Present Tenses, Part 1.1 – 現在形が物語ること
英語の文章に不可欠なパーツである[矢印]や[イコール]にあたる語、つまり verb(動詞)の形を変えることで、その文章で伝えんとしていることを的確に表し、物語ることができます。変化した[矢印]や[イコール]の語形は tense(時制)と呼ばれます。
この記事では、tense の一種である present simple(現在形)について眺めていきます。
Form
語形
Present simple とは、次のような形で表される[矢印]や[イコール]のことです。
I work in a hospital.
You are a cry-baby.
The party starts at 6:00 tomorrow evening .
パーティーは8時開始です。London is the capital of UK.
I miss you.
[矢印]は、辞書掲載の見出語のまま、あるいは語尾が -s となります。
[イコール]は am/is/are のいずれかです。
語形変化のルールについては、次回 Tenses, Part 1.2 で詳しく解説します。
What the Present Simple Tells
現在形が物語ること
1. Permanent Situations and Qualities
日々変わることのない状態や性質
I work in a hospital.
私は病院に勤めています。Tom speaks Italian.
トムはイタリア語を話す。You are good at cooking.
君は料理が得意だね。
私が「病院に勤めている」こと
トムが「イタリア語を話す」こと
君が「料理が得意である」こと
これらはどれも permanent situation and qualities、つまり日々変わることのない状態や性質です。このように、「普段ずっと〜である/〜する力を備えている」ことを present simple は物語ることができます。
2. Repeated Actions
繰り返しする(起こる)こと
Present simple は、癖や性格、習慣、趣味、活動といった日常的によくする(起こる)ことや、決められたスケジュール通りにする(起こる)ことを物語ることも
できます。これらは全て repeated action、つまり繰り返しする(起こる)ことです。
I often forget my glasses.
僕はよくメガネを忘れる。[癖]You are a cry-baby.
君は泣き虫だね。[性格]We drink Japanese tea after breakfast.
私たちは朝食後にお茶を飲むの。[習慣]Maria plays football.
マリアはサッカーをするんだ。[趣味/活動]The plane leaves at 9.
その飛行機なら9時出発です。[スケジュール]
最後の例は、毎日のフライトスケジュールを説明しているようでもあるし、もしかしたら明日の予定、つまり未来のことを言っているようにも見えますよね。どちらでしょう? 次の項で説明します。
3. Fixed Schedule
定められたスケジュール
さっきの答えは、「どちらの意味にも受け取れる」です。毎日のことであれ、未来のことであれ、飛行機がスケジュール通りに動くことに変わりはないからです。どちらの意味になるかは、話の流れしだいです。
繰り返しがなくても、 fixed schedule、つまりあらかじめ定めれたスケジュール通りのことならば、present simple で物語ることができます。
The train arrives at 11:30.
その電車は11:30着です。The party starts at 6:00 tomorrow evening .
パーティーなら8時開始だよ。
4. General Facts ... or Bias
普遍的事実 … あるいは決めつけ
「南極は大陸だ」「水は水素と酸素からできている」のような、いついかなる時も変わらない general facts(普遍的事実)は、present simple で物語ることができます。常識と言い換えても良いかもしれません。
実はこれ、必ずしも完璧な客観性のある全人類・時代共通の認識である必要はないのです。自分がそうと信じていたらOKです。つまり、bias(思い込みや決めつけ)だって構わないということです。
某大国では、前リーダーがかなり乱暴な決めつけで対立を煽っています。世界には数え切れないほどの価値観が存在します。身近な話をするなら、犬に牛乳を与えては絶対ダメと言う人もいれば、そんなに気にしなくてもいいよという人もいます。Speaker(話者)にとって、それが general fact であるなら、present simple で言い切ってしまえるのです。
London is the capital of UK.
ロンドンはイギリスの首都。Cats like milk.
猫はミルクが好き。The earth travels around the sun.
地球は太陽の周りを巡っている。The Japanese work hard.
日本人は働き者だ。Illegal Immigration hurts American workers.
不法移民はアメリカの労働者に害をなす。
いかがですか? これらは全て普遍的事実でしょうか。思い込みかもしれないことや決めつけも、多分ありましたよね。
5. Immediate Reactions
たった今感じたり考えたりしていること
「知覚」や「気分」などといった、五感や感情の immediate reaction (たった今感じたり考えたりしていること)を物語るとき、これらを表す[矢印]や[イコール]は、(例外もありますが)原則的に present simple の形をとります。
これはなかなか呑み込みが難しいと思うので、例文を多めに示しておきます。
He needs your help.
彼にはあなたの助けが必要だ。I like it.
それ、気に入ったよ。Amy wants a drink.
エイミーは飲み物を欲しがってる。My left foot hurts.
左足が痛む。I hear you.
聞いてるよ。(「わかるよ」と言うニュアンスで使われます)I am really happy to see you!
君に会えてまじで嬉しいよ!
6. Stories or Jokes in Conversational English
会話中のエピソードやジョーク
「聞いて聞いて、こんなことがあってさ…」なんて面白いエピソードや冗談を言うことってありますよね。そんな時にも present simple は役立ちます。
So, I see this young bloke. He walks like a duck, and I go up to ask him if he is drunk. . .
若い奴がいてさ、アヒルみたいな歩き方してるもんだから、酔っ払ってるのか尋ねようとそばにいって . . .
これは日本語にしてしまうとわかりにくいのですが、話の内容が過去に起こったことでも、present simple を用いることで話に臨場感が宿るのです。
ニュースの見出しはわかりやすい例かもしれません。
Cabinet members except PM resign.
首相を除く閣僚が総辞職Apple announces brand new iPhone.
アップルがフルモデルチェンジのiPhoneを発表
報道とはすでに起こったことを伝えるものなのですが、こうして present simple を使うことで、臨場感が出てインパクトが増すんですね。この手法は、小説などでもよく用いられます。
これとよく似た用法がもう1つあります。
7. Commentary
実況
実況放送では、目の前で起きていることを次々に視聴者に伝えますよね。その時に present simple を用います。
Osaka serves, but Williams makes a great return.
大坂のサーブ、ウィリアムズが素晴らしいリターンを見せました。Now on the red carpet, Brad Pitt pauses for cameras, while the director, Tarantino waves to the fans.
ただいまレッドカーペット上では、ブラッドピットがカメラマンたちのリクエストに応え、監督のタランティーノはファンに手を振っています。
これも 6 と同じく臨場感のある表現です。Tense をコロコロと変えている暇がないのも、もしかしたら一因かもしれないですね。
ここまでの例文に見られる通り、[矢印]の ”like" に s が付いて “likes" になったり、[イコール]の “be" が "am/is/are” になったりと、present simple の[矢印]や[イコール]は、 ある特有の変化があります。他の tense に進む前に、『The Wonder of Present Simple Form Changes by Number and Person – 誰がどれだけで変わる現在形の不思議』というお話をして、これについて解説します。
それでは、I wish you happy learning!
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