目ん玉光ってるのがよーわかる距離感。
そこには確かな緊張感があった。
先住猫と新参者が出会うのはこれが初めてではない。
顔を覚えているかは定かではないが、お互い何度も顔を突き合わせている。
ただし、窓越し。あるいは最近はケージの柵越しにであった。
昨日から、2匹の間にはなにも存在しない。
1日が経って尚、確かな緊張感が走っていた。
僕が新参者を遊ばせていると、奥のリビングからノソノソと先住猫が近づいてきた。
次に気づいたときには、物陰からじっと新参者を見つめる姿があった。
まるで市原悦子。先住猫は見た!だった。
そして両者の目が合う。
ゆっくりと近づいてくる先住猫。新参者の顔をまじまじと見つめ、先制の「シャー」を放つ。
そうして先住猫は去っていった。
本日最初の邂逅は、思っていたよりずっとあっけない幕切れであった。
2匹はこれからどのような関係になっていくのだろう。
先程夕食の餃子を食べていたとき、後ろで「ニ゙ャ」という声が聞こえた。
2匹で仲良く…という光景は、まだまだ遠そうである。