Poker Mixed Gameのディーリング手順(11gameなど)全文無料

ミックスゲームのディーリング手順やコツについての日本語記事が見当たらなかったので備忘録的に書いておきます。またそれぞれのゲームのルールは知っていて、NLHのディーリングはできる前提で書いているので注意してください。また基本はTDA2024年版に準拠しているつもりですが、ミスがあれば指摘してください。またフロアができるレベルまで細かいケースに対応していますので、必要ない方は適宜読み飛ばしてください。


FLH

基本的にNLHとディーリング手順は変わりません。ただいくつか注意点があるので書いておきます。まずレイズ回数の上限を確認しときましょう。FLにはレイズ回数に上限がある場合が多いです。例えば5betcapなど5betまでしかできず、そのあとはコールorファールドになります。5betcapが多いですが、稀に4betcapもあります。またキャッシュゲームだとヘッズアップになるとレイズ回数に上限がなくなるルールもあります。事前に確認しておきましょう。

またショートオールインについても確認するべき点があります。たとえばBB(ビックベット)が1000のターンで400のショートオールインが入った場合これに対するコールは400ですが、レイズは1000の場合と1400の場合があります。またこの場合1000点のレイズを2betとして5betを4000とするのか、1000を1betとして5betを5000とするのか、また1400を2betとして4400で5betcapとなるのかなども事前に確認しておきましょう。

PLO

まずはポット額の計算方法です。ポット額の計算方法はいろんなところに書いてあるので詳細は省略しますが、公式だけ書くと、前の人が出したチップ×3+残りです。たとえばSB/BBが100/200の時のポット額は前の人(BB)が出した200の3倍と残り(SBの100)を足した700点となります。なおこのポットオープン額の3BB+SBの額をMake itといったりします。なおプリフロップでBBanteの額をポット額に含めるかどうかですが、含めないことが多いです。
またポットリミットのゲームではプレイヤーはディーラーにポットがいくらか聞く権利があります。

つぎは具体的なディーリング手順です。基本的にはホールデムと同じです、プリフロップでハンド4枚を配って、フロップ、ターン、リバー、と開くだけです。

つぎはディーリングのコツです。まずポット額ですが、一番大事なのは常にポット額を意識することです。もし今ポットベットやレイズが来たら何点なのかを常に考えておくことが重要です。そのためにも集めたチップは1000点ごとや10000点ごとにまとめておくとよいです。
また役判定について、ホールデムと違って手札から2枚使わなければいけないことに注意しましょう、最初は慣れないですが、回数をこなす中で慣れていきます。またナッツがよく出で来るゲームなので、ディーリング中にナッツは意識しておくとよいです。

最後によくあるトラブルについてです。まずエクスポーズによるリシャッフルの基準ですがホールデムと変わりません。SBとBBの一枚目、もしくは合計2枚でミスディールです。
もうひとつのよくあるトラブルはポット額のミスです。これはポットベットの際誤ったカウントにより本来のポット額より高い額(本来打てない額)がベットされた場合と本来のポット額より低い額がベットされた場合で対応が異なります。

本来のポット額より高い額(本来打てない額)がベットされた場合はそのストリートの中であれば常に正しいベット額に訂正されます。例えばフロップで本来ポット額が3000の時に間違って3200のポットベットがあった場合は、フロップの途中であれば訂正します。ターンを開くともう修正できません。(リバーの場合はショーダウンの前までがそのストリート扱い、リバーのベット額のミスはショーダウンすると訂正不可)

本来のポット額より低い額がベットされた場合はその後SA(サブスタンシャルアクション)が起こる前であれば訂正します。逆にSAの後は訂正しませ
ん。例えばフロップで本来ポット額が3000の時に間違って2800とアナウンスしてプレイヤーAがポットベット、プレイヤーBがファールド、プレイヤーCがコールした。この場合SAが起こっているのでベット額は訂正しません。


PLO8(BIG-O)/FLO8

PLとFLの扱い方や、オマハのディーリング手順についてはFLHとPLOを参考にしてください。

PLO8(BIG-O)/FLO8は個人的に最もディーリングがめんどくさいです。配る枚数が多いですし、何より役判定が慣れるまでは難しいです。ここではHi-Lo系のゲームを扱うコツについて扱いたいと思います。

