宿命
溶岩のように赤くうねり
地鳴りする心の地底
黒のとばりに内なる善を探してもがく
滅ぼそうとする天命にそむき
生き抜こうとする地命にあえぎ
私は 空と大地をすり抜ける風に
形を変え
逃げ去りたいと思う 切ないほどに
ああ 漆黒の無限よ
皆が怖れ、近づこうともしない深淵の渦よ
そこが命のみなもとだと知った時の畏れ
それを見た者は もう二度と
前と同じ己には戻れないとダークマターが嗤う
唯一の光を眉間の一点に求め
私はそれ以外のいかなる悪も離さない
なぜなら暗黒を両手に携え
僅かな光を胸に宿す生き物として
この地上に降ろされた
悪の切望により生まれた善の
はるか遠い2万年の人類の歩みを背負う宿命に
ため息をつく
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?