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「なんとなく」より「ジブンジク」。わたし基準の投票先選び、始めよう。

選挙に行ったほうがいい。分かってはいるけれど、選び方がわからない。
選挙は行くけれど、なんでその候補者・政党に入れたの?と聞かれるとぱっと答えられない。

投票に意義を感じられない・自分の一票にあまり自信を持てないという感覚は、もしかしたら、日常生活と政治(特に投票)の繋がりが、よく見えないことからきているのかもしれません。

「私はこんな社会に生きたい・こんな社会をつくりたい!」という前向きな気持ちで投票所に向かう人が一人でも多くなるように。自分の「投票の軸」について考えてみるイベントを開催しました。

イベント概要
「投票先どう決める?〜わたしの基準を見つけよう〜」
2021年5月29日 (土) 11:00-12:00
Zoomにて開催

プログラム
1. オープニング 
2. アイスブレイク「最近気になったニュースは??」
3. レクチャー1:「なんで投票が大切なの?」
5. レクチャー2:「『ジブンジク』の決め方」
6. 感想シェア(Mentimeterを使って)
7. クロージング 
写真撮影、アンケート

「なんとなく」投票に行くから、「ジブンジク(自分の投票の軸)」を持った投票へ

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今回のイベントの目的は、「なんとなく」投票に行く、から「ジブンジク(自分の投票の軸)」を持って投票に行く方を増やすこと。投票は、自分の想いを乗せる一票なんだ、ということが伝わればいいなと思っていました。

Instagram等のSNS、イベント、各地方選挙でのVOTE FOR MY TOWNキャンペーンなど、様々な場面で投票に行こう!と呼びかけている私たちNO YOUTH NO JAPAN(以下、「NYNJ」)。しかし、何となくでも・誰でもいいからとにかく投票して!と言いたいわけではありません。

このイベントを通じて伝えたかったのは、それぞれが個人として自分なりに考えた結果、自分の日常の困りごとを解決し、少しでも社会を良くするための手段として、投票に行って欲しいということ。

でも、「自分なりに考える」と言われても、その考え方や視点がよく分からないという声もあると思います。だからこそ、「ジブンジク」を見つけるためのヒントをお伝えし、自信を持って投票所へ向かってもらうためのお手伝いができればと、このイベントを企画しました。

なんで投票が大切なの?

今回のイベントは、全体としてNYNJ側からのレクチャーを中心に進めました。前半パートでは、選挙に行く理由を紹介。以下の5つの理由を解説しました。

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今回は2つの理由をピックアップして詳しく説明します。

1つ目の理由は若い世代の声を届けるため。自分たちの世代の声を届けなければ、自分たち世代向けの政策も自ずと少なくなります。

前回の参議院選では、60代の63.6%が投票に行ったのに対して、20代は31.1%しか投票しませんでした。その上、日本は少子高齢化社会で、人口も年齢層の高い方の方が多い状況です。 もともとの人口が少ないうえに、投票率も低い状態では、政治に若者の声がますます反映されにくくなります。若者がより生きやすい制度や法律を作ってもらうためには、より多くの若い世代の方が、投票でその声を届ける必要があります。

2つ目の理由は自分と近い考えの人・政党の影響力を高めるため。
教育や奨学金、男女平等、気候変動、国家の安全保障など、政策には様々な争点があります。関心を持つ話題や意見はそれぞれかもしれませんが、「大学の学費はどうしてこんなに高いんだろう」「育児休業が広まっているとはいえ、男性はまだまだ取りづらい」等、身近な場面で、こうなったらいいのになという想いを持つことがあると思います。
国に対して私たち一人ひとりの声は大きくはありませんが、自分と似たような考えを持つ人を投票で支持することで、その「もうちょっとこうなったらいいのにな」という自分の声を、届けることができます。

政治はどこか遠い存在のように思いがち。でも、投票は自分の身近な困りごとを解決するために、自分の想いを託す手段なのです。

NYNJが考える「ジブンジク」

レクチャー後半では、このイベントのメインとなる「ジブンジク」の例を紹介しました。

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イベントで挙げた軸のうち、今回は①政策ごとに決める、③候補者の属性から考えるをご紹介します。

「政策ごとに決める」は、自分の関心が高い政策について、候補者の主張を比較する方法です。
いきなり「政策を比較する」と言われてもなかなか難しいという方もいらっしゃるかもしれません。そんな方には、自分の日常の困りごとから、トピックを考える方法がオススメです。
例えば、学校の授業料が高く奨学金を借りている場合。「学費がもっと安かったらいいのに」という想いがあるのなら、それを起点に、教育についての「予算配分」に関する主張は各政党にどんな違いがあるんだろう、「学費引き下げ」や「高等教育無償化」を主張しているような政治家はいるのかな?と各候補者、政党の主張を比べてみるのです。
このように、「もっとこうなったらいいな」を考え、自分の意見と近い政策を見つけます。

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「候補者の属性から考える」は、複数の候補者のうち、自分の想いを1番代弁してくれそうな人は誰だろう?という視点で選ぶ方法です。それぞれの候補者は、年齢、性別、子育てや仕事の経験、出身地などそのバックグラウンドはさまざまです。

例えば、あなたが学生で、若者目線の政策が増えたらいいなと思っていたら、年齢の若い候補者が、あなたの声を1番代弁してくれるかもしれません。
子育て世代が働きやすい仕組みができればいいのに、と考えていたら、実際に子育て経験のある候補者を選ぶのがいいかもしれません。
自分と立場の似た属性や経験を持つ候補者は、当事者の視点から自分の想いを代弁してくれる可能性が高くなります。

とはいえ、そうした政策や候補者の情報はどこから集めたらいいのでしょうか。そんな疑問に答えるために、イベントでは、候補者や政策の調べ方もご紹介しました。
まずは政治家それぞれのHPを覗いてみるのが基本。最近ではTwitterやInstagramに力を入れている方も増えてきたため、政治家のSNSから、力を入れている政策を調べることもできます。また、NHK選挙WEBといった報道機関の選挙情報サイトでは、候補者の主張をわかりやすく比較できます。

また、NYNJでも、国会議員にダイレクトークという、月に一度、テーマを決めて国会議員と若者が直接話す企画を実施しています。このサイトでも政党ごとのスタンスの違いを知ることができます。

「こうなったらいいな」という想いを、投票所へ

様々な「ジブンジク」の決め方を紹介した一方で、どんな調べ方をしても、自分と100%合う候補者と政党を見つけるのが困難な場合があります。そんなときは、自分が一番大切にしているポイントは何だろう?最も近い候補者・政党はどこだろう?という視点を持って考えてみてほしい、というメッセージも伝えました。

イベントに参加いただいた方からは、以下のような前向きな声をいただきました。

「100%意見が一致する方はいないからこそ、自分の中で軸を決めて特に大切にしたいトピックに絞って考えていこうと思った」
「自分軸の見つけかたやどう候補者の政策を見つけるかなど具体的なツールを紹介してもらい、参考になった」
「選挙に対するハードルが下がった」

7月4日には、東京都の都議選がやってきます。選挙に行ったことはあるけれど、これまであんまり考えて投票していなかったな。行ったほうがいいと思っているけど、選び方がわからないという方々が、このイベントや記事を通じて、少しでもジブンジクを持って投票所に向かっていただけたら、とても嬉しいです。
(文=林 怜奈)


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