野安の電子遊戯工房 ~本当の意味で「人生で初めてハマったゲーム」の秘密を知りたい~
自分を作り上げたゲーム4選
というツイッターのタグをたどると、いろいろな人のゲームの感想を知ることができて、なかなか楽しいひとときを過ごすことができました。
でも自分自身に当てはめてみると、さて、どのゲームを上げたらいいのか、めちゃくちゃ迷いますね。「自分の好きなゲーム」ならば気軽に選べるけれど、「自分を作り上げた」となると真剣に選ばねばなりません。なにしろ「自分を作り上げた」とまでいうならば、人生の最初期に出会い、「ゲームって、なんて面白いんだっ!」と感動したタイトルを挙げるべきである気がするからです。
とすると、わたしの場合は「パックマン」とか「ギャラクシアン」とか、そのあたりの時代のゲームを挙げることになるのかなぁ。あるいはゲーム&ウォッチのタイトルとか、さらにはゲーム電卓を入れるべきなのかもしれませんね。
とまあ、古~いゲームを挙げることになってしまうのは、わたしの年齢が高めのためです。わたしの場合、テレビゲームという娯楽が登場したのは、物心ついてからのことですからね。
このため、黎明期からのゲームの歴史をリアルタイムで眺めることができたというメリットを享受できましたが、その反面、ちょっと悔しいなぁという気持ちもあったりします。
「覚えてないかもしれないけど、小さいころ、親戚のお兄ちゃんたちと『〇〇〇』を一緒に遊ぼうとしていたのよ」
みたいなことを、大きくなってから教えられるといったエピソードが、わたしには欠落しているのです。幼いころに、それがゲームであるかどうかすら不明なのに、なぜか周囲のまねをして、コントローラーを手にして遊ぼうとしていた――といった物語を、わたしは持っていないのですね。
ほんとさ、ぜんぜんまっすぐ走れず、だから勝てるはずもないのに、でも親戚のお兄ちゃんたちと『マリオカート』をプレイしていたんだよ、みたいなエピソードが欲しかったなぁ、と、心から思っております。
まだ物心もついてないのに、なぜか興味を持って、遊ぼうとしたゲーム。
しかも、すぐに飽きることなく、なぜかプレイした気分になって、楽しんでしまったゲーム。
そんなゲームタイトルを調査して、時代別に調べていくと、すごく面白いデータが出るのかもしれませんね。本人は記憶していないけれど、じつはそれが「人生で初めてハマったゲーム」ということですから。
たぶん、そこで名前が多く挙がってくるゲームタイトルには、「まだゲームを知らない人をひきつける何か」があるってことなのでしょう。ゲームに慣れて人が評価するような「ここが革新的だ」といった要素とは別に、人間の根源的な興味を引くような何かが、こっそりと仕込まれているのだと思うんです。
その「何か」とは何なのか? その秘密を解き明かしたいなぁ――なんてことを、ちょっとだけ考えたりもしています。
たぶん、長年にわたってゲームを作り続けている老舗のゲームメーカーというのは、その「何か」を仕込むことに長けているんだと思うのです。
だって、人間は、いつか必ず死んでいきますから、すでにファンになった人たちだけをターゲットにしたビジネスは、ゆるやかに衰退していくしかありません。老舗メーカーというのは、つねに新規顧客を掴み続けているからこそ、老舗メーカーとして存続しているわけですからね。
そんな、メーカーごとの「秘伝のたれ」のようなものは何なのか? わたし、すごく興味があるのです。いつか解き明かしたいなぁ。
(2018/07/25)