
どんどん普通のおじさんになるおじさん。
ロバート・デ・ニーロのすごさは、「どんどん普通のおじさんになっていく」ことだ。
異論は認める。
でも、僕の好きポイントも聞いてほしい。 ちょっと座っていきなさいよ。ね。ほら。
デニーロなのに、デニーロを忘れる体験。
これが2010年代以降におけるデニーロショック。これが、僕の好きポイントだ。
今日はあなたに、衝撃を存分に味わえる一作、世界に一つのプレイブックを推します。
(もう観たよ!って人はおめでとうございます。もれなくもう一回観れるよ!)
☆
まず、この映画の素敵ポイントを挙げる。
・音楽がめちゃくちゃいい。
・ジェニファーローレンスが可愛い
・ストーリーが響く
・ジェニファーローレンスがすごく可愛い
・ブラッドリー・クーパーの瞳が綺麗すぎてビビる
・ジェニファーローレンスがめちゃくちゃ可愛い
↑と、挙げていけばきりがない。(デニーロ以外にも最高の映画なので観てね)
そして、我らがデニーロはこの映画で、主人公であるパットと距離を埋められない不器用な父親を演じている。賭け事が大好き。想いを言葉にできない。過去を拭えない。そのダメさ。ちょう、良い。
でも、公開したとき、映画館で観たデニーロについて思ったことは、
あれ、いたっけ…
だった!!
これが、すごい。すごすぎる。すごすぎるんです。
どのくらいすごいことなのか。
もうほんと、これは、伝えられるだけ、書く。だから、受け取ってくれ。オラのありったけのこのデニーロショック玉を。
そう、私たちは多かれ少なかれ、役と俳優を切り分けられない。
トム・クルーズ
アル・パチーノ
ブラッド・ピット
トム・ハンクス
そして、ロバート・デ・ニーロ。
彼らは素晴らしい演技とともに、常にそのスター性との戦いを強いられる。
大ヒット作のイメージ。
一つ前の主演作。
ゴシップ。
役柄イメージ。
2000年代までのデニーロも、そのクールな出で立ち。徹底した役作りからなる説得力。漂うかっこよさ。狂気を孕んだまなざし。いぶし銀。そんなイメージが多分にあった。
ゴッドファーザー2
タクシードライバー
レイジングブル
ヒート
数々の映画で、圧倒的な存在感でスクリーンの彼に釘付けにされる。(もちろん最高に素敵)
しかし、ある時からその存在感の方向性が変化する。
ロバートデニーロなのに。
観ている人のデニーロというフィルターを打ち消す、「あれ、いたっけ…」感。
ふいに、デニーロを忘れる。
その衝撃たるや。
世界に一つのプレイブックでも、
気がついたら、めちゃくちゃ普通に、普通のおじさんがそこに立っていたのである。
!!!!!!
もちろん、公開前の情報で出てるの知ってるし。
ちょんと認識したらデニーロだし。
眉毛濃いし 。ほうれい線の色気すごいし。
M額さわさわするし。
しかし!!
登場のシーン。ファースト、はじめまして、その一瞬。
その一瞬で、デニーロより先に、普通のおじさんと認識される。
そう、このコンマ何秒の認識の差が、2010年代以降のデニーロの凄まじさである。
たぶん、デニーロは、ある種の境地に達したのだ。そうに違いない。
僕らのデニーロは、デニーロという存在を超えて、ただただ役に入り込む。役から役者が消える。役を飛び越え、自分を飛び越え存在感を超越して、ただそこに普通のおじさんがいる。全てから解き放たれたデニーロ。その凄さたるや。
ぜひ、デニーロを忘れるデニーロショックを体験してほしい。必ずや「ただそこにいる」感のとりこになるはずだから。
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