#01 予兆 娘は命の恩人
今思えば、サインは出ていた。
頭痛持ちではないのに、1週間ほど頭の痛さと重さが続いた。
しゃがんだり、椅子から立ち上がったりするとズン…と響く。変だなとは感じていた。頭が痛くなるのは、PMSの時が主だけど生理は終わったばかり。
12月2日。
木曜日に幼稚園で親のサークルの集まりがあった。娘が「行きたくない」というのにかこつけて熱があると連絡し、自分も休むことにした。行けるテンションじゃなかった。
「病院行くとか、何か前進させなよ」
夫は言うが、頭が痛いってだけでいきなり医者で詳しく診てもらえるものなのか…。
とりあえず、肩こりからくる頭痛だと考えてマッサージに行ってみることにした。
12月3日。
金曜の朝、隣駅のショッピングセンター内のマッサージ店に電話する。
平日の朝は空いているからすぐに予約できた。子どもたちが園と学校に行っている間にひとまず疲れを取ろう、と自転車を走らせた。
50分ほどのマッサージを終えて、幾分スッキリしたように感じた。
帰宅してテキトーな昼食を済ませ、娘を幼稚園に迎えに行く。
「今日はおもちつきをしたんだよ。家でもやりたいな」
というので、帰りに小さなスーパーへ寄って帰ろうと応えたら「やったー!」と喜ぶ娘。もち米は、コンビニに打っているか微妙なラインだ。
夫との他愛ない会話で、コンビニとスーパーの境界線についてはなしたことを思い出した。唐揚げ粉、たこ焼き粉、タコ、もち米、このあたりはやっぱりコンビニには置いてないよなー、というただそれだけなのだが。
もち米を炊飯器で炊いて、麺棒で叩くとそれなりにお餅っぽくなる。
それをやろうと、スーパーへ行ったのが「正解だった」。
娘は私の命の恩人、なのだ。