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創業半年未満、売上ゼロのスタートアップが日本政策金融公庫から融資を受けた体験談

サニーズ株式会社 代表取締役の中澤です。サニーズは2024年5月に創業をし、同年11月に3,300万円の資金調達を実施しましたが、この中には日本政策金融公庫からの融資も含まれています。私自身、申し込み前や面談前はかなり不安だったので、自身の面談の準備で苦労した点や、面談で聞かれたことなどを書いていきたいと思います。今後創業融資を検討する人にとって、少しでも役に立てれば嬉しいです。


日本政策金融公庫とは?

Webサイトには、以下のように書かれています。

一般の金融機関が行う金融を補完することを旨としつつ、以下の機能を担うことにより、国民生活の向上に寄与することを目的とする政策金融機関

日本政策金融公庫より

国民生活事業、農林水産事業、中小企業事業の3つに分かれていますが、創業初期のスタートアップがお世話になるのは、国民生活事業です。

一般的に、融資は返済できる見込みが高ければ高いほど借りやすく、返済の見込みが薄いほど拒絶されるか、もしくは金利が高くなります。そのため、創業したてのスタートアップは融資を受けにくいと考えられがちです。しかし、日本政策金融公庫の創業融資は、創業やスタートアップを支援するものであり、かなりの低金利で融資を受けることが可能です。詳細は以下でご確認ください。

経営者保証免除特例制度も準備されています。

面談に向けた準備

サニーズは2024年5月に創業し、8月下旬に面談の申し込みをしました。面談はオンラインで申し込むことができますが、その際に資料の提出が必要です。こちらにフォーマットやオンライン申し込みのフォームがありますが、私の場合は以下を用意しました。
※提出物などは2024年8月時点の情報です。必要書類は業種などによって異なる場合があるので、必ずご自身でWebサイトなどでご確認ください。

  • 会社概要資料

    • 普段からVCなどへの説明に使うような会社説明資料です。

  • 創業計画書

    • Webサイトのフォーマット通りですが、「事業の見通し」については「別途添付の事業計画をご参照ください。」としました。

  • 企業概要書

    • Webサイトのフォーマット通りです。

  • 事業計画書

    • Webサイトに「月別収支計画書」があるので、そのフォーマット通りに記入するのが一般的だと思いますが、私の場合はもともと用意していた自作の事業計画書で代用しました。月ごとに4年分を記載していたのですが、面談では、1期目、2期目について話すことがほとんどでした。またサニーズの場合、まだプロダクトの開発中で売上はゼロだったのですが、もちろんその点も正直に書きました。

  • 試算表

    • サニーズの場合はお金の出入りがそこまで多くなかったので、こちらなどを参考に自作しました。クラウド会計を使っている場合は、そこから出力することも可能です。不安な場合は会計に強い知り合いや専門家に相談するのがよいかもしれません。

  • 履歴事項全部証明書

  • 身分証

オンラインで申し込んだ翌日に電話があり、日程調整とともに、当日以下の資料も持参してほしいと伝えられました。

  • 個人の資産がわかるもの

    • 通帳のコピー(私の場合はネット銀行の画面をプリントしたもの)と前年の源泉徴収票、住宅ローンの状況がわかるものを準備しました。

  • 事業計画の裏付けとなるもの

    • プロダクト提供開始前のサニーズにとってはこれがいちばん難しかったのですが、まず人員計画の裏付けとなりうるものとして、誰に声をかけていてどんな状況なのかを示すリストを準備しました。また、売上見込の根拠として、ユーザーヒアリングの結果をまとめたものを準備しました。サニーズはB2Cですが、B2Bの場合は、受注リストなどがあると良いみたいでした。

  • VCからの調達の裏付けとなるもの

    • VCからの資金調達を前提とした事業計画にしていたこともあり、VCからの調達が受けられるエビデンスが必要となり、タームシートを持参しました。これは状況によるので、締結済みの契約書、契約書のドラフトなどがあればより良いですし、何もなければ別途VCにヒアリングをしてもらう、などでも良いのかもしれません(ここは未確認です)。

ここまでが事前準備です。私の場合はVC(HYPERION)にも相談しつつ自身で準備をしましたが、自信がない場合はINQさんなど専門家の力を借りるのもありかもしれません。INQ若林さんとは面識があるのですが、とても優しい方です。

面談当日

当日は1時間40分ほど面談をしました。担当の方は、事前に提出した資料をかなり読み込んでいた印象で、かなり細かい点まで質問されました。記憶しているものでいうと、以下の通りです。

  • これまでのキャリアと今回の事業の関連性は?

    • 私の場合、キャリアの大部分を占めるFintechとセキュリティは切っても切れない関係で、Fintech同様に知見のある領域とお伝え

  • 事業計画(売上)について

    • たとえば毎月○人ずつユーザーが増えているが、どうやって増やすのか、ユーザーの目処は立っているのか

      • 当日持参した資料をもとに説明

  • 事業計画(費用)について

    • 特に最大の費用となっていた人件費が、予定通り進むのか

  • 融資が希望額満額じゃないときにどうするのか

    • どの費用を削る、次の資金調達を早める、など

  • VCからの出資は確実なのか、金額も確定か

    • 私の場合、その時点で金額は確定していなかったので、最低x円、最大y円と幅を持たせて回答

  • プライベートのお金周り

    • 経営者保証免除特例制度があるとはいえ、会社の資金が不足しそうなときに、追加で出資したり貸付できる余力があるかを見ていたものと思っています

箇条書きで書くと少し冷たく感じるかもしれませんが、実際には会話のキャッチボールをしながら進むので、温かみがあります。とはいえ、100分の面談が終わったときはかなりホッとしました。その後、電話で2回ほど、追加で生じた質問を受け、回答をしました。

結果

面談中の特に最後の方で、満額とはいかないけれど融資NGでもなさそうだと悟っていて、実際に後日結果報告を受けた際もその通りでした。実際の金額に触れるのは控えますが、個人的にはこれまでのキャリアをかなり信頼いただけたうえで、事業計画でも一定の説明ができたことがポイントだったかと思っています。

最後に

多くの人にとって、創業して最初の融資面談になるかと思うので、少しでもその役に立てたら嬉しいです。また、やや先輩風を吹かせているような内容にもなっていますが、私自身もまだプロダクトの開発中でこれからが勝負なので、皆さんに負けずに頑張っていきたいと思います!

最後の最後に、サニーズでは新時代のパスワードマネージャーを提供すべく、先行利用の受付をしているので、ぜひ登録をしてみてください!

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Nozomu Nakazawa(中澤望)
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