穏やかなビーチで沖に流された年末・・
夏真っ盛りのニュージーランド。
コロナが広まりつつある中でもアウトドアレジャーは活発で、
海や湖は大盛況の年末年始でした。
そんな中、やはりビーチに遊びにいった僕は、
人生ではじめての怖い体験があり。
というのも、
沖に流されて遭難しかけました。
(-_-;)
こんな命の危機を感じたのはあまり記憶になく、、
今日は、そのときの話を。
**
2021年の大晦日まであと3日。
サーフィンで人気の街に来てました。
サーフィンは初心者ですが、泳ぐのは得意な方。
年に1~2回、ボードを借りて遊びで楽しんでいます。
その日は1泊終えての2日目。
帰る前にもう1回サーフィンしようと、
午前中にビーチに向かいました。
真夏で、年末休みで、天気予報も上々。
なのに、
朝の10時半にビーチの駐車場に着くと、
なぜかガラガラでした。
前日の午後は、駐車場もビーチも超満杯だったのに。
駐車場にサーフボードレンタルショップがあります。
店員に聞きました。
「なんでこんな空いてるの?」
「まだちょっと寒いし波もよくないからね。午後から増えるよ。」
確かにちょっと寒々とする。
けど午前中にはじめて、昼過ぎには終えて出発したい。
「ま、でも問題はないよね?」
「12時30分くらいから波がよくなるはず。2時間レンタル? じゃあ1時間サービスするから、ゆっくりやるといいよ。」
ボードを借りました。
いつもは超初心者用の、デカいボードを借りますが、
今年はちゃんと練習してみようかと思ってて、
ふた回り小さいボードを借りてみました。
***
駐車場は高台にあり、そこから20メートルほど下ってビーチに向かいます。
ビーチにつくとも客足はまばら。
20組くらいはいると思うけど、
横にだだっ広いビーチなので、超ガラガラな雰囲気でした。
海水浴客のみで、サーファーが一人もいない。
***
しばらくストレッチをしながら
波を眺めてました。
いい波な感じはしないけど、荒いわけでもない。
けど、妙に寒々してて、
「なんかあんまりやりたくないなあ。。」
と感じてました。
誰もサーファーがいないのが孤独というか、ちょっと気になる。
10分以上ぼーっとしながら
けどせっかく来やし・・
借りちゃったし・・
まあ泳いでる人はいるし・・
今日はとにかくこの小さいボードでパドリングの練習をしよう。
なんとか気力をふるいたたせていたら、
男のサーファー2人がビーチに入ってきました。
「よかった。よし、、やるか。」
と気合を入れました。
***
海に入ってパドリングの練習をしました。
慣れない小さいボードはバランスを取るのが大変で、
パドリングどころか、
バランスを取るのに必死。
しかし、それがちょっと面白くなって
徐々にテンションが上がってきました。
20~30分ほど練習して、ビーチに戻って、少し休憩します。
海水浴客はほどどんど増えてない。
さっきの男2人サーファーが、ビーチを出口方向に歩いていくのが見えました。
もう帰っちゃうんだ。。
けどエンジンがかかった僕は、再び海に入りました。
***
パドリングを続けました。
全然うまくいかない。
けど、少しだけバランスとれるようになった気が、
しないでもない。
夢中になってました。
しばらくたって、
ふと岸の方をみました。
「あれ??」
と思いました。
自分がエントリしたポイントが、かなり左の方にある。
左から右に、100メートル近くずれてる感じ。
徐々に流されることは多いですが、
いくらなんでもズレすぎに思う。
そして、岸もちょっと遠い気がする。
これは、、戻らないと。
で、岸に向かってパドリングをはじめました。
1分くらいパドリングしましたが、
岸に全く近づけてていないことに気づきました。
いや、むしろ遠くなってる。
ん、これちょっと、、やばいんじゃないか・・
焦った僕は、全力でパドルしました。
持てる力を振りしぼって。
けど、岸は徐々に離れていきます。
下手なパドリングじゃ駄目だ。
焦った僕はバタ足に切り替えて
必死にバタ足しました。
けど、、
やはり岸は離れていきます。
この瞬間、悟りました。
「これはもう自力で戻るは無理だ。」
ビーチにいる人たちが、人ではなく点になっていきました。
***
赤と黄色が目印の、レスキュー隊の建物が正面にある。
岸に向かって大きく手を振りました。
おーーーい
けど、気づいているのか、まったくわからない。
こんな時はどーするんだっけ?
浮いて助けを待てば大丈夫って聞いた気もするけど、本当にそうだっただろうか。。
(そーいや、昨日は手を挙げても全然気づいてもらえなかったな。。)
前日のバーレストランでの記憶が浮かびました。
二杯目のビールを頼もうと
手を挙げて店員に合図しましたが、
なんどやっても、店員は僕に気づかなかった。
もし漂流したら見つけてもらえるのかな。
寒いだろうな。
こんなことなら、フルサイズのウェット借りときゃよかった。。
岸はだいぶ遠くなった。
周囲の波がうねってきた。
混乱しながら
バタ足でもがきながら
手を振り続けました。
頼む、気づいてくれ。。。
***
手を振り始めてから
たぶん5分もたってなかったと思います。
止まっていたビーチの上の赤い点が
素早く動くのが見えました。
こちらの方向に移動し、そして、海に入った。
「あー助かった。。」
と思いました。
この時の安堵は、きっと一生忘れない。
***
「離岸流」というやつでした。
助けに来た、ボードに乗ったレスキュー隊員は
僕を別のボードに載せ替え、
離岸流の流れから外れる方向に誘導し
そこから再びパドリングして、一緒に戻りました。
流れから外れても
僕には同じくらいうねってるようにしか見えず、、
けれど、レスキュー隊員の指示通り
方向を微調整しながらパドリングしていると、
ちゃんと徐々に岸に近づいていきました。
***
レスキューが素早い対応をしてくれたおかげで
何とか無事帰ることができた。
いや怖いですね、、、、海って。
僕は泳げると思ってたけど。
沖に流されるなんて
そりゃー話には聞いたことはあるけど。
本当におきるなんて全く思ってないし。
とくに波が荒いように見えなかったし。
まさかあんな短時間で流さているとは。。
「離岸流にはまったら、正面からぶつからず、横にそれる。」
そーいえば昔のサーフィンレッスンでそんな話も聞いた気がする。
けど、うる覚えだった僕は、
パニクった僕は
おもいっきりそれをやっていた。
横に逸れたとしても、あのうねりで、一人で自力で戻れたかはわからないけど。
(事故のあと撮ったその日のビーチ)
あとから聞くところによると、
この夏は異常に暑いせいか、海難事故が多発してるらしく、
子供、大人に関係なく、犠牲になってるらしい。
僕はほんと運がよかったのかもしれない。
引き潮の、誰もやっていないようなタイミングで、素人が、一人でやっちゃ、やっぱいけません。
***
けど、これ、いい体験だったとも思ってます。
だって、ピリッとしましたから。
それに、もっとひどいことになる前に学ぶことができた。
命の大切さを知った、なんてのはちょっと陳腐な感じがして嫌ですが、
それでもやはり、
助けてくれたレスキューに感謝し
神様に感謝し
自分の運に感謝し
生きてることに感謝して
2022年は生まれ変わったつもりでもっと頑張ろう
そう感じざるを得ない、
そんな2021年の最後でした。
みなさんも海や川ではくれぐれも気をつけてください!
・・って日本は真冬ですね笑