散文日記「餃子の理論をたい焼きに応用する勿れ」
・「おおきなかぶ」は後ろに行くほど非力になっていくので、綱引き的な考え方では効率が悪いのでは、と思ったけど、じゃあネズミが株を掴んで、猫、犬、まご、おばあさん、おじいさんがネズミを引っ張る方式になったら、これはネズミにとって負担がデカ過ぎるのではないか。
・そもそも地面に埋まっている株を横に引っ張るのは得策なのか。たしかにイラストではちょっと斜めになってるけど、そうはいっても横に引っ張って抜こうとするとなると、だいぶ土ごとえぐらなくては抜けようがないんじゃないか。そんな余計な心配をする日曜日の昼下がりだった。
・最近のたい焼き屋さんは羽根が付いているのが乙と見なしているようだけど、早くあんこに到達したい身としてはたい焼きに羽根はそんなに嬉しくない。餃子はどんなに羽根が付いていても一口で肉に到達できるから、パリパリと肉とのハーモニーを楽しめる。しかしその理論をたい焼きに応用しようとする勿れ。味のしない尻尾部分が全身に付いたようなものだ。あれは羽根ではなく「耳」と呼ぶ方がふさわしい。
・好きなことがいつまでも好きとは限らないな、と最近悟ったので、好きなことが好きじゃなくなって路頭に迷わないように新しい好きのチャネルを作ろうと思い立ち、ニンテンドースイッチ Liteを購入した。30歳の男にしてはかなり珍しいと思うのだが、僕は今までの人生で「ゲームを買う」という行為をしたことがなかった。子どもの頃は、兄がよくわからないゲームをやっているのをボーッと眺めてるか、友達の家に行った時に無理やりスマブラに付き合わされて負け役をするかのどちらかだったのであまり良い思い出はない。だから今まで毛嫌いしていたのだが、この歳になって、拒否していたものを受け入れたら世界が広がるかもしれないと思い、この度ついに手を出してみた。ちなみに今家にそれがあるのだが、まだ開封すらしていない。「結局興味持てなかったらどうしよう」というプレッシャーが僕を縛り付けている。なのでしばらくはこの箱を鑑賞することを楽しもうと思う。来週ぐらいには電源を入れて、「星のカービィ」とかいう未知の生き物に触れ合えていることを願っている。