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What Words Means to Us – 僕らにとって言葉とは

赤ん坊の頃、言葉は僕らにとって奇妙な音に過ぎませんでした。やがて、いくつもの異なった音が、それぞれに特定の人や物事、現象や性質などを表し、言葉で自分自身や身の回りの世界を理解し、表現ができることが、無意識のうちにわかってきました。linguistic equipment(言語能力)を獲得したのです。

ここでわざわざ “linguistic equipment” なんていう学術的な言葉を使ったのには、理由があります。”equipment” は「イクイップメント」という外来語にもなっていることから、ある特定の役目を持った道具や機器のことを指すのは、皆さんご存知ですよね。それと同時に、ある特定の目的を果たすために人間に備わる能力のことでもあります。まず、そのことを知っていただきたかったのです。

では、linguistic equipment の目的とは何でしょうか。それは冒頭でお話しした通り、自分自身や身の回りの世界を理解し、表現することです。つまり、言葉は世の中や自分自身と繋がるための、コミュニケーションのイクイップメント(道具/能力)なのです。

ところが、「言葉」が「単語」にすり替わると、様相が一変します。「英単語」の場合は特に顕著です。

学校で、僕らは英単語をコミュニケーションの道具として扱ってきたでしょうか。そんな記憶は、ほとんど無い気がします。解答欄を埋めるために綴りと語義を記憶するだけの、まるで無味乾燥な記号のようなものではなかったでしょうか。

とうさん、かあさん、おともだち、おいしい、すき、きらい、おもしろい、つまんない… 僕らが言葉を理解し獲得していくとき、その言葉は必ず特定の人や物、事象や感情などと結びつき、人生の中でなにかしら語義以外の意味や価値を持っています。

僕らが学校で学んできた「英単語」には、それがなかった。だから身に付けることがことが難しく、「英単語は苦手」なんて意識も生まれてしまう。

僕は、皆さんに英語という「言葉」を獲得してほしい。そう願って講座を営んでいます。英語を学ぶ前提として、まず「言葉とは何か」ということを共通認識としておきたいと考えて、この記事を書いています。ここからは、もう少し掘り下げていきます。

言葉はバッテリー

言葉は、コミュニケーションのバッテリーです。充電されていなければ、コミュニケーションは取れません。逆に、ほんの少しでも充電されていれば、その範囲でできるコミュニケーションがあります。たった一語でも、伝えたいことが伝わることが多々あります。でも、充電率が高い方が、当然安心感も高まり、自由度も増しますよね。言葉を学ぶというのは、コミュニケーションのバッテリーを充電する行為に他なりません。テキストや教室の役割は、つまり充電器なんですよね。学ぶ人に自由と安心を与えること。それが僕自身の使命だと考えています。

言葉は生き物

言葉のひとつひとつは、それぞれに特有の性格を持った生き物です。老いて時代遅れになることや、この世から消えていなくなることもあります。仲良くなれるものもあれば、苦手な存在になるものもあります。言葉には行動力があります。名前を与えたり、様子を表したり、言葉と言葉を繋いだり、物事を比べたりする力です。それは、人の営みのすべてを司る力です。

新約聖書の「ヨハネによる福音書」には、こんな記述があります。

“In the beginning was the Word, and the Word was with God, and the Word was God.”
「はじめに言葉ありき。言葉は神と共にありき。言葉は神なりき。」

とても印象的で記憶に色濃く刻まれているのですが、特に信仰心が厚いわけではない僕には、(西洋的な)「神」がどうにも仰々しく縁遠く感じられるので、「命」に置き換えてこの一文を眺めてみたらどうかな、なんて思ってます。

言葉は感情

言葉は人の気持ちを外側へ運んでくれます。「好き/嫌い」「楽しい/つまんない」「欲しい/いらない」や、その間にある心の機微を伝えることができます。人を喜ばせポジティヴな影響を与えることもあれば、安易に用いた言葉が人を傷つけることもあり、毒にも薬にもなりえるます。だからこそ、その取り扱い方をきちんと知っておく必要があります。

言葉は文化

文化というものは、多種多様で、しかも時代と共に刻一刻と変化していきます。その変化をタイムリーに伝えてくれるのが言葉です。今世界では、文化間の隔たりがどんどん小さくなり、文化間の交流がますます盛んになっています。その支えとなっている大きなものの一つが、国際言語としての英語です。英語力を身につけることは、より広い世界との繋がりを手に入れ、その絆を深めていくことでもあります。

さて、いかがでしょうか。言葉について語るべきことは、まだまだたくさんあって語り尽くせるこのではありませんし、なにより筆者がそろそろ力尽きてきました。今回はこのくらいにしておいて、また別の機会に小出しにしていけたらと思っています。


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