NO YOUTH NO JAPAN 衆院選キャンペーンの企画書、公開します。 #だから選挙行かなきゃ
小さい頃、親に投票先を聞いたら「それはね、秘密かな」と濁されました。
その時から選挙や投票先について、人と話すものじゃないんだなあと思うようになった記憶があります。
そんな私や、私たちNO YOUTH NO JAPANには、「投票に行こう」の代わりに、「#だから選挙行かなきゃ」という言葉を掲げる理由があります。
10月31日は衆議院議員選挙の投開票日。
この日に向けて、NO YOUTH NO JAPANはInstagramを中心にしながら、U30世代によるU30世代のための様々なプロジェクトを行います。
今回の選挙プロジェクトのテーマは、投票に対するポジティブなプレッシャーをつくること、そして投票先を話題にできるようにすること、の2つです。
これまでの投票を呼びかける運動へのちょっとした3つの違和感から始まった衆院選キャンペーンの裏側にある想いを、公開します。
1.投票先は「言っちゃいけない」のか?
投票先は、人に話さないことのように扱われてきました。
「〇〇についてオープンに語ろう」という動きが、政治、性教育、お金、など様々な領域で広がってきているなか、投票先はまだまだ自由に話せない話題の1つです。
投票先には、その人の社会や政治への価値観が反映されています。
安定した政治をしてほしい。若い世代を大事にする政策をつくってほしい。新しい風を吹かせてほしい。そんな意図がこもっているから、投票先を話題にすれば自然と自分の価値観や考えを人に話すことになります。
投票先を話題にできないということが、選挙を自分ごととして話す機会自体を奪ってしまっているのではないでしょうか?
例えばNO YOUTH NO JAPANのメンバーが特定の政策の是非を語っているとき。その内容が難しかったり、自分の興味テーマと遠くて共感できないときがあります。でも「なぜ私がこの人に投票するか」「この政策を大事にしてほしいのか」という話まで踏み込んでみると、その人の大切にしている考え方や守りたいものに触れて共感したり、自分の考えにも刺激をもらったりします。
客観的な意見ではなく、その人視点での投票の理由を聞けることは、自分も一票を投じてみようかなと思う、すごく良いきっかけになるはずです。
そこで今回は「『投票先は言っちゃいけない』空気のなか、どうやって投票先や投票の理由を話題にするのか?」をプロジェクトで考えました。
2.なぜ「投票に行こう」と言うのか?
「投票に行こう」という声は、最近多くの場面で聞かれるようになってきました。それ自体は素敵なことですが、「投票に行こう」は必ずしも使いやすい言葉ではないとも感じます。
「投票に行こう」と人を誘うのは、「遊びに行こう」と言うのとは違います。気軽に人を誘う呼びかけじゃないからこそ、よっぽど身近な人じゃないと言えなかったり、選挙に対して多少なりとも考えた自信がある人じゃないと言いづらいなんてことは、ないでしょうか。
また、全く行く気がない場所に対して「〇〇に行こう」と言われても、あまり心は動かないものです。投票にもともとそんなに行く気がない人にとっては、「投票に行こう」と誘われることは、魅力的な言葉じゃないかもしれません。
若者に向けた選挙の呼びかけは、アップデートが必要なのでは?
人に無理に呼びかける必要はない、でも誰かに届いたら嬉しい、そんな言葉はないだろうかと考えました。
そこで生まれたのが、「#だから選挙行かなきゃ」という言葉です。
私は投票に行ったよ、ということを発信するだけでもいい。その量が増えれば、無理に「行こうよ」と誘わなくても、投票って行った方がいいのかもしれない、というポジティブなプレッシャーになると思います。
また、その発信に「私はこんな理由で投票したよ」と、理由や投票先をそっと添えることができれば、周りの人にとっては投票先を考える手助けにもなるはずです。
そこで今回は、「『投票に行こう』に代わる『だから選挙行かなきゃ』という発信をどう広めるか?」をプロジェクトで考えました。
3.「選挙界隈」しか選挙で活動しないのはなぜ?
選挙は、今後数年の社会を選ぶ機会です。つまり、色々な社会課題を、政治というツールを使ってどのように解決するかを選ぶ機会とも言えます。
しかし、同世代で色々な問題意識をもって活動する人たちや団体に目を向けるとどうか。環境問題、教育、ジェンダー、国際協力…特定のテーマを持った団体では、選挙に合わせた活動はあまり見られません。選挙が関心ごとではないからか、あるいは企画を考えて実施するということが簡単じゃないからかもしれません。
また、選挙に向けたプロジェクトを行う一部の団体やメディアの動きは、ほとんどが個別の動きでまとまりはありません。それぞれの企業や団体が、各自で政党にアンケートを行ったり、投票を勧めるキャンペーンを実施したりしています。
1匹のスイミーは、他の魚と協力することで大きな魚になることができました。
NO YOUTH NO JAPAN(以下、NYNJ)も、他の企業や団体も、1匹のスイミーに過ぎないのだと思います。しかし、もし色々な企業や組織の活動をつなげることができたら、投票率をアップさせるような大きなパワーを生むことができるのではないでしょうか。
そこで今回は、「U30世代の、未来の社会を考える人たちと連帯することで、選挙に向けてうねりを起こすにはどうしたらいいか?」をプロジェクトで考えました。
3つの違和感発、キャンペーンの全体像
1.『投票先は言っちゃいけない』空気のなか、どうやって投票先や投票の理由を話題にするのか?
2.『投票に行こう』に代わる『だから選挙行かなきゃ』という発信をどう広めるか?
