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高校3年生の0学期とは?
受験シーズンの前倒しと「3年0学期」という新たな概念
産経新聞の記事を読んでいて「3年0学期」という言葉に出会いました。
受験生のスケジュールが前倒しになっていることを受け、近年一部の学校で2年生の3学期を「3年0学期」と呼ぶ取り組みが出てきているようです。
これは、受験が実質的に高校3年生の1学期から始まることを意識して、早めに準備を促すための非公式な名称です。確かに、9月から総合型選抜(旧AO入試)がスタートし、11月~12月には学校推薦型選抜が行われるため、受験生は3年生になる前から本格的に準備を始める必要があると。
受験準備はいつから始めるべきか?
「3年0学期」という言葉を見て、「そこまで前倒ししなきゃいけないの?」と思う人もいるかもしれません。しかし、大学進学を考えているのであれば、2年生の3学期どころか、もっと早い段階から情報収集や自己分析を進めたほうが良いのは間違いありません。
特に総合型選抜では、9月頃から始まり、単なる学力試験ではなく、自分の興味・関心、活動実績、将来のビジョンを問われることが多いです。「どんな大学があるのか?」「どんな分野に興味があるのか?」といった情報を早めに集めておくことは、むしろ自然な流れでしょう。3年生の1学期では遅いと。
ただ、「3年0学期」が流行のように広まることには疑問も感じます。言葉だけが独り歩きし、形だけ前倒ししても、肝心の進路意識が伴わなければ意味がありません。スケジュールに振り回されるのではなく、「なぜこの時期に考え始める必要があるのか?」をきちんと理解することが大切です。
受験を前倒しすることの落とし穴
「3年0学期」と聞くと、次に出てくるのは「3年マイナス1学期」や「高校2年生の0学期」なんて言葉かもしれません。笑いたいのですが、ほんとに起きそうなのでこわいです。。。こうした過度な前倒しが進むと、「受験のための高校生活」になってしまうなと感じます。
もちろん、早くから準備することは悪いことではありません。でも、受験のことだけを考えすぎてしまうと、本来の学びや高校生活の充実を犠牲にする可能性があります。受験準備と並行して、興味のある分野の探求や課外活動にも目を向け、それに含まれる受験準備ぐらいになることが、いいんじゃないかと。それが、結果として総合型選抜にもつながるのでしょうし。
未来を見据えた進路選択を
受験のスケジュールが前倒しになる中で、重要なのは「受験のために何かをやる」のではなく、「自分の将来のために動く」ことです。
そのために、高校1年生のうちから「大学ってどんなところ?」「何を学べるの?」といったことにアンテナを張る習慣をつけるといいでしょう。偏差値だけでなく、学びの内容や教授、カリキュラムを知ることで、自分に合った大学を見つけることができます。
また、進学先は日本の大学に限りません。海外大学や専門学校、就職など、多様な選択肢があることも視野に入れながら、じっくりと進路を考えていくことが重要です。
「3年0学期」が定着することで、進路選択の意識が高まるなら良いことですが、大切なのは「いつから準備を始めるか」よりも、「何のために準備をするのか」をしっかり考えることだと思います。
まとめ
受験のスケジュールは年々前倒しになっており、「3年0学期」という考え方も登場。
総合型選抜などでは、学力以外の準備も重要であり、早めの情報収集が鍵。
ただし、単なるスケジュールの前倒しではなく、自分の興味や将来像を意識することが大切。
受験だけを意識するのではなく、幅広い選択肢の中から進路を考えることが重要。
「3年0学期」という言葉が広まる中で、一歩引いて「そもそも自分は何をしたいのか?」を考えてみる機会にしてみてはいかがでしょうか。
最後に
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