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すべての朝ごはん難民に推したい。しんぱち食堂の一汁一菜一尾、しあわせの調和440円。
2023年4月、俺は松屋を失った。
なんてことはない。生涯出禁とか袂を分かったとかではなくて、異動でオフィスが変わったら生活圏になくなってしまったのだ。さみしい。一生推す覚悟の松屋さんなのだが、ないものはないのだ。かなしい。
最近になってようやく暑さもやわらいだような、いや、やわらいでないか。やわらぎメンマはピリ辛だし全然30℃越えやないか。毎日が真夏の太陽KomachiAngel、やや乱れてYo Say、はい暑い!!!!!毎日暑い。暑い。秋はまだか。なる早で頼む。
休日出勤、タスク過多。なんとか気合いを入れて望まなくてはならない日。そんな日もある。24時間。定時上等8時間。その一日の生産性は朝ごはんがにぎっていると言っても過言ではない。むしろ言葉足らずすらある。朝が、勝負なのだ。やる気は胃からなのだ。エンドレスで目隠しテトリスするような出口のない仕事が待ってる日でも、朝ごはんがおいしければなんとか乗り切れるのだ。
ああ、あの完璧なまでの「ふつうの朝食」にいつでも出会えた松屋。幸せだったなぁ。なんと恵まれてたことか。松屋よ、恋しい。松屋の代わりなんていない。いないよ。いないけど、朝になれば腹は減る。背に腹は代えられない。竹でも梅でも。なんとかしなくてはならない。
のれん。のれん。自動ドア。ほしほしほし。汗を拭き拭き、渋谷の街を繰り、坂を上り、下り……のテンションでグーグルマップを右往左往する。おしゃれなカフェもコーヒーショップも星のように散らばるが、「あたり前の朝ごはん」はなかなかない。求めるは、旅館の朝食のようなそれである。ああ、いずこよ……。
出勤までの時間を気にしながら長いエスカレーターを上がり、夏をかき分け歩き出してすぐ。横目に飛び込んで来たのは、炭火焼きと立板のメニューと魚の文字。
……これだ。
そうして、俺はしんぱち食堂に出会った。
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+
しんぱち食堂を知っているか。
しんぱち食堂を知っているだろうか。
けっして眼鏡ツッコミの彼ではない。俺は知らなかった。ある日突然に。それはノーマーク不意打ちの出会いだった。
知らない方は、まずしんぱち食堂のコンセプトを読んでみてほしい。
ちょっと長いけどまるっと引用する。
しんぱち食堂のこだわり
外食とは、家庭ではなかなかできない
食事の提供によって、
人々に重宝され、
足を運ばれる価値があります。
和食を家庭で当たり前に食べていた
時代から変わって、
今日のように洋食が
家庭でのメインになると
今度は手をかけた和食こそが、
日本人にとって
嬉しい外食となっています。
男女や年代を問わず、
ずっと好まれるのは
ご飯と味噌汁を組み合わせた定食、
素材からこだわり、
手をかけて繊細な味つけをほどこした
シンプルなメニュー。
それこそが、
長年愛されて来た日本人の味、
本当の贅沢な和食といえましょう。
「日本の食文化を取り戻し、進化させたい」。
それが私たち『しんぱち食堂』のコンセプトです。
ほらね?もう食べたい。
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(朝限定/朝じゃけ定食ご飯半割・440円)
魚をね、魚を欲していた。欲していたんだ。気がつくのに30年かかった。炭火の匂い。ちょっと焦げた皮。お味噌汁。お新香。すべてを受け止める白い大地の米。それだったんだなぁ。日本人でよかった。日本人じゃなくてもよかった。それに辿り着いてよかった。まじでめちゃくちゃ最高なんよ。一汁一菜、ごはんですよの黄金律がどのメニューにも凝縮されている。
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銀鮭ってさ、家で焼くとパサパサになっちゃうよね。そしてめんどい。魚って大変。大学生のとき、実家で食べてた鮭食べたくて買って焼いてみたら砂漠生まれ塩湖育ちみたいなパッサパサのスティック切り身が爆誕して以来、敬遠してたのだけど、鮭はやっぱりめちゃくちゃおいしいなぁ。実家のあれ、いつかの旅館のそれが渋谷で。ありがてぇ……。
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(豚生姜焼き定食 肉並盛 ¥850)
どれもシンプルなメニューなんだけど、お茶碗大きくてのせて食べやすかったり、お味噌汁も大きいけど飲み干せる味になってたり飽きが来ないバランス。一本槍通ってるのに、安心するこの味。この気概。この懐の深さ。ごはん味噌汁、ひと皿。ごはん味噌汁、ひと皿。この時間大好き。極上飯の反復横跳びを行ったり来たり繰り返しているうちに、ごちそうさまが来る。はぁ〜〜〜!お腹いっぱい!
お腹ごなしに店内を眺める。お味噌汁のお椀いい感じに軽くて使い勝手めちゃくちゃよさそうでぜひ販売して欲しい。しんぱち食堂グッズで出たら絶対買うぞ????あと仕込みでやってる大根おろし一本すりおろすやつ、あれいつかやってみたい。
そしてね、この雰囲気でね。注文が各席でタッチパネルから。お会計はQRコード付きの伝票持ってそのままキャッシュレスでおわり。めちゃくちゃストレスフリー。このあたりの導線が完璧すぎる。店内の空気と利便性のバランス。門はいつでも開かれてるが、自分のペースでOK。まじでもう、心が閉じてるときにやり取り最小限であったかいごはん食べられるの最高すぎませんか???好きすぎるんだが!!!(もちろんテーブル席も別にちゃんとあってグループでごはんもできる。住み分けがパーフェクトやでほんと)お店つくってくれた人にありがとうしかない。ありがとうございます。日本の……、は言い過ぎでも渋谷この界隈の仕事モチベの源泉を支えてくれてるぞ。たぶん。
+
食べ終えてウィンと自動ドアをくぐりお店を出たら、もう「次は何食べようかな」と考えちゃう。このちょうどいい満腹、はら持ち、満足感。めちゃくちゃしあわせ。さらに生ビールもあるらしくて(定食注文で¥150だと……!!)、その箱を開けちゃったら最高にやばそうだな???……と、日々欲望と戦いながら、また食べに行くのをたのしみにしている。
しんぱち食堂、どんどん推していきたいぜ。ごちそうさまでした!
おわり。
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