まずHi-Lo系のゲームを扱う際ポットは半分に分けておきましょう、プレイヤーのアクションを待っている間にチョップの備えて半分に分けておくことをお勧めします。ただしポットを分けるのはあくまでプレイヤーのアクションを待っている間にやるべきです。プレイヤーのアクションが終わっているのにポットを分けていて次のストリートのカードを開かないといったことはないようにしましょう。またヘッズアップになった場合それぞれのプレイヤーの出したチップはラウンドが進んでも回収しません、例えばフロップでヘッズアップの場合リバーまでポットに入れずプレイヤーの前に置いたままにしておきます。これはチョップが多く、どうせ半分に分けるのであれば最初から一緒にしなければよいからです。

最後は役判定についてです。omaha8は慣れるまでは非常に役判定が難しいですが、回数をこなしていくしかありません。コツは普通のPLOと一緒ですがナッツを考えておくことです。特にローのナッツはよく出てくるので、ローのナッツやローのセカンドナッツなども考えておくとスムーズです。またルール上ボードに8以下が3種類落ちないとローが存在しないのでそれも意識すると良いです。

Stud/Razz/Stud8

stud形式のゲームはNLHやPLOなどのフロップゲームとは色々違うので、最初は混乱することが多いですが覚えてしまえばStudもRazzもStud8も全部一緒ですので頑張って覚えましょう。

まずstud形式のゲームはanteを1人ずつから集めます。いまさらanteを全員から集めることはあまりないので慣れないと思いますが、誰が出していないのかでトラブルになり得ますのでしっかりと見ておきましょう。
また少し特殊な方式としてBTNを動かしてBTNのプレイヤーが全員分のanteとbling-inを払って、本来のbling-inを出すべき人がBTNが出したbling-inをもらってチェックorレイズから始まる形式もあります。ASPTなどはこの形式だったと思います。

3rd

まずカードの配り方ですが、BTNがないゲームですから常にカードは1番席から若い番号順に配ります。1枚目2枚目は裏向きに3枚目(3rd)を表向きに配ります。この時1枚目2枚目の本来裏向きに配るべきカードをエクスポーズした場合そのカードを3枚目のドアカードとして、3枚目を裏向きに配ります。

3rdを配った後は3rdのカードがそのゲームで一番弱い人のbling-inかcompleteから始まります。そのゲームで一番弱いカードとはstudとstud8ではA♠>A♥>...>2♦>2♣の順、razzではA♣>A♦>...>K♥>K♠の順で最も弱いカードを持っている人からスタートします。このとき最も弱い3rdを持っているプレイヤーの3rdを読み上げるなどしてそのプレイヤーにアクションを促すとよいディーリングだと思います。

3rdに関していくつか注意点があります、まずペナルティを受けてるプレイヤーや離席中のプレイヤーにも3rdは配り、もしそのプレイヤーが最も弱い3rdを持っているときそのプレイヤーはbling-inを払わなければいけません。
また本来bling-inをすべきプレイヤーがショートでanteでオールインとなった場合はその隣のプレイヤーのbling-inかcompleteでスタートします。

またbling-inをしたプレイヤーはcompleteをせずにbling-inを選んでいるので、コールでアクションが回ってきた場合オプションはなく、4thに進みます。bling-inをしていても、bling-inしたプレイヤーのアクションまでにcompleteが入っている場合はレイズできます。

4th~6th

4th~6thのアクションはそのゲームで最も強い役が見た目(表のカード)でできている人からアクションです。
例えばプレイヤーAがK6でプレイヤーBがK9を見せている場合、stud/stud8ではK9ハイのプレイヤーBから、RAZZではK6ローのプレイヤーAからアクションです。
ほかの例です。5thでプレイヤーAがA29、プレイヤーBが334の時stud/stud8ではペア3のプレイヤーBから、RAZZでは9ハイのプレイヤーAからアクションとなります。
またもし表のカードが全く同じランクの場合、例えば4thでプレイヤーAがA♠3♣、プレイヤーBがA♥3♦のときについてです。これはTDAではゲームに関わらず(stud,stud8,razzすべて)普通のハイカード(A♠>A♥>...>2♦>2♣)を持っているプレイヤーからアクションをします。この場合A♠を持っているプレイヤーAがstudでもrazzでも最初にアクションします。
ただ表のカードが全く同じカードの場合は1番の席から若い方が先にアクションとなっている場合も多い(WSOPもこれ)ですので、確認しておきましょう。

