グリーンブック。を観てみた
1960年代のアメリカを舞台にした、実話に基づく物語。
‥トニーはNYのナイトクラブで用心棒をしていたが、改装工事のためクラブは閉店することになりトニーは解雇されてしまう。
その頃、アフリカ系アメリカ人の天才ピアニスト、ドン・シャーリーは有色人種への差別が激しいアメリカ中西部、ディープサウスを回る8週間のコンサートツアーの運転手を探していた。
ドンとの面接を紹介されるトニー。
トニーを気に入ったドンは彼を雇うことにするが、トニーはクリスマス・イブまでに自宅へ帰る事を条件に運転手の仕事を引き受け、グリーンブックという有色人種が利用できる給油所やレストラン、モーテルを記した1冊のガイドを手に旅が始まります。
旅の冒頭から衝突する2人、その後も喧嘩をしながらもツアーを進めていうちにドンの類稀なピアノの才能に感銘を受けるトニー。
2人は徐々にお互いを認めるようになっていきます。
‥そんな旅の道中、トニーは妻のドロンレスに手紙を書くのですが‥
「もっとロマンチックな文章にしなきゃダメだ」と言うドンのレクチャーを受けながら書くうちに、トニーの妻宛の手紙は素敵なものになっていきます。
ただ、2人が訪れるのは黒人への差別が激しい地域、ドンが黒人というだけで様々なトラブルに2人は見舞われます。
ゲストとして招待されているにもかかわらず、差別を受け続けるドン。なぜ彼はそのような地域をツアー先に選んだのか?
そして最終公演の夜、ドンは演奏するために招待された白人専用レストランへの入店を断られます。
そのような仕打ちを受けてもドンはそのレストランでプロとして演奏するのか?
2人はクリスマス•イブまでにNY に帰ることができるのか?
‥ドンがレストランへの入店を断られるシーンで、ある演説が私の脳裏をよぎりました。
それは‥
バラク・オバマ氏の大統領就任演説の一節です。
「‥60年足らず前に、地元のレストランで食事をする事を許されなかったかもしれない父親を持つ男が、今、極めて神聖な宣誓を行うためにみなさんの前に立つことができる‥」
この時、映し出されていた演説会場の広場にいた有色人種の方達の涙は今でも鮮明に覚えています。
日本にも様々な差別と偏見があります。
障害者への偏見‥
美醜で判断される人たち‥
出生地による差別‥
この映画、観る人それぞれの脳裏に浮かぶ世の中の理不尽さがあると思いますが、ラストでトニーの妻、ドロンレスがドンの耳元で囁くセリフに胸が一杯になり、優しい涙が溢れます。