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いつか全部わかると

いつか、全部わかるようになると思っていました

いつからか、そう思っていました

今に、過去に、満たされなくて、だから、いつかはこれが終わるのだと、全てわかって、丸く完璧に満たされる時がくるのだと


常に不正解で、いつも何かが不満で、

もっとこうだったら、ああだったら、

そういう風に、ここにないものばかり考えていた


確かなものがほしいのに

不確かなものを求めていて

あるはずないのに

あると信じようとして

正解を、自分と世界を完璧に満たしてくれるものを


本当に足りなかったのは

ずっと欠けていたのは

在るものを在る、と信じる勇気


信じてしまったら、先に進めない?

満たされてしまったら、終わり?

まさか

そんなことをずっと恐れていたのか、私は


今も信じきれていない

いつか解放される瞬間が来るのではないかと

不確かな正解を求める弱さ

そんな弱さからこそ、本当は解放されたい


人間は、ずっとわからない

生きて生きて生きて生きて、ずっと生きていても

すべてをわかるはずはない

この世を去る時にだって、わからないはず


いつか、いつかと思ううちに死んでしまうのなら

今を、在るものを、知っているものを、もっているものを、

美しいと思うものを、のこしたいと思うものを、覚えておきたいと思うものを、

そのまま信じたい

好きでいたい


みんなが本当に願っているのは

そういうこと、

そういう一つの、単純で、形にし難い、でもずっと壊れないもの、なんじゃないかと

思った夜です