
本を通してつむがれる、"会う"を越える時間
毎年一年の始まりに、甥と姪に本をプレゼントしている。
年に1、2回しか会えないので、欲しいものも分からない。
あっという間に大きくなっていく姪たちを見ながら、できることは何かと考える。
本との出会いは、新たな人生とのつながりを作る。
そう思い頻繁には会えないけれど、送った本が"何か"との出会いになれば嬉しいと思っている。
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中2の姪へ。
「大人も知らない!?偉人の実は…」粟生こずえ
中学3年の受験期をひかえる姪。
勉強も手につかないこともあるだろう。
偉人の表と裏の顔を楽しく紹介してくれる。
勉強しようと思わずに、歴史の人物に興味が持ててしまうとは魅力的である。
勉強ができた方が良いと言うよりは、沢山の人の生き方に触れることは大切だと思う。
同じシリーズの本を持っているようで、嬉しそうに手に取ってくれた。
新年にあった時は、宿題で覚えなくてはいけない百人一首を一生懸命覚えていた。
あぁ、自分達も覚えたなあと昔を思い出す。
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小学校6年の甥へ。
「ぼくらの七日間戦争」宗田理
もうすぐ中学へ進学する甥。
中学生はまるっきり子供でもないし、大人にもなりきれない年代。
大人とは異なる価値観も、沢山芽生えてくる頃。
大人と意見は違っていいし、子供達の世界を作ったっていい。
自分が考えたことを大切にして、行動していくエネルギーを貰えそうな本だと思い選んだ。
気の優しい甥、ときに繊細さが心配になることもあるけれど、甥らしい世界観を築いていってほしい。
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小学校4年の姪へ。
「空のふしぎがすべてわかる!すごすぎる天気の図鑑」荒木健太郎
映画「天気の子」の気象監修者である、荒木健太郎氏の書籍。
かわいいキャラクターと共に、天気にまつわる不思議を楽しく解説してくれる。
私自身が去年「おかえりモネ」にどっぷりハマっていた。ヒロイン・モネは気象予報士である。
空を知ることができたら、日常を180度違う視点で見れそうである。
大人と異なる時間の流れの中で、子供たちは過ごす。
目的が定まらず、所在ない時間を過ごすこともある。
そんなモヤモヤと言葉にできない気持ちが出てくるとき。
特別なことをしなくても、空を見て考える時間があれば、少し気持を切り替えることもできると思い選んだ。
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毎年この時期に姪たちのことを考え、選ぶ本。
贈ったものの興味が持てないこともあるだろう。
私自身あまり本を読む子供ではなかった。
今思うと沢山本を読んでいたら良かったなあと思う。
"読まなくてはいけない"ではなくて、思わず"読みたくなる"本と出会えると良い。
いつか気が向いたとき、贈った本を眺めてもらえたら嬉しい。
そして会えない時間の分も、私との時間が本を通して作られたら幸せだと思う。