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人生のピークを思い返すことについて
人生で一番幸せだった、楽しかった時期はいつですか。また、一番自分が輝いていたと思う時期はいつですか。
どちらの問いに対しても、僕の答えは中学生の時です。様々な感情が一番激しく波打っていた時。喜びも悲しみも怒りも。青くて傲慢で痛々しいけど、生きてるって感じがしました。
大人になっていって、傷つくこと、リスクに対する逆算とか、流し方が上手くなったけれど、心が冷たく固くなってしまったような、感情的に麻痺してしまったような気がするときもあります。
みなさんはどうですかね。そんなもんは無かったなんて悲しいことを言う人もいるかもしれないし、今が一番いいと心から思う人も、そう思いたい人もいるでしょう。
そんな「人生のピーク」ついて考えると、思い出す歌詞、文章が何個かあったので、以下に書いていきます。
・「”昔はよかったね”といつも口にしながら生きて行くのは本当に嫌だから。」 ー 槇原敬之『どんなときも。』ー
・「学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そんな人生を送るなよ」 ー伊坂幸太郎『砂漠』より学長の卒業式での台詞ー
・「あるいは彼女は十八か十九になるまでにはごく普通の女の子に変わっているかもしれない。そういう例を僕はいくつか見ている。十三か十四の透き通るように美しく鋭い少女が、思春期の階段を上るにつれてすこしずつその輝きを失っていく。手を触れただけで切れてしまいそうな鋭さが鈍化していく。」
「奇妙なことに人にはそれぞれにピークというものがある。そこを登ってしまえばあとは降りるしかない。それはどうしようもないことなのだ。そしてそのピークが何処にあるのかは誰にもわからない。」ー村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』ー
この系の言葉は沢山ありますよね。三つとも人生のピーク的なものを語っています。
『どんなときも。』は名曲で、歌詞も素晴らしいですが、僕には特にここが印象に残っています。
『砂漠』は大学生の爽快な青春劇で、明るく元気がもらえる作品の一つです。登場するキャラがみんな愛おしい。あまり読書慣れしていない大学生にも勧めたい一冊。
『ダンス・ダンス・ダンス』は村上春樹の初期の鼠三部作から一応繋がっている四作目的な作品。
これらの台詞についてですが、最初の二つは「幸せ」「楽しさ」について、最後は「自身の輝き(能力的、人間性的な長所)」についてというニュアンスの違いがあります。だからこのnoteの最初の質問もニュアンスで少し分けました。どちらも密接に関係しているし、同じ答えをする人が多いだろうけど、後者の方が「いつの自分が一番好きか、肯定できるか」という感じがあります。
マッキーと『砂漠』の学長が言うように、センチメンタルな気持ちで過去を参照してもどうしようもないし、悲しいし、ダサいとは思います。けどそれを考えてしまうときは人間どうしてもあると思います。
悲しみに浸りすぎずに、自分の大切だったもの、好きだったもの、その頃の感情を今と相対的に捉えて、どう生きるかを考えたいですね。原理的に、もう戻らないものは仕方ないと割り切るしかない。代替できたり、どうにかなるものに目を向けたい。