またハウスルールとして3rdと4thでペアができている場合4thでもBB(ビックベット)が打てるというものがあります。TDAでは不採用ですが、念のため確認しておきましょう。

7th

7thのアクションの順番は6thのアクションの順番と一緒です。ここでも注意点がいくつかあります。まずオールインが入っていないのに7thを表向きで配ってしまった時です。このとき表で配ってしまったカードは交換します。ちなみにオールインが入っていても7thは裏で配るべきですが、オールインの場合は間違って表で配っても交換はしません。

カードが足りなくなった場合

stud形式のゲームでは稀に7thに配るカードが足りなくなる場合があります。その際は状況によって少し手順が異なります。

3枚のバーンカード(4th,5th,6thのバーン)を加えて必要な枚数が足りる場合
3枚のバーンカードと残りのスタブをシャッフルしてその後バーンを刺して普通に7thを配ります。

残りのスタブが3枚以上あるが、3枚のバーンカードを加えても必要な枚数が足りない場合
バーンを刺してコミュニティカードを1枚テーブルの中央に開きます。このとき7thのアクションは6thのアクションの順番と同じです。

残りのスタブが2枚以下で、3枚のバーンカードを加えても必要な枚数が足りない場合
3枚のバーンカードと残りのスタブをシャッフルして、その後バーンを刺してコミュニティカードを開きます。このとき7thのアクションは6thのアクションの順番と同じです。

最後にディーリングのコツです。まずアクションの順番が分かりづらいので、アクションの順番をアナウンスするとよいと思います。例えば4thで223のプレイヤーからアクションの場合は「ペア2」などアナウンスするとよいと思います。またstud8ではomaha8と同じくポットを半分にするなどの工夫することをお勧めします。

2-7td/Badugi

まず基本のディーリングの流れですが、ホールデム同様ハンドを配り、ベッティングアクションが終わったらチェンジ枚数を順番に聞き、バーンを刺して交換枚数だけカードを配ります。稀にバーンを指してから交換枚数を聞くディーラーがいますが、それではバーンカードの意味がないので注意してください。

エクスポーズについてはTDAではハウスルール次第となっていますので、事前に確認しておきましょう。またドローポーカーにはオートベット(チェンジ枚数少ないほうが引いてきたカード関係なくbetする戦略)という概念があるので、チェンジ枚数が確定した時点でカードを配る前にベット(いうならベットインザダーク)する人もいますので意識しておきましょう。

またドローポーカーでは必要なカードが足りなくなる場合があります。その場合リシャッフルになりますがその際の手順について述べます。

リシャッフルの順序としてはまずバーンを刺し、必要な枚数(全員の交換枚数)を確認し、スタブに残っているカードで足りなければその時点でリシャッフルします。よくバーンを刺し交換している途中でスタブがなくなってからリシャッフルするディーラーがいますが、一般的に捨てられたカードよりもスタブに残っているカードの方がいいカードが残っていることが多いので、スタブのカードを確実に受け取れるアウポジが有利になるのであまり良くないです。ただし間違ってそのようになった場合は仕方なくそのままリシャッフルしてディーリングします。またハウスルールによってはリシャッフルを嫌ってそれまでのバーンを使うようにするハウスルールもありますので事前に確認しておきましょう。

よく勘違いされていることがありますので一応書いておきますが、2-7において、A2345はストレートではなくAハイです。勘違いしている人も多いので気を付けておきましょう。

またbadugiのショーダウンの際、tri(ダイ)の場合使わない1枚のカードを横にして

6triのショーダウン(10は使わないがルール上4枚全部見せないといけない)

上の画像のようにすることがあります。特にtriが勝利ハンドの時はこのようにするとわかりやすいと思います。

2-7sd

基本的には2-7tdの同じ流れです。ただし注意点を挙げるならハウスルールによってはリンプが禁止の場合があります。TDAでは許可されていますが、禁止の場合も結構あるので確認しておきましょう。

最後に

11gameのディーリング手順を自分なりにまとめてみました。基本的にはTDAに準拠しているつもりですが、なにか不備や補足、質問などありましたらX(旧twitter)までお願いします。出来るだけ返信します。以下有料部分は投げ銭用です。



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