3.選挙界隈で選挙活動を終わらせず、U30世代の、未来の社会を考える人たちと連帯することで、選挙に向けてうねりを起こすにはどうしたらいいか?
この3つの疑問と仮説を出発点に、今回NYNJが行うキャンペーンの全貌はこちらです!
詳しい情報は随時、衆院選キャンペーンHPやInstagramで発信するので、そちらをご覧ください。
HP: https://nynj2021.com/#02
Instagram:https://www.instagram.com/noyouth_nojapan/?hl=en
【1. 投票先をカジュアルに話題にするために】
・Instagram発信:
NO YOUTH NO JAPANが誇るインスタメディア力を全力で活かして、分かりやすくシェアしやすい情報発信を行います。
- ストーリー・ポスト・リール投稿
- インスタライブ(U30世代の団体、インフルエンサーさんとのコラボ)
・Tシャツプロジェクト:
投票する理由をカジュアルに表現できるオリジナルTシャツ&関連グッズを通して、投票する理由を話せて、「#だから選挙行かなきゃ」と発信できる空気づくりを目指します。
- パタゴニア・ALL YOURS・スピンズでのTシャツ販売(ステッカー、Zoom背景、インスタフィルター配布等)
- 賛同いただいたインフルエンサーさんとのコラボ企画
【2.『投票に行こう』に代わる『だから選挙行かなきゃ』を広めていくために】
投票をカジュアルに話題にするだけではなく、Instagram投稿を通じて「私が選挙に行く理由」を見える化。一人ひとりの「だから選挙行かなきゃ」の発信を通じて、選挙に行くって当たり前・かっこいいことなのかも?というポジティブなプレッシャーをつくっていきます。
・みんなでつくる投票ガイド(@noyouth_nojapan_voice)でのU30世代からの投稿発信:https://www.instagram.com/noyouth_nojapan_voice/
ぜひ皆さんも、下記フォームから、あなたの投票に行く理由を教えてください!(上記アカウントでInstagramポストとして投稿させていただきます。)
投稿フォーム:https://forms.gle/nxx999FM4yGp6q2L6
【3.U30世代の未来の社会を考える人たちと連帯し、選挙に向けてうねりを起こすために】
・U30世代 YOUTH QUAKERSコミュニティ:
同世代の100人が集まって、期間限定のコミュニティ「YOUTH QUAKERS(ユースクエイカーズ)」を立ち上げます。政治や社会へのホンネを安心して語れる場づくりをしたり、「何か選挙で自分も行動してみたい!」というパワーを借りて、NYNJメンバーだけでは拾いきれない、色々な関心をもとにしたInstagram発信などを行います。
- メンバー限定の情報共有/ディスカッション/おしゃべり会の実施
- コンテンツ作成
※コミュニティに参加したい方は、info@noyouthnojapan.orgまでご連絡ください
・メディア・自治体とのコラボ企画:
メディアと協力した企画や、各地の自治体と協力をした投票啓発を実施しています。
▶メディア~~選挙報道にU30の声を
- 朝日新聞:若い世代の政治参加を考え取り組んでいくための「withU30」企画を実施
- 毎日新聞:候補者政策アンケート「えらぼーと」に、U30世代が気になるトピックを提案し共同調査
- ハフポスト日本版:「選挙アップデート for U30」を実施中。U30が興味あるトピックアンケートを実施し、政党アンケートを実施
▶自治体~~投票に関する会話が生まれる仕掛けづくり
兵庫県神戸市・滋賀県彦根市などで投票するともらえるステッカーのデザインを担当。選挙管理委員会と協働して「投票行ったよ」と広めたくなるきっかけをつくっています。
NYNJ衆院選キャンペーンを応援する方法
Instagram投稿、Tシャツ、みんなでつくる投票ガイドなどなど、私たちの様々なプロジェクトを、みなさんの投票先選びや、周りの人にそっと発信をするためのツールとして使ってもらえれば嬉しいです。
その他、私たちの活動を応援したい!と思ってくださる方。いくつか方法を設けさせていただいているので、以下ご参照ください。
・寄付:syncable(シンカブル)というプラットフォームを通して、ご寄付いただくことができます。
・協賛:企業・団体等の方からの協賛を受け付けております。詳しくは衆院選プロジェクトのHPをご覧ください。
・本の購入:10月に書籍「YOUTH QUAKE」を発売します。政治や社会について考えたり、ちょっとしたアクションを起こすヒントを詰め込んでいます。
・Tシャツの購入:衆院選プロジェクトのために制作したTシャツを販売しております。U30の投票のための重要トピックをヒントに、イラストレーターさんに、デザインをしていただきました。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
・フォロー、シェア、ネットプリントポスターの掲示:アカウントのフォロー、シェアはいつでも私たちの力になります!また、投票啓発のためのポスターをHPで配布する予定です。こちらは後日HPでお知らせします。
「#だから選挙行かなきゃ」をムーブメントに
公示日の今日=10月19日から、2週間の選挙活動がスタートします。
コロナ感染者数も落ち着きを見せ、新内閣発足直後の選挙で、今回も投票率は伸びることはないのでは?という話も聞こえてきます。
でも、わたしたちは、このコロナ禍の生活の中で、日本の政治について立ち止まって考えてみるきっかけをたくさん体験してきたはず。生きたい今や未来について思うことが、U30世代みんなにきっとあったと思うんです。
だからこそ、今度こそは「#だから選挙行かなきゃ」と意思を持ったみなさんは、その声を少しでもラクに上げられるような仕掛けを、そしてその声を広げていくための仕掛けを使い倒してください。一人でも多くの方の、普段は口にしない想いが周りの人に伝わる、そんな2週間をつくっていきます。
(文=黒住奈生)