したりしているのですが、そのたびにギフトをくれます。コーヒーだったり、ワインだったり。

ここ何年か、行き過ぎた資本主義を補完するものとして社会学者・モースの『贈与論』が注目されています。贈り物を受け取ると、それに対して何らかの形でお返しをする義務を感じる。この「贈与」と「返礼」の循環がコミュニティや社会を結びつける力となる——という理論です。
今回は北軽井沢の旅をお裾分けしてもらったような気持ちになり、オフィスへ向かいました。

この日はBusiness Insider Japan主催、佐藤優による少人数ゼミの当日(8月21日、昨日です)。その中で佐藤優さんが言及した「贈与」は新鮮でした。参加者がキャリアや仕事に関する悩みを打ち明け、佐藤さんが4時間かけて回答するという会。佐藤さんの回答はときに厳しく、質問者は耳が痛いこともあったかもしれません。ただ、ゼミの最後のコメントは愛にあふれるものでした。

一言目は、「みなさん、どうか自分に自信を持ってください」。そして「他者のいる場で自分の悩みを差し出す」という行為そのものが場への贈与です、と。確かに大勢の前で個人的なことを話すのはためらいもあります。帰り際そのことに少し触れると、佐藤さんは「みんなで共有することで集合知になるでしょう」と話してくれました。

とうもろこしが届いて驚いていたら、同じ日にこんな場が持てました。佐藤さんはもちろん参加者の皆さんにも感謝の1日でした。

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