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散文日記「剃刀負けは現代社会へのアンチテーゼ」

・剃刀負けの「負け」は、剃刀と肌のどちらにかかってるのだろうか。
昨日まで負けているのは当然肌の方だと思ってたけど、なんだか言葉にできない違和感があった。今朝、剃刀負けをした自分の口元を見てふと気付いた。剃刀のミッションは「肌を傷付けないこと」であり、にもかかわらず肌を傷めつけているということは、むしろ負けているのは剃刀、テメーの方なんじゃないか?

・今回のケースは「どんなデリケートな肌も傷付けない剃刀」と「どんなに安全な剃刀でも血が出る肌」で対決する、実質「逆ほこ×たて」である。強いもの同士がしのぎを削る争いはもうやめにしよう。これからの時代は弱き者にもスポットライトが当たるべきだ。剃刀負けはそんな際限ない高みを目指す現代社会へのアンチテーゼとなりうるポテンシャルがある。時代を逆行するには必ず血は流れるものだ。どこか岡本太郎イズムを感じる。

・剃刀(かみそり)って、名前の割に髪を剃ったことがないな。むしろ、髪以外のすべての部位の毛を剃るのに用いられるくらいの勢いだ。髪だけが剃刀をお呼びでない。剃るとしてももみあげのアホ毛ぐらいだ。中学時代、めちゃくちゃ素行が悪かったのに、名前が「正(タダシ)」だった同級生のことを思い出した。名は体を表さない場合もある。

・もみあげが実際に「揉み上げ」られている人、もう北大路欣也か闘牙関しかいない気がする。

闘牙関


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