＃12 【入院7日目】12/9 地獄が呼んでいる～リハビリ、面談、剃毛～
今日は、頭のエコー検査、理学療法士の先生とリハビリに向けて面談、剃毛の予定。
明日の脳血管撮影の準備だ。
脚の付け根から、カテーテルを通すので、当然邪魔な毛は剃ってTパンツという使い捨てインナーも用意する必要がある。院内にあるコンビニに売っているそうなので、夫にお願いした。
少し肌寒い。
常に点滴の管が入っているので、腕周りに余裕がある羽織りものじゃないと、脱ぎ着しづらい。管が抜かれる瞬間も少ない。ストールは肩から落ずりちるし、何がベストなんだろう。普段考えない悩み。
足もとだけでも、と布団を足してもらった。
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予定は全て午後になりそうだ。
午前中はNETFLIXで「地獄が呼んでいる」を見る。面白かったが堪能できるテンションでもない、と2回でやめた。
心身ともに健康な時に続きを見るべきだ。
お昼は珍しく麺類が出る。うどんを完食。
午後は、頭部のエコー検査だ。妊娠中は、お腹にジェルを塗って毎週行っていたけれど、髪の毛を剃っているわけでもないし。
不思議に思っていたら、スクラブが入ったようなクリームを頭に塗りこまれた。「ちょっとザラザラしたものを塗っていきますね～。終わったらよく洗ってください」と言われ、何かぺたぺた頭に貼り付けれれる。
30分程度で寝ているだけで終わったので、これまで行われた検査の中では断然気楽だった。
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リハビリの先生に会うのは初めてだ。珍しく予定が詰まっている日。
簡単なアンケート、知能テストのような問題や、暗算などを行う。
「今、入院している病院の名前を言ってください」
そんな事わかるに決まってる、と思うが。そういえば、私は脳をやられて入院しているのだ。
当たり前でしょ、という質問が続く。手術後に同じように応えられるかを確認するためのアンケ―トなのだ。
自分の名前とか、居場所とか、わからなくなっていたら…そう考えるとこの簡単な問いもゾッとする。
その他の質問。
・100から順に7をマイナスしていく。「100-93-87-…」えーと、これは脳に損傷なくても苦手。
・脈絡のない単語を数種類、理学療法士さんに続いて複唱する。
「りんご・ネコ・車」 etc。
・何でも良いから文章を書く
「今日は良い天気です」
内容なのか？字の形を見ているのか？面白いかどうかなんて気にしていないだろうけど、こういう時は置きに行ったことしか書けない。
等。
あとは、身体的なところ。片足立ち、一本のラインの上を真っすぐに歩く、仰向けに寝た体制で足の上げ下げ、など。
とりあえずは、初日に倒れた以降の体調は至って良好、というのも変だがそれいじょうの問題は起きていない。
リハビリルームには、もっと年上の人、膝から下を失っている人、車椅子で移動している人など様々だ。他人と比べてどうこう、という問題ではないけれど私はまだ元気だ。42歳は多分若い。
復帰に向けてトレーニングしている姿を見て、シンプルに自分も頑張ろうと思えた。
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夫から病院に向かうよ、と連絡がある。
今から剃毛するらしいから、部屋に来る前に連絡もう一度して、と頼む。鉢合わせはちょっと気まずい。
女性の看護師が、息子の頭を刈るようなバリカンで毛を剃ってくれた。いちいち、恥ずかしいとかは最早思わない。
ちなみに、下着は「ライフリー」みたいなリハビリパンツだ。これには、入院している実感を感じざるを得ない。別に、トイレに間に合わないほど身体が動かせないわけでもないのだが、洗濯物の持ち帰りも増えるだろうしパジャマ＆リハビリパンツという入院セットがあるので使うことにした。
中には、自前のパジャマを着ている人、入院してるの？と思うようなTシャツと短パンで今にも走りに行きそうに元気に見える人もいる。
好きなものを着ていたい気持ちは、わかる。気持ちもあがるしね。
今はファッションは優先事項ではないと思いながら、ザラザラのパジャマで過ごしていた。組成が気になって見たら、綿ポリ50：50位だった。
細々したものが増えそうなので、夫に自立するトートを持ってきてもらう。いつも使っていたL.L.BEANのキャンバストート。大好きな青の持ち手。
自分らしいものが殺風景な空間に現れて少し落ち着いた。
話を聞くと、息子の音楽会があるそうだ。とにかく、今この一瞬コロナが弱まっているスキに学校は行事をやろうとしている。
夫は翻弄されながらも、俺が行く、と少し嬉しそうでもあった。
娘は乳歯が抜けた。
初めてなのに立ち会えなかった。
この日の差し入れは大量の本。
グルメ漫画、ガーデニングの本、タータンチェックの解説ムック本、モルカ―辞典。など。
幼稚園に送りに行った夫に、ママ友が本をどっさり渡してくれたとのこと。小さな端末を眺めるのは疲れるから、こんな時は紙の本が一番だ。
「入院中、暇だと思うから…」。
わたしの会話の端々から察したラインナップが嬉しかった。
※参考：脳神経外科で行う超音波（エコー）検査 | 八重洲クリニック 脳神経外科